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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

13th新福神の憂鬱、出番の少ない表題曲MV、舞台で注目の3列目、武道館と新ユニットのアンダー [17Oct15]

2015-10-17 17:30:00 | 芸能
乃木坂46が参加する、近々開催予定の注目イベント

10月17日(土) 映画『心が叫びたがってるんだ。』の主題歌CD発売を記念する、メンバー登壇の舞台挨拶
お台場シネマメディアージュ 14:20の回(上映後)/17:30の回(上映前)
ユナイテッド・シネマ豊洲 17:05の回(上映後)/20:15の回(上映前)
秋元真夏、衛藤美彩、齋藤飛鳥、高山一実、深川麻衣、星野みなみ、松村沙友理が参加

10月24日(土)『GirlsAward 2015 AUTUMN/WINTER』in 東京・国立代々木競技場第一体育館 にゲストアーティストとして乃木坂46が出演。

10月25日(日)『乃木坂46 アンダーライブ 4thシーズン』[9日目千秋楽] 第11公演(12:00)&第12公演(17:00)


乃木坂46が参加する、近々放送予定のテレビラジオ注目番組

[CS] 10月18日(日) 21 : 00 ~ 23 : 00 MUSIC ON! TV (エムオン!) HD『M-ON! SPECIAL 「乃木坂46」 ~太陽ノック!!!~ Vol.2』
10月23日(金) 19 : 00 ~ 21 : 00 MUSIC ON! TV (エムオン!) HD リピート放送
9月に放送された個人PV特集の続編。
伊藤万理華の2015/09/06_22:54ブログ

[AM] 10月21日(水) 22 : 00 ~ 25:00 文化放送『レコメン!
生駒里奈と若月佑美が出演。二人の登場は22 : 45頃の予定。

[地デ] 10月23日(金) 20 : 00 ~ テレビ朝日『MUSIC STATION
乃木坂46が出演、「今、話したい誰かがいる」を地上波でステージ初披露。

[地デ] 10月24日(土) 4 : 30 ~ TBS『開運音楽堂』
星野みなみと北野日奈子が出演。

[地デ] 10月31日(土) 4 : 30 ~ TBS『開運音楽堂』
先週に引き続き、星野みなみと北野日奈子が出演。



舞台『すべての犬は天国へ行く』の千秋楽を受けて、出演メンバーの何人かが、ブログに感想を書いています。

各人各様の想いがあって、いつになく熱量の大きな文章になっていて、12日間18公演に渡るこの舞台と、メンバーが真剣に取り組んだことが、ひしひしと伝わってきます。

伊藤万理華は、

でも、見て見ぬ振りで
つくられた平和な世界、
住人がずっともやもやしながら
過ごしているこの村の掟を
自分の感情で壊しにいきました。
最期までとても純粋でした。

と述べていて、まりっかというより、クレメンタインが書いているかのようです(笑)。

芝居が終わっても、まだ役が残っている風で、クレメンタインというキャラへの没入が如何に徹底していたかが分かります。

伊藤万理華の2015/10/13_21:54ブログ


斉藤優里は、「尖っているヤンキー娘」なのに「とっても心優しくてビビリ」という二面性のあるガス役を演じる難しさに触れていて、

私にとって人生二度目の舞台。
とってもとっても楽しかったです!
って言いたいのですが
自分が未熟、過ぎて正直
悔しいことばかりでした。

と、苦労した様子を率直に語っています。

周りからのアドバイスとして、

声を低く出す意識を持つことから大切

と教わったことを明かしていて、やはり、女性が男性的な役に挑む際、低音でしゃべることが、乗り越えるべき一つのハードルになることが分かります。

ただ、厳しい挑戦を通して、多くの女優さんと出会い、仲良くなったようで、グルーバッハ夫人山下裕子さん、不良仲間の甚古萌さんと音華花さんら共演者と、一緒に映ったショットがブログに載せられています。

こういう出会いが次の仕事にも生きてくる可能性があって、舞台に参加した、貴重な収穫じゃないでしょうか。

斉藤優里の2015/10/15_22:00ブログ


『2LDK』『生きてるものはいないのか』『ヴァンパイア騎士』と、すでに何本もの舞台に出演経験のある若月佑美に至っては、『すべての犬は天国へ行く』を観劇した、かつての共演者やクリエーターが、楽屋に続々と陣中見舞いに来てくれたようで、彼女のつながりの広さがブログの写真に反映されています。

今回も新しい知り合いが何人も出来た筈で、若様が芸能の世界に、着実に根を下ろし始めていることが窺えます。

知り合いを増やすことは、優れた演技を披露する以上に重要な面があって(笑)、デザイン画の才能もあるので、若月さんは、1人でやっていく力を本格的に身につけつつあるんじゃないでしょうか。

若月佑美の2015/10/13_21:36ブログ
若月佑美の2015/10/13_07:36ブログ


私がとくに引き込まれたのは、新内眞衣のブログです。

まったくの演劇初心者だったまいちゅんが、台詞が頭に入らず、台本を放せず、ゲネプロでは頭が真っ白になって、最初の台詞をすっ飛ばしてしまう。

慣れない仕事に、一人で悪戦苦闘しながらも、周りの女優さんからアドバイスを貰えるようになり、台詞がしゃべれるようになり、次はこうしてみようと、工夫する余裕が出てきて、徐々に芝居が楽しくなっていた。

稽古から千秋楽まで、彼女が辿った心の軌跡が、簡潔で、生き生きとした文章で表現されていて、胸を打つものがあります。

舞台に参加することが、どれほど人を成長させるのか、しみじみと分かる感想です。

新内眞衣の2015/10/14_23:18ブログ


舞台『すべての犬は天国へ行く』は、演技力を向上させるだけでなく、タレントとして困難を乗り越える自信を持たせたり、数多くの女優さんやスタッフと出会って、この世界に知り合いを増やす効果もあって、8人のメンバーは、参加して、本当に良かったんじゃないでしょうか。

逆に言えば、出演しなかったメンバーの中に、羨ましいと感じる人がいても不思議ではない。

個人的には、最年少ながら、『プリンシパル trois』で主役ポリン姫を好演するほどの実力を持っている、渡辺みり愛に出て欲しかった。

みり愛さんは、舞台『じょしらく』にも参加していなくて、学業の関係もあるのかもしれないけど、ファンとして正直残念という気持ちはあって、本人も、状況が許すなら、ぜひ出たかったんじゃないかと思います。

まあ、かなり大人の演劇なので(笑)、高校生メンバーは年齢で候補に入れなかった可能性があるけど、新内眞衣のように、出番が少なくても、確実に得るものがあるので、運営は、今後、みり愛さんが演技出来るようなステージを考えて欲しいですね。


ただ、渡辺みり愛以上に、13th選抜で初めてフロントに入った衛藤美彩と深川麻衣、さらに3列目から福神へ昇格した星野みなみと齋藤飛鳥は、いろいろと複雑な感情を抱いてもおかしくない。

3列目メンバーが12日間18公演の本格舞台で活躍し、アンダーには、武道館2DAYSがフィナーレに設定された11日間12公演のライブがある。

しかも、表題曲「今、話したい誰かがいる」MVでは、ドラマ系作品の場合、フロントや2列目のメンバーが重要な役を演じるという、これまでのルールが適用されていない。

W主役である西野七瀬と白石麻衣以外に目立ったのは、まいやんと行動を共にする生田絵梨花と橋本奈々未、さらに、ダンス練習で、ろう者であるななせまるに、指でリズムを教える生駒里奈の3人です。

この3人は12th選抜のフロントメンバーで、13thで昇格した、みさ先輩とまいまいは、グループの一員として時々映り込むだけ、みなみとあしゅに至っては、最後のダンスシーン以外、ほとんど登場しません。


星野みなみは、トークアプリへの投稿をしばらく休止するそうですが、直前のやりとりを読むと、学校が忙しいからというより、メンタル面でテンションが下がっているようにも思えます。

もちろん、本当の理由は分からないけど、折角、努力して握手会人気を伸ばし、福神に戻ってきたのに、3列目やアンダーの方が、仕事が多く、スポットライトの当たり方が断然良いような気がしても、無理からぬ面はあるでしょう。

とくに、13枚目に収録される4本のMVは、選抜が担当するのが表題曲「今、話したい誰かがいる」とTypeA限定曲「ポピパッパパー」の2本で、共通カップリング曲「嫉妬の権利」はアンダー、TypeB限定曲はアンダーの5人ユニットが歌うことになっている。

以下の表から分かるように、選抜メンバーが1人も入っていない、アンダーオンリーによるMVが2本というのは、実は、乃木坂史上初めてのことで、13枚目は、かつてないほどアンダー参加度の高いシングルと言えます。

その結果、本来であれば、新フロント、新福神となったメンバーがフィーチャーされる可能性のあった選抜中心MVの3本目がない。

表題曲MVで出番が少なく、「ポピパッパパー」はダンス系MVで、ショートバージョンを見る限り、今度は、3列目を含めて、比較的均等に出演機会が割り振られている(笑)。

「今、話したい誰かがいる」MVに関して、なぜこのシーンで衛藤深川を使わないのか、あるいは、星野みなみをもっと出して欲しいというコメントが少なからずあって、ファンの間にも不満があるようです。

(表1) 乃木坂歴代シングルの歌唱メンバー構成

凡例
[シングル番号]「表題曲」「共通カップリング曲」「TypeA限定曲」「TypeB限定曲」「TypeC限定曲」「通常盤限定曲」の順番に並べた歌唱メンバー構成

# 歌唱メンバー構成による分類記号
「S」型 = 選抜全員が参加
「Sa」型 = 選抜全員とアンダーの一部が参加
「T」型 = 選抜全員とアンダー全員が参加
「A」型 = アンダー全員が参加
「Us」型 = 選抜の一部が参加
「Usa」型 = 選抜の一部とアンダーの一部が参加
「Ua」型 = アンダーの一部が参加
「K」型 = 研究生全員が参加
# 青色はMVあり、オレンジ色はMVなし
#「(AN)」はアニメ盤 (4枚目と7枚目)のみの収録曲、「(SE)」はセブンイレブン限定盤 (12枚目)のみの収録曲

[01] SATSaSaSa「ぐるぐるカーテン」
[02] SSaUsUsASa「おいでシャンプー」
[03] SUsASaSaUa「走れ!Bicycle」
[04] SSUsUsAUs[(AN)Sa]「制服のマネキン」
[05] SSSAUsUs「君の名は希望」
[06] SSUsaAUsT「ガールズルール」
[07] SSUsaSaAUsa[(AN)S]「バレッタ」
[08] SSSaUsAUs「気づいたら片想い」
[09] SSUsUsAUsa「夏のFree&Easy」
[10] SUsaSUsaAUs「何度目の青空か?」
[11] SUsUsUsAK(→Ua)「命は美しい」
[12] SUsUsUsAUs[(SE)S]「太陽ノック」
[13] SASUaUsaUsa「今、話したい誰かがいる」


ちなみに、アンダーの参加度がもっとも低かったシングルは、5枚目「君の名は希望」です。

上表のように、収録6曲のうち、アンダーメンバーが担当したのは、アンダー曲「13日の金曜日」だけ。

また、4枚目「制服のマネキン」も、アンダー数人が参加したアニメ盤がなければ、5枚目と同じ状況です。

この2枚を境に、乃木坂のシングルは、圧倒的選抜優位の時代に入り、それと軌を一にして、握手会人気で選抜を決める方式が徐々に強化されていきます。

13枚目におけるアンダーの復権は、握手会主義で窒息しかけている乃木坂に、少しだけ息をつかせる試み、ガス抜きとも言いますが(笑)、なのかもしれません。


しかし、今回のシングルが特徴的なのは、握手会人気を上昇させて、選抜内序列を上げたメンバーの活躍する場が少なくなってしまったことです。

これは乃木坂選抜制度の崩壊を意味する出来事で、そういったメンバーを「推す」コアファンのモチベーションが低下しかねないことを考えると、大規模なファン構造の変化につながる可能性もある。

今後、欅坂メンバーのメディア露出が増え、握手会イベントなどが始まると、「推し」の握手会券をいくら買っても、結局、特定メンバーのみが優遇され続ける乃木坂に不満を募らせ、「推し」グループを変える人が続出しても不思議ではない。

間違いなく、乃木坂は今、一つの分岐点に立っていると思います。


乃木坂は歌詞が優れている、乃木坂は映像作品が素晴らしい。

最近、盛んに言われているフレーズですが、ファンの間から出てきたというより、神宮ライブでの企画のように、運営側がそういうイメージを作ろうとしている節がある。

確かに、私も、「制服のマネキン」や「君の名は希望」など、乃木坂の歌は、魅力的な詞を備えているものが多く、MVもよく作り込んでいる作品が少なくないと思います。

まあ、歌詞以上に、メロディが良いと感じてますが(笑)、質の高い楽曲とMVが乃木坂の特徴であり、だからこそファンになったと言ってもいい。


しかし、それは昔の話で、最近、時間を掛けて作っているように思えないMVが、ちょくちょく出てくる印象がある。

12枚目表題曲「太陽ノック」MVは、ドラマ系MVと言っていいと思いますが、初回限定盤を買って、テレビの大画面で観ても、どこか物足りない。

さらに、現在YouTubeで公開されている13枚目表題曲「今、話したい誰かがいる」MVも、これまで乃木坂のMVが誇ってきた質の高さに照らして、歯ごたえを感じない。

最近のMVに関して、こういったクオリティの低下を感じるのは、ドラマ部分の出来不出来以上に、ダンスパートに問題があるように思えます。

そこで、以前と比べて何か変わった点はないのか、ドラマ系MVにおけるダンスパートの時間を調べてみました。

(表2) ドラマ系表題曲MVにおけるダンス部分の時間とその内訳

#「[01] 02:11~02:16 (05秒)」は、1回目の分割パートが、MVのスタート時刻をゼロ時点として、2分11秒から始まり、2分16秒までの5秒間続いたことを示す

06枚目「ガールズルール」MV
ダンス 36秒 / ドラマ 6分21秒 (全体 6分57秒)
(ダンスパート内訳)
[01] 02:11~02:16 (05秒)
[02] 02:22~02:26 (04秒)
[03] 03:20~03:22 (02秒)
[04] 03:37~03:44 (07秒)
[05] 03:53~03:59 (06秒)
[06] 04:05~04:08 (03秒)
[07] 04:12~04:13 (01秒)
[08] 05:30~05:38 (08秒)

07枚目「バレッタ」MV
ダンス 2分18秒 / ドラマ 7分7秒 (全体 9分25秒)
(ダンスパート内訳)
[01] 03:50~04:24 (34秒)
[02] 04:48~04:52 (04秒)
[03] 05:12~05:41 (29秒)
[04] 06:07~06:10 (03秒)
[05] 06:26~06:32 (06秒)
[06] 06:36~06:57 (21秒)
[07] 07:03~07:09 (06秒)
[08] 07:17~07:27 (10秒)
[09] 07:29~07:41 (12秒)
[10] 07:52~08:05 (13秒)

08枚目「気づいたら片想い」MV
ダンス 49秒 / ドラマ 8分08秒 (全体 8分57秒)
(ダンスパート内訳)
[01] 07:04~07:53 (49秒)

10枚目「何度目の青空か?」MV
ダンス 1分22秒 / ドラマ 4分25秒 (全体 5分47秒)
(ダンスパート内訳)
[01] 00:34~00:49 (15秒)
[02] 01:28~01:43 (15秒)
[03] 03:19~03:24 (05秒)
[04] 03:39~04:03 (24秒)
[05] 04:11~04:21 (10秒)
[06] 04:39~04:44 (05秒)
[07] 04:56~04:59 (03秒)
[08] 05:04~05:09 (05秒)

12枚目「太陽ノック」MV
ダンス 58秒 / ドラマ 4分16秒 (全体 5分14秒)
(ダンスパート内訳)
[01] 03:40~04:38 (58秒)

13枚目「今、話したい誰かがいる」MV
ダンス 24秒 / ドラマ 4分42秒 (全体 5分06秒)
(ダンスパート内訳)
[01] 03:54~04:18 (24秒)


驚いたことに、「ガールズルール」MVは、ダンスが8箇所に分けて挿入され、2秒、1秒という短いシーンすらある。

ドラマの流れと、ダンスの流れを、緻密に摺り合わせ、両方が生きるよう、繊細な編集作業をしたのだと思います。

その結果、ダンスの全体時間は36秒と決して長くはないけど、疾走感のある作品となっていて、ドラマもダンスも堪能したという読後感がある。

ダンスパートを分割してドラマに挟み込む手法は、7枚目「バレッタ」と10枚目「何度目の青空か?」でも使われ、作品全体にスピード感と緊張感を与えています。


一方、西野七瀬が初めてセンターに抜擢された8枚目「気づいたら片想い」では、ドラマ部分の終盤に、分割なしでダンスが披露されます。

それまでの作品では、衣装や背景から考えて、ドラマ部分とダンス部分が完全に分けられ、別世界の話として扱われていたのに対して、8枚目表題曲MVは、ダンスがドラマと地続きになっている。

さらに、ダンスを練習するレッスン場が、多くのメンバーが絡む、物語の主な舞台となっていて、それ以外のシーンは、ごく少数のメンバーだけで作られている。

レッスン場でダンスを練習する前半と、そのダンスを一気に披露する後半。

こういった特徴は、12枚目「太陽ノック」と13枚目「今、話したい誰かがいる」で、さらに明確になります。


毎回、メンバーがレッスン場に集まってダンスを練習する理由ですが、出来事の多くを一箇所で発生させた方が、撮影時間を短縮出来る上に、ダンスを本当に練習出来るからじゃないでしょうか(笑)。

NHK「Rの法則」の乃木坂特集で、「命は美しい」MVが、練習1日、撮影1日という超ハードスケジュールで作られていることが分かりました。

表題曲MVにも関わらず、制作期間がそこまで短く制限されていることにショックを受けましたが、ドラマ系MVも同じような条件であれば、撮影しながら練習するしか方法はないわけで、レッスン場として使える大きな部屋があれば、ドラマのシーンも撮れるので一挙両得になる(笑)。


制作期間の短さが理由でなければ、8枚目、12枚目、13枚目と、3作にも渡って、全体ダンスの披露を目指して皆で努力する、同じような構成の筋立てにはならないと思います。

「ガールズルール」「バレッタ」「何度目の青空か?」のように、クリエーターは、時間さえ許せば、自分独自の物語を作りたい筈で、オリジナリティを出したいのは当然じゃないでしょうか。

ただ、「気づいたら片想い」MVは、レッスン場の内外で、様々な出来事が起こり、起伏があって、それなりに分厚い物語という印象はある。

ダンス部分も、観客入りのステージという設定で、フリの習熟や揃いに関して違和感はなかった。

ところが、「太陽ノック」MVは、ドラマ部分がサラッとしている上に、終盤に披露されるダンスが、まだ精度が低いように見える。

決定的なのは、明らかにフリを間違えているメンバーがいるのに、撮り直しをせず、そのまま映像作品として出していることで、制作スケジュールが極めてタイトで、撮影時間を十分確保出来ていないことが分かります。


そして、「今、話したい誰かがいる」MVでは、13th選抜で福神となった星野みなみと齋藤飛鳥が、ドラマ部分で、ほとんど出番がない。

学校の関係で参加するタイミングが、撮影時刻に間に合わなかったのかもしれません。

みなみとあしゅのように、ドラマ部分に出演すべきメンバーが、スケジュールの都合で参加出来ないのであれば、参加可能なように、撮影期間を伸ばすのが当然ですが、それを行なわず、新福神を抜いてそのまま撮影している。

ファンが望むドラマを作ることより、撮影スケジュールを優先しているように見えます。

さらに、新フロントの衛藤美彩と深川麻衣は、ちょこちょこ映っているにも関わらず、主要役には抜擢されておらず、制作側が、どういうわけか、13枚目表題曲MVのドラマを、意図的に、12th選抜フロントで作ってしまっている。

この辺は、理由が分かりませんが、みなみとあしゅのドラマ不参加と同様、楽しみにしていた二人のファンが、がっかりしたことは確かでしょう。


しかも、新フロントと新福神の4人だけでなく、「役」として出番のあった生田、橋本、生駒の3人も、存在感はさほど大きくなく、西野白石の二人でドラマ全部を回す形になっている。

その結果、登場人物が少な過ぎて、ろうの人がグループダンスに挑戦するのを、聴者の仲間がみんなで支えるという物語を、十分に描き切れていないと感じました。

多くの仲間の思いを表現してこそ、旅立つ主人公に会うため、駅に向かってみんなで走っていくシーンが感動を呼ぶわけで、それが不十分であれば、リーダーのまいやんにただ引っ張られて走っているだけのシーンになってしまいます。


そして「今、話したい誰かがいる」MVは、ダンスシーンが過去最短の24秒に抑えられています。

また、ステージ衣装を着ずに踊ったのも、乃木坂表題曲MV史上、初めてです。

ドラマの流れから、主人公のななせまるがデザインしたTシャツになっているのだけど、やはり華やかさは乏しくなる。

何と言っても、乃木坂の衣装担当は、アイドル界最強のセンスを誇っていて、外れがないですから(笑)。


しかし、一番の問題は、時間の短さや衣装以上に、ダンスが簡単過ぎることです。

立ち位置が変わるようなフォーメーション変化がなく、フリも比較的、シンプルなものだけ。

いわゆる、大技がないので、見せ場がなく、あっという間に終わってしまう。

乃木坂の表題曲MVで、これほどあっさりしたダンスを観たのは初めてで、正直、寂しい気分になった。


物語の流れからも、難聴の主人公とまいやんを始めとする仲間が、懸命に練習してきた成果を披露する場面なのだから、質、量、ともにボリュームのある、見とれるほど魅力的なダンスシーンに仕上げて欲しかった。

舞台『すべての犬は天国へ行く』のエンディングダンスは、素晴らしい出来で、実際、劇を観て、最後のダンスが良かったというコメントは数多く見かけます。

高評価を得た理由は、一にも二にも、時間を取って、しっかり練習したからだと思います(笑)。

フリがシンプルであっても、練習で踊り込んでいれば、伝わってくる筈だけど、「今、話したい誰かがいる」MVのダンスには、どうしても物足りなさを感じます。

福神の高校生メンバー2人が、ほとんど出ていないことを考え併せると、制作スケジュールがタイトで、ダンスの練習時間や撮影時間が十分に取れなかったと推測せざるを得ません。


こういった意見は、運営も気にしているのか、公式サイトに載った、「ポピパッパパー」MV(Short Ver.)公開を知らせる記事には、リップシンクの撮影だけで5時間もかかったと、わざわざ数字を挙げています(笑)。

乃木坂公式サイトの「ポピパッパパー」MV公開に関する記事

フルバージョンを観ないと最終的な感想は述べられないけど、さすがは「君の名は希望-DANCE&LIP ver.-」を撮影した丸山健志監督という感じで、良い作品に仕上がっているんじゃないかという印象を受けました。

「撮影に5時間もかかった」と説明を入れなくても、本当に時間を掛けて作り込んだのであれば、完成した映像から、クオリティの高さが伝わってくると思います。

ただ、一つ気になったのは、音楽を聴いていると、「スキャットマン」という言葉がなぜか頭から離れないけど(笑)、きっとオマージュかリスペクトの範囲に入っているのでしょう。


作り手は作品を通して表現し、受け手は作品から判断する。

それ以外の説明は、基本的に蛇足であって、ましてや、歌詞が良いとか、クオリティが高いといった、評価に関わる言葉が、受け手からではなく、制作側周辺から出て来るのは、かえって作品鑑賞の妨げになると、私は思っています。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が素晴らしいクリエーターだと思ったのは、舞台『すべての犬は天国へ行く』に関して、何よりもまず、稽古時間のことを心配していたことです。

撮影が5時間であっても、ダンスの練習は何時間、何日、行なったのでしょう?

KERA氏は、本当に良いエンターテイメントを披露するためには、何が一番大事かをよく知っている。

こういった、クリエーターの凛とした姿勢は、お金を払って鑑賞する受け手にとって、非常に心強い限りで、そして、実際にも、この舞台は大きな成功を収め、ネットには称賛のコメントが溢れました。

良いものを作れば、わざわざ解説しなくとも、自然と、評価は付いて来るということじゃないでしょうか。

ましてや、私を含めた多くの乃木坂ファンは、メンバーが関わる作品を出来るだけ褒めたがっているので、基本的にハードルは低いと思いますよ(笑)。


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// 乃木坂メンバーが関わる映画・舞台・テレビ番組

[映画] 『心が叫びたがっているんだ。』が9月19日(土)から全国ロードショー
乃木坂46が主題歌「今、話したい誰かがいる」を担当。9月24日(木)深夜に、フジテレビ関東ローカルが、西野七瀬と深川麻衣が出演する記念番組を放送。
映画『心が叫びたがっているんだ。』の公式サイト


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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