ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

「民主党のマニフェストが発表されて」

2009年07月28日 17時16分38秒 | Weblog
民主党のマニフェストが発表されて、各紙を読んだが、それぞれの特徴が出て面白かった。

現実路線の転換が弱いと食いついたのが読売らしい。毎日は官僚政治からの脱却を評価、朝日は歴史的転換に説得力をもたせられるかと抵抗勢力(官僚たち)の存在を指摘することで、プラス評価している。日経はいくつかの疑問をかかげ財源問題の裏付けの弱さを指摘する。

鳩山代表は実現できなければ政治家としての責任をとるとまで記者会見で言い切ったから、退路を断った政治表明と受け止めたい。麻生さんもそれを上回る行動に出ないとだめだろ。つまり選挙に負ければ自民党政権が終焉を迎えるわけだから、「退路を断つ」という覚悟ではとても勝負にならないからだ。今週土曜日のマニフェスト発表に注目したい。

しかし小選挙区制度は弱小政党のアピールは本当に世論化しない。社民党も「民主の一人がちはさせない」などと、民主の勝利を見据えたようなことを言っていてはだめだ。しかし生活再建にかかわる主なものは民主がもっていってしまうから、最後は「憲法9条を守る社民党」しかなくなる。これは安部政権時は広がったが、有権者へのアピールとしては弱い。

東京都議選では共産は伸び悩み、社民は全敗した。何か今度の総選挙を告知するような結果だ。格差社会が広がった2008、2009年になぜ伸びないのか。これは大きな課題ではなのか。言えることは、幅広い市民運動をどれだけ結集できるようにかがカギ。社会の基層にある人々の声をどれだけ生かせるのか。民主は「国民が主役の政治」と言う。いまさら言われなくてもわかっていることだが、いまの状況だけに新鮮なのだ。新鮮な言葉が勝負だ。ただ小泉さんの時のように「言葉政治」の弊害だけは御免だ。

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スローガンと政党支持の関係

2009年07月25日 08時56分53秒 | Weblog
 麻生さんは3度総選挙を打って出るときがあった。最も勝利の風が吹いたのが、福田前総理辞任の直後で昨年10月ごろだ。

 ところが自民党の支持率が40パーセント台で決断しなかった。福田さんが辞めたのは麻生さんなら勝てると踏んだからだ。しかし、麻生さんは決断しなかった。最後の最後、追いこまれて解散に踏み切ったのは、政治家にとって何が大事なのかを自ずと語っているように思う。

リーダーシップだ。それは決断力が備わらないと前進しない。なぜか麻生さんは決断で弱腰だった。それは性格的なものよりも、「四面楚歌」の政治状況と関係するのかもしれない。

会社の舵取りでも同じで、長引く不況で新たな方法を打ち出して活路を開くというのは相当の指導力が問われる。しかし、指導力は一朝一夕で身につくものではない。問題に明るいことが必要だ。裏打ちされた経験もそのひとつだ。

選挙のスローガンが戦いにマッチすれば、つまり人々に浸透するなら勝算ありといわれる。スローガンがどこか宙に浮く、白々しいと感じるのは、現実から遊離しているからだ。スローガンがもうひとつ広がらない。各党のスローガンを比べてみると、よくわかる、何が言葉として勢いをもつのか。勢いをもつところは決断力もスピーディーなはずだ。

 8月30日まであと5週間。民主党以外の野党で勢いあるスローガンが登場させられるか。かなりのハードルを越えねばならない。ただ、メディアはいつも多数派につくから、少数政党のスローガンは浮上しない。


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地デジで困ること

2009年07月23日 23時17分32秒 | Weblog
 正確には明日午前1時10分からNHK教育テレビで年間企画の日本と朝鮮のシリーズが4回連続して再放送される。

 ところがテレビが地デジまで買わないから見れない。そこでビデオを撮ってもらうことになるが大変なのだ。

 まず相手がみつからない。

 地デジ移行でテレビの新しいものは買わないかもしれないから、2011年すぎても「なし」が継続することに。

 どうして地デジなのか。その議論すらない。国策だそうだ。そのおかげでずっとテレビはお預けをくらうわけだ。というより、そのままでいいではないかと天邪鬼になる。

 しかいいい番組が見れないのは残念だ。
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日曜新聞読書欄簡単レビュー

2009年07月19日 10時01分15秒 | Weblog
 いずれも敬称略で以下紹介します。

 丸山健二『百と八つの流れ星』上・下(岩波書店、各1800円)ー日経ーは、評者川西政明によれば新たな丸山の世界が展開された作品ということだが、108とはご存じのとおり人間の煩悩の数である。丸山はこの煩悩を描いているのではない。煩悩からの悟りという彼岸的宗教観を想念しながらなのか、世界そのものを変革させようとわずか一編(42字×18行)を108連ねることで頑強な世界を崩そうとするのである。主人公は人間だけではない。地水火風、花、無機物、死体、再生、嫉妬など。まさしくこれは仏教的世界である。108の解決が1つとして同じものはないとことろに、仏教的世界というまとめがひっくり返される。先ほど紹介した各編の字数が一行もはみ出ることがないというから、もうすごいというしかない。「これまで絶対性を追求しつづけた丸山から若さのかげりが消え、自由の境地に遊ぶ人間的な深みが窺えたのは同じ迷いを持つ世代への大いなる啓示となろう」と評者は述べる。

 日経の「今を読み解く」の特集は「試される厳罰化社会」(評者安富潔)である。藤井誠二『厳罰化は悪いことなのか』(双風舎)は「厳罰化」を「適正化」と呼び重罰化の正当性は、刑罰の社会的機能とともに社会政策の妥当性との相関により決まると紹介されている。光市母子殺害事件で被害者である木村洋は犯罪被害者としての権利としての闘いに挑んだ人だ。木村ほかの『罪と罰』(イースト・プレイス)の中の一文が紹介されている。「犯罪が起こった瞬間というのは加害者を責める世論が強いと思いますけで、その加害者が観念して命をもって償ったあとに、社会の視点が、『やっぱり犯罪は双方を不幸にする』となってほしいなと思うんです」。河合幹雄『日本の殺人』(ちくま新書)は、凶悪事件でも象徴的な殺人を取り上げて、なぜ人は殺人を犯すのか、どう裁かれるのか、広い視野から描写している。犯罪行為を押し止どめ真面目に生きたいとする人間の内在する二面性から犯罪を理解すべきことを指摘する。

 加藤周一『加藤周一戦後を語る』(かもがわ出版、3360円)ー朝日ーは天児慧が評者。時代に迎合せず冷徹でバランス感覚を持ち、同時いん平和主義の信念をもった数少ない戦後派のリベラリストーと天児は表する加藤の評価に全く異論がない。加藤が89歳という高齢で亡くなったとは私には意外でしかなかった。もっと若いと思い、亡くなるとは想像できない言説の瑞々しさを常に有していた。加藤の講演録からわれわれが受け継がねばならない大事な世界を学べる絶好の本だ。書評としては少し平板な気がした。

 ヴィセント・ヴァーガ、アメリカ議会図書館『ビジュアル版地図の歴史』(東洋書林、7875円)ー朝日ーは作家の高村薫が評者。書評では地図の歴史を紹介しながら「ヨーロッパから見た人類の欲望と文化の記憶が、ぎっしり詰め込まれている」とまとめている。世界史を地図制作という視点から読み解くには実に面白い作品だろう。
 
 ナシーム・ ニコラス・タレブ『ブラック・スワン』上・下(ダイヤモンド社、各1890円)ー産経ーは牛島信が評者。「歴史は予測できない」ことが理論として書かれている。学者は一部分のことが分かっているが、分かっていないことは分かっていないのだ。「外れ値を予測できない」からだ。表題は「黒い白鳥」の訳になるが、これは「まずありえないもの」を意味する。ブラック・スワンがおきると尤もらしい後付けの説明をする。これを「プラトン化」と呼ぶらしい。9・11が予測できるかというと、できなかった。著者はレバノン生まれ、リスク管理を教えた経歴をもつ文芸評論家。アメリカで150万部も売れている。予測できないことを予測したい読者に答える内容だからか。そうではないだろう。本書で「歴史は予測できない」をどう解いているか読むしかない。

 日本タイ協会編『現代タイ動向 2006ー2008 タイはなぜ揺れるのか』(めこん、2625円)ー奈良ーは評者が吉岡みね子。クーデタから暫定政権、暫定憲法発布、新憲法下の国民投票、総選挙、そして亡命中のタクシン元首相の動向など分かりやすく解説している。国の変容もこの書から知ることができる。高架鉄道、地下鉄のこと、少子化に悩むタイなど。こうしたわかりやすいデーター本が、台湾、韓国、中国、ロシア各国編で編集されてもいい。予断だが、日曜付けで奈良新聞が連載している「神話と歴史のあいだ 記・紀にみる大和の国」は面白い。19日は「和魂・荒魂 日本の霊魂観」で、武智功の日本人の魂への迫り方は神道の祭の原点を御霊の浄化と再生・活性化に求めている。実証する筆に力が入っている。
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中央卸売り市場

2009年07月14日 12時03分01秒 | Weblog
 大学に行く前に朝食を大和郡山の中央卸売り市場でとった。ほかのものもあっあたが、バイキングに手を伸ばした。

 朝からバイキングとは、少しおなかに重い。時間は午前7時に入った。6時からやっているそうだ。「卸売り市場だから、魚の刺身もあるのか」と思っていたら、散らし寿司と巻きといなりで、刺身はなし。ほか焼き魚、煮付けのかれいなどあった。

 あとは野菜の煮付け、サラダなど品数は多かった。

 値段は680円。昼は1000円だそうだ。昼には刺身があるようだ。

 味が濃いのは未明から働く方の舌にあわしているからだろう。

 朝のバイキングは韓国のホテルでもそうだった。

 とにかく腹ごしらえをして大学へ。やはり少し胃が重い。食べ過ぎた。もう若くないのはたしかだ。
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先が見えた

2009年07月12日 22時24分43秒 | Weblog
  民主が東京都の都議会選挙で第1党をとることは予想されたとおりだ。そして麻生さんの「クビ」をすえ変えて新たな体制を作りぎりぎりねばり総選挙に臨むが、それでも勝利は望めない。

 この内容は今回の特集の2本目として書いた記事で内容のリピートにすぎない。

 それより、私の地元・奈良市で新人の民主党候補が勝利したことだ。「どうですかね。鍵田さんは強いからね」「しかし、新住民の方が奈良市は多い。だから旧来型の市長選では時代遅れだ」と昨日土曜日友人と話したところだ。

 静岡知事選では股さきされた民主がそれでも勝利した。この事態は簡単に片付けられない。それをどれだけ深刻に受け止めたのか、だ。自民党が、である。


 もう地方も民主包囲網にある。

 奈良という保守王国が民主が勝利する芽が出てきた。そういう時代なのだ、前市長の藤原さんはどうも先を読んだということか。

 解散、総選挙は益々遠のき、新たな自民の首領を擁立する動きがここ中央で進むだろう。しかし自民幹部の動きは鈍い。奈良市長選では岡田さん、鳩山さんの演説会を告知する看板は目立ったが、自民はぜんぜん気づかなかった。看板すら見かけなかった。これでは勝てるはずがない。

 だいたい読めたのではないか。この2-3か月の政局が。

 
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「麻生政権の終焉、そして・・」 明白な事実

2009年07月10日 22時46分14秒 | Weblog
政党選択は何を基準とするかは、政策であることをまず抑える必要がある。自民と民主との政策の違いは。また公明、社民、共産、国民新党の違いは……を考えねばならない。

麻生さんの人気のなさは政策のアピールが少ないことだろう。小泉さんの政策の訴えては強烈で、有権者はその魔術にのり、自民の大勝が先の総選挙だった。新自由主義のもとでの市場開放で、何かよい時代が来ると錯覚してしまった。郵政民営化がその典型である。

しかし、熱狂的な人気を支えたのは背後に思想的土壌としてナショナリズムがある。この国はより富むだろうという信仰に近未来を描く期待偏重のナショナリズムである。

ところが新自由主義はほころび、昨年から世界禁金融恐慌で不況が続く時代に突入した。

こんな時代だから、小泉路線の継承とは時代錯誤もはなはだしいことになる。だから麻生さんは「実は私は郵政民営化には反対だった」と口を滑らせてしまった。正直な時代感覚だ。

しかしそれは小泉人気を支えたナショナリストの傷をあばくようなものであり、これで支持率はダウンしてしまった。それでは近未来での国富論はどの政策にあるのかということになる。

多分自民は新総裁を選出して有権者に新着姿の自民を見せつけようとするが、期待される国富論は打ち出せない。もう思い切った改革、あるいは新たな角度でこの国を見直すという新たなナショナリズムの声に添うことができないからだ。

あまりにも制度疲労が進んでいる。官僚の肥大、社会保障制度の混乱、地方の反乱など。そういう時代だからこそ、政策をじっくり見比べる、与党対野党。2大政党時代で収斂できるものではない。民主はどう野党をまとめるかにある。今後はその力量が試される。無論、権力の一角に参加するという政治の泥臭い取引も含めてである。

しかし、あの東国原宮崎県知事の問題はどこに行ったのか。自民も東国原知事もマイナスだった。それはもうはじめからわかっていたことだ。




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韓国 非正規職問題で新たな対応出されず

2009年07月10日 08時32分01秒 | Weblog
 韓国の非正規職問題が国内問題の大きな焦点の1つになっている。

7月1日から2年契約の契約社員が解雇される事態になっているからだ。2年を4年に延長法案は「非正規社員化促進しかない」のなど批判が相次ぎ、新たな施策が実現していない。1200億ウオン近い事態f打開の予算「正規職転換支援金」執行は政府内部で意見を異にしてカベに乗り上げたままだ。

 日本のように2年で契約解除の体制が確立するのか。日本ではその移行にメディアも沈黙したが、韓国ではそうではない。先だって国家人権委員会委員長が辞任して「他国がうらやむ人権大国がいまなさけない状態に」との趣旨の発言をしていたが、非正規労働者問題で日本の二の舞はふまないだろう。そう思いニュースを読んでいる。
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地下鉄で2度足止め

2009年07月09日 19時12分22秒 | Weblog
 昨日は大阪地下鉄谷町線がご難続きで、いずれも乗客として足止めを食った。そういうこともあるものだ。

 午後5時15過ぎに中央線から谷町4丁目で降りようとしたら、「都島で発煙して谷町線は全線ストップ」とのこと。仕方なく堺筋線に乗り換えて中崎町へ。

 帰りは帰りで、東梅田プラットホームで足止め。中崎方面のプラットホームで乗客が線路に落ちたとい、ここでもストップ。約5分間動かなかった。

 しかし、人命が大丈夫なら少々電車が遅れてもいい。そういう気持ちの人が大半だったろう。その思いで「少々は」でやりたいものだが、JR福知山線事故の刑事責任は「少々は」ではいかない。そんな思いでいたら朝刊に福知山線事故の刑事責任で社長を問う記事が出ていた。

 今回の地下鉄の遅れを仕方なく是認する人の多くは、あの福知山線の事故の悲惨さが心身に焼き付いているから、「あまり急がなくても」という感覚があるに違いない。事故の悲惨さは日々おこる行動にあらわれるものだ。しかし5時の全線ストップは退社時間とも重なり、相当泡を食った人もいたようだ。

 5時のストップは6時前に全線開通した。
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日曜新聞読書欄簡単レビュー

2009年07月05日 20時41分19秒 | Weblog
日曜新聞書評欄簡単レビューです。文学作品を中心に紹介しましょう。

 山崎豊子『運命の人』全4巻(文芸春秋、各1600円)-朝日―は松本仁一が評者。書評としては名前は出していないが、毎日新聞の西山太吉が暴いた沖縄密約の特ダネが政治権力によりどう変質されるかを概略述べたことで終わり、山崎の小説手法などふれていないのが残念。資料の入手した山崎が一時壁にぶちあたったと聞いていたが、乗り越えて完成した作品だけに、その辺の背景も書評から知りたかった。ベストセラーとなっている本書は現在形の国家権力の情報隠しを描いているから、興味がつきない。

 同じ作品を読売が書評している。井上寿一が評した方はその文学的世界に踏み込んでいるのがいい。主人公の内面を描いていると紹介している。密約の暴露で国益にあんるかどうか懊悩する姿に読者は感情移入すると。さらにもう一つのテーマを井上はあげる。日本のナショナリズムの問題だ。主人公の挑む姿から作者(山崎)は未完の物語、日本のナショナリズムの物語を書いてもらいたいと注文している。この2書の書評は井上に引かれる。

 文学作品では吉村萬壱『ヤイトスエッド』(講談社、1680円)―朝日―は、衣食住足りた現代人が「変」になっていく姿を描いた作品のようだが、穂村弘の書評ではよくわからない部分がある。しかし「主人公たち」と書かれているから連作か複数の作品からなる本なのかと思う。人間が衣食住足りてそれで安全な社会に住み何を望むものがあるのかというごく当たり前の問いかけに、実は欲望の肥大の中で「化け物」になっていく様を描く文明批判の作品だと思えてきたのだが。さて、本の方はどうなのか。

 文学作品というべきか、サルトルの『自由への道』(岩波文庫、798円)ー毎日ーが書評にかけられた。サルトルといえば京都の人文書院だと思っていたら、岩波文庫で新訳で登場すたのである。20世紀に読んだ1人である私は再度読むとは思っていなかったが、鹿島茂の表では主人公への肩入れで若かりしころの表者はいまは脇役のマチウの兄ジャックの大人の言に心引かれるという。その分析がふるっている。「社会の全員がマチウになり、ジャックがいなくなった時代だぁらかもしれない」と。優れた小説は多様な解釈を、そして同じ作品が読む年代で違うということなのだ。『自由への道』がその作品の1つなのだ。

 日経は「北朝鮮情勢 深層探る」と「今を読み解く」で5冊の本を紹介している。ステファン・ハガード、マーカス・ノーランド『北朝鮮 飢餓の政治経済学』(中央公論新社)ではアメリカの専門家による分析で、「北朝鮮は歳入の約三分の一を援助、あと三分の一を通常の輸入、残りをミサイル販売や麻薬取引、通貨偽造、密輸」というのだ。そこd絵結論は国援助打ち切りで体制が変わるが、国際社会の足並みの乱れで実現は難しいという。ミサイル1発の発射で「北朝鮮の1年分の食料不足を補える額」という。小此木政夫・磯崎敦仁『北朝鮮と人間の安全保障』(慶応大学出版会)では社会階層分析をしている。核心階層、動揺階層(一般階層)、敵対階層に分類・管理され、移動や通信の自由も制限されている実態を紹介、国民は「欠乏」と「恐怖」という圧迫のもと抑圧を受けざるを得ないというのだ(評者の池田元博の紹介文からの引用)。日本人拉致問題と日朝交渉の経緯を描いたのが田中均『外交の力』(日本経済新聞社)だ。中国の軍人が書いたのが、綾野著、富坂聡編『中国が予測する北朝鮮崩壊の日』(文春親書)だ。(敬称略)

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舌戦政治と近々事態の観測記事の醜悪さ

2009年07月03日 10時37分01秒 | Weblog
 政治とメディアは緊密というより、煽ることで活性化するのが両者の特徴か。知事を辞めて国政へーへという東国原宮崎県知事の弁に踊らされるメディアは 、本当に「総裁候補」発言を信じているのか。

 「選良」という今は使われない言葉がかつての選挙報道であったが、有権者の信任、あるいは当選して選ばれると、だいたが権力の魔力に取り付かれるようだ。

そこで「選良」という「良」は正当性をもつから、政治家の発言が過熱化する。それをさらに加熱するのがメディアだから、受け手であるわれわれ読者らは、右往左往させられる。

いまの権力者の言葉弾をぶつける舌戦はいい加減にしてほしい。一方メデイアの希望的観測記事もいい加減にしてほしい。その種の記事は実は書きやすい。事実の押さえが厳密ではないからだ。近未来記事は書き得なのだ。しかし書き得とはジャーナリズムの正当性を逸脱している。

 派閥政治と政党間の非難合戦にはもうあきあきした。テレビが故障しているから画面をつけないだけ幸せだ。「アナログ」廃止という国策のために地レジ対応までおあずけだ。それよりもうアナログで通すかもしれない。どこがあかんのかさっぱりわからない。

いまはテレビの音声が入るラジオがあるからそれで十分だ。ただし地レジ対応しないというと家族の猛反対に見舞われそうだ。地レジまでひたすら待ったのに。敵前逃亡かーというわけだ。

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5年がかりの翻訳本 北を内側からとらえる

2009年07月02日 07時16分42秒 | Weblog
 話題作「美しい家 朝鮮『労動新聞』記者の日記」東方出版刊 としてネットニュースに出した。

 韓国の言論賞を総なめにした孫錫春(ソン・ソクチュン)の初の文学作品で750枚の大作。本書が刊行されるや、韓国では「日記」の作者李真鮮(リ・ジンソン)が実在するか否か、出版界、歴史学会で波紋の呼んだ話題作。
 価格 2625円(税込・送料無料)  ISBN978-4-86249-142-8
ジャーナリスト・ネットでも取り扱っています。ご注文は info@journalist-net.comまで。

 李真鮮は1938年から「日記」を書き始め、植民地独立の闘い、南朝鮮労働党の朴憲永(パク・ホニョン)に従い越北、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』記者として活躍、理想の朝鮮革命をめざした。しかし朝鮮戦争の渦中、帰還した李の目の前で妻子が米軍の爆撃で失う悲劇に見舞われた。やがて朴憲永は粛清されたが、李はなおも人民が主人公の朝鮮革命を求め、金日成主席から息子金正日国防委員長への権力の世襲に批判を強め悶々とした日々を「日記」に記す。「日記」は1998年10月10日に閉じ、読者は悲劇的な結末を知る。「金正日同志」への李の手紙を最後に掲載している。本のタイトル「美しい家」は爆死した李の息子ソドリが語った言葉、「革命って、みんなが幸せになる家をたてること」に由来する。朝鮮革命が目指す理想を象徴的表す。いま3代目の世襲問題が報じられている中、この「日記」は朝鮮民主主義人民共和国を知る本ともいえる。作品の著者孫は「日記」の実在につていは何も語っていない。訳者は張春栄、羅基泰の2氏と私、装丁は林眞理子氏、カバー絵画は黄泰殊氏(韓国在住画家)。

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