Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

たこ焼き美輝 【遠い昔のことでした】

2010年10月18日 | 大阪chouchou(京橋・北浜・天満)

 月曜日の夜。

    誘われたのはOBPのたこ焼きやさんだった。
    OBPに最
近よく出張するようになっていて、そこの同僚からのお誘い
    だった。

    月曜日は週のはじまりの日。そこから飲んで  過ごすのはリスクが
    あるのかもしれない。けれどいくつか条件があえば、それは充分集まって
    飲んでしゃべって過ごす理由になる。

    ひとつは月9のドラマがおもしろくないこと。それから、週末にさみしく
    過ごして人恋しくなっていること。
    あとは、誘われている店が悪くない店であること。


    新しいクールが始まり、クリスマスに向けたなんだか重たいドラマは
    ぼくには出演者の構成以外には興味がわかず、ひとつめの条件は
    満たしていた。2つめもきちんと(なぜか)満たしていたし  こうして
    ぼくはOBPの川向かいにある橋のたもと、たこ焼きを食べにでかける
    ことにした。

 
  

    京橋駅をおりて、プロムナードを歩いて橋の手前で降りる。

    OBPを見上げると、とても悲しげだったりビジネス街とショッピング街に
    なり切れていないことに悶えているように見えたりする。

    MONTEREYができてからは、その
上層部の不思議なセットに見とれて
    みたりもするようになっていた。
    ひさしぶりに夜の川向かいの景色を撮っていると、自転車で登場した
    同僚がたこ焼きやさんに来たのがみえた。

    束の間の時間をすぐに切り上げて  合流して店に入っていく。
  
               

   この店はずいぶん昔からあるけれど、店の名前が「美輝」だというのは
   つい最近知った。OBPに勤務していたころにはまだ簡単なプレハブだけの
   小屋みたいな場所だったのに…
  
                            

   いつのまにか壁がつき、きれいな建物になっていて、簡易式だったトイレは
   きちんとしたトイレにかわっていた。
   
      

  変わればかわるのだ。ビールサーバを使って自分でビールを入れるのは
  それは変わらなかった

                  

    同僚の女の子は、なんとこの通りにあるGREENBURGでバウムクーヘンを
    買ってきてくれていた。

   

   バウムクーヘンが好きな女の子に、バレンタインのお返しでこのバウムを
   あげたのは、もう半年以上も前になる。その間にも43歳のぼくにもなんだか
   いっぱいいろんなことはちゃんと起こっている。
   
   上海には仕事で1度出張した。
   バウムの女の子は、この前彼氏と結婚が決まって東京にいった。
   この前メールが来たけれど元気そうだった。

      

   ブログを書くことがまだいっぱいあるのは、それはそれで素敵なことなのだ
   ろう。きょうもらったバウムはいつ食べるの?半分わけようよと相談して
   いると、本命のこの店のメニュー  たこ焼きがやってきた。

                     

   普通のたこやきと、梅味のものと、あと焼きそばと。それから、同僚の女の子
   が、この店では一番好きだという、若鶏のもも肉の焼いたもの。

         

  ぱくぱくと食べていると、なんだか若いころのように、果てしなく食べられる
  ような気分になった。若いころにはそんなスペースがなかった絵なんか
  かけちゃったりしている、すっかりこじゃれた店内で、ぼくらは月曜日の夜を
  ビールとたこ焼きで彩りながら話し始める。

    

  ぼくたちは共通点があった。家族関係にあまり恵まれていないことと
  雨がきらいであること。

  恋愛小説が好きなこと。(でも作家の好みは少し異なっている。彼女は重松清
  がすきで、ぼくは中村航と島本理生が好きだ)

  彼女には彼氏がちゃんといて、それでずいぶん救われている点と救われない
  部分があって、そのことに悩んでいた。
  ぼくに言わせると、それは時間をかけてゆっくり対処すれば白でも黒でも
  ハッキリする話しなのだけれど、彼女にとってはそれは早急に解決すべき
  課題であると位置づけていて、悩んでいるのである。

  それはその年代に特有の焦り方なのかもしれない。ぼくは何度も説明する
  けれど、それがうまく伝わらないのは、実はその年代の女の子と、いまの
  ぼくでは時間は平等ではなく彼女たちにはややSPEEDが速く、うなりをあげて
  過ぎていくのかもしれない。

  夜中に高速道路のそばに佇むと高速を走る車の「しゅーん  」という音と
  道路の継ぎ目を通り過ぎる、カタンカタンという心地よい軽い音のように
  彼女たちの時間は、佇んで眺めるぼくのそれよりずっと速いのだろうか。

               

   時間の流れの違いだけではなく、ぼくらの違いは彼女は酒がすごく強いと
   いうことだった。ぼくが2杯目のビールをつぎに行く前に彼女は3回目の
   行動にでていた。

         

   たこ焼きをおかわりし、何かを注文したら若さにまかせたあの頃とは
   違うことを思い出し、食べるペースは急激におちた。

   そうしているうちに思い出したのはバウムだった。
   お店のおにいちゃんに、これ切ってくれる?とお願いすると快くOKして
   くれて、上がザラメでコーティングされたバウムは、きれいに4つに切られて
   でてきた。それを食べながらビールを飲む、少しへんてこなデザートの
   時間を2人で話している。

   結局彼女の悩みは深く、今回も結論らしきものは見えないまま。
   それは彼女がJ・LEAGUEが大好きで、ぼくは海外のサッカーしか興味が
   わかないのと同じように、ぼくは今回もまた適切なadvice
もできないまま
   酔ってしまった。

             

   「じゃあそろそろ。」

   月曜日だしね、と言って立ち上がる。そう、まだ月曜日なのだ。人生だって
   彼女にはまだ月曜日くらいなものだろうに。
   そう言おうとしたけれど、なんだか酔っていたし、言わなかった。

   ある種のことがらは、どんなに甘くしっかりコーティングしてもうまく外部から
   伝えられないのだ。
                                   

                            

    たこ焼きやさんの前の通りをバウムやさんのほうに向かって立ち止まって
    みていると、それでも何台かの車が通り過ぎる。1号線から都島通りの
    ほうに抜けるバイパスの役割もあるこの小さな抜け道は、けっこう車が
    通るのだ。

   

    MONTEREYのふしぎな心臓みたいなdecorativeな建物をバックに
    ぼくらはしばし、この日最後の会話をする。

    彼女にはまだもう少しだけ時間があるけれど、それでもなんだかせき立て
    られる焦りは、ぼうが何を言っても届いていないようだった。
    それでも、まあともかくは

       きょうのたこ焼きとバウムはうまかったね 

    覚えておいてもらえる程度の成果を渡すことはできたようだ。
    
    ぼくの祖母は昔高校生だったぼくにこう言った。

      恋をするのは人生において最大の勉強だ。だからいつでも恋を
      している子でいなさい

    明治生まれのぶっとんだ祖母は、そんなこじゃれた言葉を吐いて
    彼女ができてうかれていた僕を戒めた。

    43歳になって、その言葉のもつ深さを理解できるようになっても
    それを今夜みたいなときに、うまく噛み砕いてadviceしてあげることが
    難しい。   

   ある種のことがらは、どんなに甘くしっかりコーティングしてもうまく外部から
   伝えられないのだ。

    もう一度繰り返して、自転車の彼女にさようならを言ってぼくは
    プロムナードを歩きだした。



★地の酒 たこ焼き おふくろの味 美輝
  大阪市都島区片町2-2-64
  06-6351-3129


Taylor Swift - Mine


   こんな風なドラマティックな展開と、ドラマティックな能天気さに満ちた
   歌というのもたまには必要なんだと思う。

   これはcountryと表現されるジャンルにいるからだろうか。アメリカは
   まだこういうすてきな出来事が満ち溢れているのだろうか。それとも
   tea-partyに代表されるultra conservativeな一連のmovementが懐古と
   あるべき論だけで、こんな能天気なstoryを作り上げて、ぼーっと眺めて
   いるのが流行なのだろうか。

   決してTaylor Swiftがきらいなわけでなく(むしろ最近はMichelle Branchと
   並んで好きなartistのひとりだ)、こんな夜のひがみなだけなのかもしれない



   



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