「追撃者」の観客総員数が200万をこえたという。28,29日の韓国インターネットサイトを見ると関連記事が多い。
やはりそうかと納得した。映画を終えて若者に「面白しろかったか」と聞くと、「面白い」と即座に答えていたが、2月興業は正月興行ではないあまり陽が当たらない上演なのだが、すごい。
映画評に「法律で守られることがない人たちに光りをあてた」とあった。韓国で「ソンメメ」ということばがあり、最初何のことかわからなかったが「性売買」である。その世界を描くのだから、また殺人魔の事件だから、家族連れで観る映画ではない。
観客動員でも心配されたのが、このヒットというわけだ。単なるスリラー映画ではない。韓国社会の闇を描く作品だ。
悪人である「ソンメメ」手配師(キム・ユソク)が殺人魔(ハ。ジンウ)を追いかける。それに警察官僚のぶざまな姿が映し出される。行方不明の女性(ソ・ヨンフィ)の子ども(キム・ユジョン)がこの作品のカギだ。
これらのヒントは2006年に逮捕された死刑囚の事件に隠されたテーマでもある。
それにしても34歳のナ・ホンジン監督はよくやった。初めての長編作品だそうだが、スターを使うわけでもなく、制作費をとるわけでもない。宣伝をするわけでもない。良い作品には人が集まるのだ。