(実際の議会での様子は東郷町議会録画映像でご覧いただけます。平成25年第2回定例会一般質問 門原武志 の34分から最後まで)
「あなたの町税の滞納を、地方税滞納整理機構で取り扱うことにしました」という通知が来た、そこには、「いついつまでに全額納税してください。応じていただけない場合は、あなたの財産を滞納処分(差し押さえ等)することになります。」とも書かれている、どうしようか、という相談が私のもとにも寄せられています。
町税の徴収を町から機構に移管する基準について町のHPでは、町からの督促状に応じない人が機構に移管される場合の一番最初に挙げられています。次に、滞納しても納税相談をしない、連絡をしない人が挙げられています。
なるほど、そうした人にはある程度、厳しい対応が必要かもしれません。悪意を持って踏み倒そうとしているのか、税金を払わなければならないことを知らないのか、という理由が考えられるからです。
一方、町のHPでは、滞納額が大きい人、分納の約束を守らない人、完納の見込みがない人も対象に挙げられていますが、いかがなものかと思います。
商売の状況、病気など、税金を払いたくても払えない、個々の状況が考えられるからです。
私は「滞納額の大きさなどで機械的に対応せず、滞納者の納税意欲などで判断すべきことだと思うが、どうか」と質問しました。
総務部長は、「機構に移行する基準は滞納整理機構運営要領により原則として、滞納の本税額が市で50万円以上、町で30万円以上、かつ徴収が困難と規定している。この中から抽出し、機構と協議し選定する」と答弁しました。
私は「何をもって困難とするかが問題。滞納額が高額で約束を守らないというが、守りたくても守れないかもしれない。状況により滞納してしまい、約束した後さらに悪化した人もいることを勘案しないといけない」と述べました。
総務部長は「基準は金額だけでなく、徴収の困難さがある。職員が相当納税相談したうえでやはり完納できない、かつ金額が多い事例を選定してるので、単に金額だけではない。事情を聞き取るために納税相談をしている。相手が商売が好転するまで待って、というなら1ヵ月とか3ヵ月とかの猶予期間を設け、それでも困難な時、1年の分割納付になる。ただ、徴収猶予とか換価猶予ではなく、あくまでも裁量による。したがって少額や長期の分納は、かえって滞納額を増やす。それには応じられない。地方税法による執行猶予に該当するときはその手続きに入る」と答弁しました。
私は「困難事例というが、それをどう判断するかが問われる」と述べ、滞納者の生活や営業の実態を把握して親身になって対応するよう求めました。さらにそのことが「納税意欲を引き出し、完納後は優良な納税者として東郷町と関わり続けてもらうためにも必要な観点だ」と強調しました。
総務部長は「資産形成のために納税を後回しにすることは許されないが、収入を得るための経費は別」と述べ、営業を破壊するような徴収は避ける考えを示しました。
滞納整理機構から脱退する考えは
滞納整理機構への移管後は、滞納者への対応は名古屋南部県税事務所内にある機構の事務所でされます。当然、距離的なこともあり、東郷町役場窓口へ行くよりも負担が大きくなります。機構が扱う税は東郷町が集める税であり、東郷町がしていることを別の事務所で行う道理もありません。機構から脱退する考えについて質問しました。
総務部長は「県の職員と一緒に滞納者に働きかける、知識の向上、などのメリットがあり、脱退は考えない」と答弁しました。
(以上)
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一人で悩まず相談を
総務部長は「収入を得るための経費は別」と述べ、営業を破壊するような税の徴収は避ける考えを示しました。売掛金や在庫などの差し押さえは、廃業と生活破綻に直結します。当局が当然の考えを示したことは評価したいと思います。しかし部長の答弁では、住居などの差押えの余地は残されています。
税の滞納にはそれぞれの事情があります。一人で悩まずに、ご相談ください。