生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

カレーラスの歌声 病前と病後で変わったのだろうか?

2017-02-10 23:04:21 | 思うこと

 昨日のブログで3大テノールを話題にしたのは、実は例によってインターネットのオークションサイトで、カレーラスのCDアルバム「奇跡の復活コンサート」を落札して、一昨日に手元に届いたからでした。3大テノールの競演CDでは、完全に突き抜けているパヴァロッテイと、バリトンの声帯を完璧な技術でテノールに歌いこなしているドミンゴと、聞き比べてしまうのでカレーラスは技術や声の良さというよりは、情熱的に一生懸命に歌っているという歌い方の姿勢が売りになるようなきらいがある様に思います。

 とはいえ、昨夜から今日にかけてカレーラスのCDアルバムをいくつか聞いてみると、十分に感動を与えてくれるプリモ・ディーヴォであることが判ります。「奇跡の復活コンサート」アルバムは聴衆の拍手も収録されているのでライブ録音と思われます。その中で特にカタルーニャ民謡の「鳥の歌」とプッチーニの「誰も寝てはならぬ」等は、情熱的に歌っているのはもちろんのこと、大病から奇跡的に復活出来て病前と同じようにステージの上で高らかに歌うことが出来る喜びをしみじみと感じながら歌っているのだろうな、というほんのりとした充実感さえ伝わってきます。後半には歌曲も収録されていますが、いきが良い取れたての魚というか積み立ての野菜というか、カレーラスの歌唱が作品に躍動感を与えているような生命感さえ感じます。

 以前指示していたテノールの先生が、カレーラスの本来の歌唱は白血病を病んだことで失われた、というような主旨のことを言っておられたので、そうなのかと思っていました。仮にそうだとしても、復活した後のカレーラスの歌唱でも十分すぎるほどに魅力的ですね。念のためにカレーラスのCDアルバムの発売年代をディスコグラフィーで確認してみましたが、殆どが病後に発売されたものばかりですね。少なくとも現時点で私の手元にあるカレーラスのCDは全て病後に発売されたものばかりでした。CDの発売が病後であっても中には病前の録音が収録されているものがあるかも知れません。しかし1枚だけ間違いなく病前に発売されているアルバムを見つけました。残念ながらオペラアリアや歌曲集ではなく、オーケストラと少年合唱団と共に宗教曲を収録したものですが、ネット上では送料別で程度が良のものが¥1-で複数販売されていました。発注しましたので、手元に届き次第カレーラスの病前の声について報告させていただきます。