たんなるエスノグラファーの日記

エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために

2014年の文学系読書のたんなる記録

2014年12月30日 23時55分15秒 | 文学作品

1.ボラーニョ『2666』は800頁近い大作で年初に読み始めて1ヶ月くらいかかったが2.深沢七郎『甲州子守唄』を読書会で読んだ関係で深沢の国語教育を無視したかのような文体に惚れ込んで3.『楢山節考』を読み返したが生から死への移行が姥捨てを介して表現されているこの本が本年のマイ・ナンバーワンではないかと思っているが続けざまに同じく深沢の4.『みちのく人形』を読み芥川賞を取ったというので買った5.小山田浩子『穴』を読みまたまた深沢へと戻って深沢と交流のあった弟子筋の6.嵐山光三郎の『桃仙人 小説 深沢七郎』を読みその先に7.折口信夫『死者の書』で日本の古代の精神世界の描き方に仰天し福島県いわき市に行ったときに本屋で見つけた8.吉野せい『洟をたらした神』という土の匂いのする短編集を読みその流れでこれまで読んだことがなかった9.長塚節『土』を読み土とのつかず離れずの日本の農村を描いたこんなスゴイ本があったんだと驚嘆し読書会で10.ヤンソン『たのしいムーミン一家』を読んで神話みたいだと思い11.谷崎潤一郎の『春琴抄』で谷崎世界に魅かれたついでに日本文学に傾倒するようになり12.中河与一の『天の夕顔』を読み13.志賀直哉の『和解』と「智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される」で有名なあの14.夏目漱石『草枕』も読み15.大宰治『人間失格』は後から英訳のタイトルを調べたらNo Longer Humanだったがそういえば衆議院議員を落選らしいのたが16.石原慎太郎のなかなか冴えた文体の『太陽の季節』を読み小学校の教科書に載っていた17.井伏鱒二『山椒魚』に瞠目し追悼のため18.ガルシア=マルケス『ママ・グランデの葬儀』を読み読書会で19.谷崎潤一郎『痴人の愛』を読みナオミに翻弄される痴れ者に笑い転げそうこうしているうちに授業期間となり大学一年生向けの少人数授業で学生たちにBOOKOFFに買いに行かせて一気に20.吉本ばなな『哀しい予感』21.片山恭一『世界の中心で愛を叫ぶ』22.村上春樹『回転木馬のデッドヒート』23.江國香織『号泣する準備はできていた』24.吉本ばなな『とかげ』25.中村航『100回泣くこと』26.夏目漱石『坊ちゃん』を読みそのなかで明治の文豪は日本を代表する作家だと改めて思い至り27.湯本香樹美『夏の庭』は子供の話でとても印象深かったし28.森絵都『カラフル』29.桐野夏生『冒険の国』30.小川洋子『薬指の標本』までを授業で学生たちと共に読みその後ひとり読書に戻り地理学者の物語でもういっぺん読みたいと思った31.梨木香歩『海うそ』に続けて32.梨木香歩の不思議な感覚の『f植物園の穴』を読み読書会で33.サリンジャーの『フラニーとズーイ』というサリンジャーが書けなくなるもとのような小説を読んで次いで34.サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を村上春樹訳で読んではっちゃけた文体にサリンジャーの凄さを実感し雑誌に載っていた35.上田岳弘「惑星」を読み最近仏教に傾いている36.田口ランディ『サンカーラ』を読んだあたりで夏休みになり海外にはあの誰もが知っているが読んだ人は少ないだろう37.38.シャーロッテ・ブロンテの『ジェイン・エア』を持って行って読んでなかなか面白いではないかと思い39.『シッダールタ』はヘッセの独自のゴーダマの解釈が興味深く次いで40.田口ランディ『キュア』を読み読んでいるうちに前に読んだことを思いだしたが秋口には41.ブルガーコフ『犬の心臓』を読み読書会で42.ヴォネガットの『母なる夜』という大変奇妙なスパイものを読み43.クラフト・エヴィング商会『犬』はいろんな小説家の犬の話でワクワクしたし前から読みたいと思っていた織田信長異聞である44.辻邦生『安土往還記』はなかなか優れた小説だったし45.ボルヘス『砂の本』も不思議な本だったが46.ガルシア=マルケス『ある遭難者の物語』はさすがマルケス今書いてる論文にまるまる使ってるし47.ゲーテ『若きウェルテルの悩み』はゼミで2回にわたって輪読し48.角川書店編『犬の話』はこれまたいろんな作家の犬の話でなんでこんなにイヌ本が多いかというと来年イヌ研究の発表会があるのでなのだが49.カルペンティエールの『失われた足跡』は個人的には4回目だったが読書会で10名ほどで読み年の最後に大いに盛り上がったし最後に50.谷崎潤一郎『谷崎潤一郎 フェティシズム 小説集』は「富美子の足」の妾の足を顔に乗せてもらって死に逝く隠居が壮絶だった・・・

昨年のたんなる読書記録は↓
http://blog.goo.ne.jp/katsumiokuno/m/201312

写真は、ツンドク本の一部、来年以降のために


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