生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

Joaquin Turina Songs  ホアキン・トゥリーナ 歌曲集

2015-11-16 23:03:16 | 
 先日エリック・サティのヴォカリーズを紹介しましたが、そう言えばエキゾティックな魅力のあふれるヴォカリーズがあったと思ってCDリストをひっくり返してみました。スペインの作曲家、ホアキン・トゥリーナ(1882年~1949年)のSongsというCDでした。レーベルは珍しい作品を売り出すことにかけては最右翼のNaxosです。全9作品30曲がピアノ伴奏で収録されています。

 魅力的なヴォカリーズは作品番号74番の7曲ですが、ペトルッチ(IMSLP)のサイトには楽譜は公開されていませんでした。動画サイトでも音源を見つけることは出来ませんでした。

 そう言えばさすがの梅ヶ丘歌曲会館でも近代スペインの作曲家までは取り上げていないだろうと思って見ると、豈図らんやホアキン・トゥリーナの「歌のかたちの詩」作品番号19番の5曲が取り上げられていました。と言っても1曲めはピアノ独奏作品ですが。この作品番号19番は私が購入したCDにも収録されていて、ペトルッチ(IMSLP)で公開されています。ただし2曲めの最初の頁は落丁しているようです。また動画サイトで検索すると複数の音源が公開されています。ホセ・カレーラスの音源もありました。

 ホアキン・トゥーリナの歌曲の魅力は、地理的に近い(フランスで音楽を勉強した)こともあると思いますが、それ以上に時代的な同時性(生誕年はシマノフスキー、グルック、ストラヴィンスキーと同年)からか、フランス近代歌曲によく似たところを感じつつも、エキゾチック=スペイン的な雰囲気をたたえています。そしてピアノが得手だったのか歌曲作品においてもピアノパートが中々に雄弁です。雄弁でありながら軽快さを失わない様に音の積み重ねを意図して薄くしているかの様に思えるところも多々あります。疾走感のある音楽です。そう言えばフランス歌曲は歌いあげるという感じよりも喋る意識を感じる時がありますが、その意味ではフランス歌曲よりもイタリア歌曲に近い歌い上げ方が似合いますね。同じテーマを歌ったイタリア歌曲、スペイン歌曲、フランス歌曲を歌い比べるのも面白い趣向になりそうですね。

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