金曜日の夜。
同僚が突然言い出した。
王将の餃子がたべたい 
別にいいけど…王将がいいの 
そうだよ。王将。駅前のでいいよ。
そうなのだ。誰にも時折やってくる。ジャンクフードを食べたくなる一瞬。王将とかマクドとか。
なにもボーナスがでたその日の晩ごはんに王将にしなくってもいいだろうに… 
でもぼくもお金がいっぱいあるわけでもなく（むしろほとんど控除されちゃってSHOCKをうけたほどだ）
じゃ、そうしようかということになった。
先に片付けたぼくが、てくてく歩いて守口市駅まで先にでかけ、銀行でお金をおろしてから
店に入って待ちうける。
あとから来た同僚が、「こんなところに座ってたんだ 」と見つけにくかったよとばかりに
言いながら座る。やっとオーダーをする。
餃子はともかく3人前。豚キムチ、酢豚、それから同僚のたっての希望でレバニラ炒め。
バカボンのパパですか、とレバー嫌いなぼくは笑いながら言ったけど聞き入れられず。
（そもそも赤塚世代ではなかったのが失敗だ ）
餃子が不思議とあとにやってきたけれど、テーブルにどんどん並ぶお皿をみて、ぼくは昔王将で
風邪をひいた友人に王将に連れていけと言われて、テーブルに乗りきらないほどのメニューと
格闘したことを思い出した。たしかそのあと、逆にぼくが風邪をひいたときに無理にまた王将に連れて
いかれたこともあわせて思い出していた。
そのことを同僚に話すと、あきれたような顔をして
相変わらず、よくわからない生活してるね
と揶揄された。そんなふうなコメントを期待していたわけではないのだけれど…。でも視点を変えれば
いろんな見方があるということなのだろう。
餃子がきた 。レバニラと格闘中の同僚は、餃子もつまみながら元気にしゃべるしゃべる。
こんなふうに食べたくなったのはいつ以来？と聞くと3か月ぶりかな 
…と答える。
ひとは時折、もりもりと食べたくなる瞬間があるのだろう。
ボーナス支給日のきょうは、会社から人が減るのも早かった。みんな思い思いの夜を過ごして
いるのだろうか。まさか王将で過ごすなんて考えもしなかったけれど、たしかに他の人には全然
あわなかったところをみると、決してぼくの考えはマイナーではないらしいとうことがわかった。
あー。なんかおなかいっぱいになった。もう食べられないや…
そういう同僚は、ぼくに残った酢豚の肉ひと切れと餃子2つを食べてとお願いしてきて
すでにぼくも満腹だったけれど、ちょっと話をしながら、なんとか食べきった。
レバニラと豚キムチがかぶってたからだよ、と少し指摘すると
いいじゃない、きょうくらい、と返ってきた。
まあ、それもそうだね。今夜くらい。
お勘定をすませると、同僚は深夜まで空いている西友に寄って帰るといってじゃあここで、と
片手をさっとあげた。
ぼくは、「じゃあ、また3ヶ月後にむしょうに食べたくなったら王将へ… 」と同じように片手をあげて
駅に向かう。
そんなふうに、静かな金曜日が過ぎていったわけだ。
★餃子の王将 京阪守口市駅店
守口市寺内町2‐1‐1 エル守口
06-6998-5545
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