USBのキーボード

売れない作家の日本定点観測

領土は腐らない

2016-05-01 19:54:50 | 日記
http://potato.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1462013277/

むかし、ある仙人が生活に苦しんでいました。ある日のこと、ついにおヒツのアワがなくなったので、隣の家へゆき物乞いをしました。しかしその家の主は、「一週間後に千両もの大金が手に入りますので、それをそっくりお預けいたします。お召になると、一日でなくなってしまうような食料などを、どうして差し上げられましょうか。それでは貴方様だけではなく、私達の名誉にも関わります。」といって断った。仙人は途方に暮れてとぼとぼと道をゆくと、馬車のワダチに水がたまり、フナが浮かんでいます。そのフナが語って言うには、「私は川の神様のお使いで滴湖にゆくはずでしたが、こんなところにハマってしまいました。私はのどが渇いてたまりません。どうか一杯の水をお恵みください。」「私は来週、滴湖へ遊びにゆく予定です。その時になったらお連れしましょう。」「それでは私の命が持ちません。どうか今すぐお救いください。」言われてみればそのとおりだと思った仙人は、一週間後の千両の約束も大事だが、きょうの命はなにか食べ物がなければ持たない、と認識してフナの思い通りにしたそうです。領土の問題を示されますと、私たちはいても立ってもいられない、喉の乾きを感じます。しかし、私たちが必要とする領土の価値と、ロシアが必要とする経済的見返りを、緊急の度合いという天秤にかけると、どのように振れるでしょうか。一週間後に領土が与えられなくても私たちは飢えませんが、きょう食べ物がなくて苦しむ人たちがいるという事実を、人道主義で回収するのか、取引のカードにするのか、懊悩の夜は始まったばかりです。