2009年8月6日
「政治倫理審査会」と称する会合への呼び出しについて
東郷町議会議員 若園ひでこ、同 中川雅夫、同 門原武志、同 山口洋子
我々は政治倫理審査会にかけられるいわれは全くない
そもそも政治倫理審査会とは、議会の外における議員の行状について住民の告発などが行われた場合に、その事実関係を調査して必要な場合には告発された議員にペナルティを課す機関である。そして政治倫理審査会の行う処分は、議会全体が改めて襟を正すこととあいまって、はじめて意義あるものとなるのである。
例えば、議員が若い職員を恫喝したと告発された事件は記憶に鮮明であるが、他にも町内のレストランで大声で騒いでいたと告発する投書もあった。この事件では匿名の告発であるとともに告発状の内容そのものが、非常に不適当な文言を含んでいるとして正式に政治倫理を問うことにはならなかった。また、議員研修に出張した議員が帰途に酒を飲み、駅のホームや列車内で大声を出して、居合わせたサラリーマンから厳しくとがめられたこともある。この例では東郷町議会という名前が表面化しなかっただけのことで、まさに政治倫理問題となり得る事件だったのである。
これに対して、本会議で議員が互いに対等に議論している場では、前述のような政治倫理で取り上げるべき事件そのものがありえない。また仮に議員同士のやり取りに会議規則で禁止されている行為があれば懲罰動議で対抗するのが議員同士のルールなのである。
ところが今回、橋本洵子議員と加藤啓二議員が告発しているのは、6月23日の本会議における我々4人の態度についてだそうである。近藤秀樹議長の説明では、橋本・加藤両議員は初め懲罰動議を出そうとしたが、懲罰動議には3日間で時効という規定があったため、代わりに時効の定めがない政治倫理審査会に切り変えて提出したそうである。これが正確な事実であるならば橋本・加藤両議員は政治倫理と懲罰動議の正しい使い分けも理解できていないことの証明になるのではないか。
また橋本洵子・加藤啓二両議員の出した告発文書を見せてもらえないので正確なところはわからないが、“議事の混乱”の責任を、我々4人に押し付けようとしているのなら、全くのお門違いである。我々は菱川和英議員が提出した「即決動議」なるものが間違っていると指摘し、近藤秀樹議長の強引な議事進行を正したに過ぎない。
また近藤秀樹議長が、総務委員長の「継続して審議したい旨の申し出」を委員長報告であったかのように捻じ曲げるのを逐次抗議して正したり、委員長報告もないのに「反対討論を許します」と強引に採決に入ろうとしたことに抗議して正したに過ぎない。通常、議事進行に異議が出された時には、適宜に休憩を入れ、議運で議事進行の検証を行うものである。ところが、近藤秀樹議長は20分以上にわたって休憩を取らず、間違った議事運営の収拾を図ろうとはしなかった。更に、委員長報告に関する恣意的な捻じ曲げを逐一、抗議されることに腹を立て、議長のマイクを通じて怒鳴り散らすなど議長としてあるまじき暴挙に走ったのである。また、菱川和英議員には議長に指名されてもいないのに「これでいい」とか「このままやれ」とか誰もかなわない程の大声で叫び続け、不正常な議事進行を助長した責任がある。
以上のことは、6月23日の本会議場を写したビデオテープを聞けばあまりにも明らかなことである。
また、ビデオの内容で特に重要なことは、近藤秀樹議長が会議の休憩を宣言する直前に発言したことである。誰が問うたわけでもないのに、この議案は可決するべきではないと議長席で独り言のようにしゃべり始めた。議長は中立でなければならないという会議の原則を、近藤秀樹議長は初めから放棄していたのである。あの無茶苦茶に強引な議事進行を行った理由はここにあった。橋本洵子・加藤啓二両議員も、この近藤秀樹議長の発言を聞いている。その上でなお、不正常な議事進行の責任を我々4人に負わせるというならば、事態を正確に見ることを拒否しているとしか考えられないのである。
政治倫理審査会の異様な秘密主義
石川昌弘議員が町民レガッタの会場で、あるいは個別に電話で「8月12日に話が聞きたいので第2委員会室に来てほしい」と不意に知らせて来たが、石川昌弘議員が何故そのような連絡をしてくるのか、我々には理由がわからなかった。よくよく聞くと政治倫理審査会への呼び出しであった。
このことに関して、政倫審のメンバーは自分が選ぶと宣言していた近藤秀樹議長に説明を求めると、政治倫理審査会を立ち上げ、その委員長に石川昌弘議員が就任したことは明らかにしたが、他の政倫審メンバーが誰であるか教えることはできないと言った。
また、石川昌弘委員長に橋本洵子・加藤啓二両議員が出した告発状の内容を見せてほしいと言っても「政倫審で見せないことに決めたから」と閲覧すらさせてもらえない状況である。
また、石川昌弘委員長に呼び出しは理由を明確に書いた文書で知らせてほしいと申し入れても「いままでの審査会も口頭で連絡するだけだったから」と言ってこれも拒否した。我々は、基本的に政治倫理審査会などにかけられるいわれはないと考えているので、政治倫理審査会が我々の問いかけに一切答えないのなら、我々も政治倫理審査会からの理由の不明確な呼び出しによって、出席を強要されることはないと判断した。
石川昌弘委員長は「来てくれないなら勝手に進めるから」と言うが、ここまで勝手に、そして何も知らせずに進めてきておいて、何を今さら「来てくれないなら」などと断る必要があるのか。
また、突然呼び出して弁明の機会を与えると言ったところで、審査が公正に行われたことの証明にはならないことも明らかである。
密室審査は拒否、事実に基づく責任追及を行う
政治倫理審査会の異様なまでの秘密主義は前述したとおりである。もともと本会議場で起きたことであり、議員同士のやり取りが問題になっているだけのことで、政倫審は何故、このように秘密主義を強調するのか、理由がわからない。議員の中で政倫審を秘密会にすることに最も熱心なのは近藤秀樹議長である。彼は、自分が選んだ政倫審のメンバーの名前すら非公開としている。
我々は、秘密会として行われる政倫審の呼び出しには全面的に応じないこととした。その理由は、我々が政倫審で、どのような質問をされたかはもとより、どのように反論したのかまで、一切口外してはならないとされる恐れがあるからである。
我々は住民の皆さんに広くお知らせすることによって、議長とその同調者達の企みを打ち負かしたいと考えているので、口を閉ざされることは一切拒否しようと考えるのである。政治倫理審査会などと看板を取り繕っても、所詮は、議長の中立性を自ら放棄した近藤秀樹氏が勝手に人選し、勝手に原告と被告を仕立てて進めた空しい舞台装置に過ぎない。このような所で、どのような結論が出ても事実の重みを覆すことなどできはしないのである。
我々4人は、議長の議事進行を正面から批判したことの報復として、かくも陰湿で執念深い罠が準備されたことが、議会制民主主義の将来に大きな危険をもたらすであろうことも忘れない。
この問題の曖昧な決着を許さず、議長の責任問題を明確にすることがひいては東郷町の発展につながるものと信じて努力する。