不定詞と動名詞、そして、分詞(V+ing の現在分詞, V+pp の過去分詞)の三つをあわせて「準動詞」と呼びます。「準動詞」はTOEFL/TOEIC、英検や大学入試を含むほとんどの英語力判定テスト対策の<大票田>。つまり、不定詞や動名詞、分詞が苦手なままだと目標点のクリアや合格(当選!)はかなり難しいということです。
その<大票田>の中でも TOEIC/TOEFLの頻出論点中の頻出論点の一つ、「不定詞と動名詞を目的語に取る他動詞」を確認します。多くの動詞は不定詞と動名詞のいずれも目的語に取るのですが、動詞によっては「不定詞の固定客」もあれば「動名詞専属ドライバー」もいる。この機会に是非覚えるようにしたいものです。そして、このポイントを確認する中で、不定詞と動名詞のニュアンスの違いも体得できるのであれば最高でしょう。
[1]不定詞と動名詞を目的語に取る動詞
◆動名詞だけを目的語に取る他動詞
appreciate, avoid, consider, discuss, enjoy, escape, finish, mind,
miss, postpone, recommend
The company avoided going bankrupt by selling its intellectual property.(○)
(知的財産権を売ることでその会社は倒産をまぬがれた)
Do you mind about shutting the door?(×)
(ドアを閉めていただいてもよいですか(気にならないですか))
mindは他動詞なので前置詞のaboutは不要。日本語の意味の「~について気にする」の「~に」に引きずられてaboutを用いない。正しい英文は、Do you mind shutting the door?(○)
Let’s discuss about earth-friendly life style.(×)
(地球環境に優しい生活スタイルについて議論しましょう)
discussも他動詞であり前置詞のaboutは不要。日本語の意味の「~について議論する」の「~に」に引きずられてaboutを用いるのは日本人によく見られる間違いです。正しい英文は、
Let’s discuss earth-friendly life style.(○)
I would like to recommend the interviewee as a new sales manager.(○)
I would like to recommend employing the interviewee as a new sales manager.(○)
(私は新しい営業マネージャーとしてその面接受験者を推薦したいと思います)
My mother-in-law recommended me quitting smoking.(×)
My mother-in-law recommended me to quit smoking.(○)
My mother-in-law recommended my quitting smoking.(○)
(義理の母から禁煙を勧められた)
「人に~を勧める」の構文は「recommend+人+不定詞」が正しく、「recommend+人+動名詞」は間違いです。これは覚えるしかない! このブログ管理者の私は過去3年程毎回TOEIC本試験を受験していますが、この論点は2回は出題されました。
◆不定詞だけを目的語に取る他動詞
agree, allow, decide, expect, fail, hesitate, offer, promise, prepare,
refuse, want, wish
The CEO decided raising funds by issuing corporate bonds.(×)
The CEO decided to raise funds by issuing corporate bonds.(○)
(最高経営責任者は社債を発行して資金調達することを決断した)
The defendant refused talking about the case of tax evasion.(×)
The defendant refused to talk about the case of tax evasion.(○)
(被告人は脱税事件に関して口を閉ざした)
Washington and Tokyo agreed about taking steps to prevent such crimes.(×)
Washington and Tokyo agreed taking steps to prevent such crimes.(×)
Washington and Tokyo agreed to take steps to prevent such crimes.(○)
(日米両国政府はそのような犯罪を封じ込めることに同意した)
「~に同意する/認める」の意味のagreeは他動詞であり(前置詞のaboutは不要)、動名詞ではなく不定詞を目的語に取る。
◆不定詞と動名詞をともに目的語に取るが意味が異なる他動詞
これは、中学校の英語の授業でも定番の例文ですよね。
Ms. Vanille stopped smoking.(ヴァニューさんは禁煙した)
Mr. Matsuo stopped to somoke.(松尾氏はタバコをくゆらすべく立ち止まった)
実は、後者の述語動詞は「立ち止まる」という意味の自動詞で、「to smoke」は「タバコを吸うために」という行為の目的を表す不定詞の副詞的用法です。
Please remember to upload the images onto the Internet.
Please remember uploading the images onto the Internet.
remember+不定詞は「将来~することを忘れない」
remember+動名詞は「過去に~したことを忘れない」
前の文は「ネットにそれらの画像を忘れずにアップしておいてね」、後の文は「それらの画像をネットにアップしたことを忘れないでね」の意味。要は、不定詞は「将来~することを忘れない」、対して動名詞は「過去に~したことを忘れない」の意味になります。
「不定詞と動名詞のニュアンスの違い」を体得するために、これまでの記事をできれば再度熟読吟味してください(Please remember to perused this article again.)
◆動名詞の慣用構文
さて、「不定詞と動名詞」の違いを考えるためにもう一つ重要構文を紹介して置きます。
The service representatives must be quite used to fixing such a PC.
(サービス担当の人達は、このタイプのPCの修理には全く慣れているに違いない)
cf. The service representatives used to fix such a PC.
(サービス担当の人達は、よくこのタイプのPCの修理をしたものだ)
「be used to +動名詞」は「~に慣れている」
「used to +動詞の原形」は「昔は~をよくしたものだ」
(「used to +動詞の原形」のusedは助動詞と考えられています)
「be used to +動名詞」と同じパターンは、confess to+動名詞「~と告白する」, object to +動名詞「~に反対する」,look forward to +動名詞「~するのを楽しみにしている」等があります。いずれもTOEICやTOEFLの論点。この機会に是非覚えてください。
[2]不定詞と動名詞の差異
「不定詞と動名詞」の違いは何か? 少し抽象的になりますが、それは「動名詞は不定詞より名詞的な性格や意味が強い」ということです。あるいは、不定詞には主語の意志が盛り込まれているが、動名詞は一般論や第三者的な言い方、更に言えば、不定詞は能動的で動名詞は受動的とさえ言えないこともない。
例えば、中学英語の定番、次の例文を見てください。
Seeing is believing.
To see is to believe.
どちらも、大枠の意味は「百聞は一見にしかず」ですが、後者では、この”To see is to believe.”を話したり書いた<著者>やその<読者>が"To see"や"to believe”している<動作主>を念頭に置いているらしいのに対して、前者では、「読むこと」「聞くこと」をする具体的な<動作主>の姿は最早意識されていない。このニュアンスの違いを日本語で表すと、
Seeing is believing.→(観察は理解)
To see is to believe.→(嘘だと仰るのなら、ご自分の目で見てごらんなさい)
このような感じになる。アメリカの英語教授法の授業ではこの経緯をしばしば(上の定番の例文を再利用(to reuse)して)こうパラフレーズ(paraphrase)されています。
動名詞=the fact that somebody sees something(何かを見るということ)
不定詞=to be going to see by us(見ようとすること)
☆註:
上の説明と混同されがちなのが、「知覚動詞+現在分詞」と「知覚動詞+(原形)不定詞」の違いです。例えば、『基礎からよくわかる英文法(改訂新版)』(旺文社・pp.138-139)に収録されている綿貫陽先生の有名な例文で説明すれば(尚、同著者の『ロイヤル英文法(改訂新版)』(旺文社・p.516)も参照してください)、
I saw a cat crossing the road.
I saw a cat cross the road.
の違いです。前者のcrossingは「V-ing」の形をしていますが、動名詞ではなく現在分詞であり、”A cat was crossing the road when I saw it.”という進行形の意味。つまり、「猫が道路を渡る動作をしているのを見た」(よって、その猫が道路を渡り終えたかどうかまで確認したかどうかは不明)なのに対して、後者は ” A cat crossed the road when I saw it.”という意味。要は、「猫が道路を渡る のを見た」(その猫が道路を渡り始める時から渡り終えるまでを確認した)という主張になるのです。
不定詞と動名詞のニュアンスの違いがつかめれば、前項で述べた「動名詞/不定詞だけを目的語に取る他動詞」を覚える作業も少しは無味乾燥(dry)ではなくなるのではないでしょうか。
<確認演習>
この記事で説明したことを例題で確認しましょう。
▼例題1:
My classmate needs the new software package < > by Thursday.
(A) will be installed
(B) installing
(C) install
(D) installed
訳:私のクラスメートは木曜日までに新しいソフトウェアパッケージをインストールする必要がある。
正解:(D)
説明:「need +物+V-pp」の構文で「物が~される必要がある」という意味の第5文型のセンテンスになります。
▼例題2:
In combating a complicated problem like this, I can only suggest < > the solution to the experts.
(A) leaving
(B) to leave
(C) will leave
(D) am going to leave
訳:このような複雑な問題に取り組む場合、専門家に解決策はゆだねるべきだという事だけしか提案できません。
正解:(A)
説明:suggest は、例えば、「that→S→V→・・・」構造のthat節ではなく、語句を目的語にする場合、動名詞を取る他動詞。つまり、「suggest +to不定詞」は間違い。目的語に動名詞しか取らない他動詞は他に、avoid, appreciate, mind, enjoy, consider, missなどがあります。
▼例題3:
Because our TV was out of order last weekend, my husband asked the appliance store < > the defects for free since it was still under warranty.
(A) fixed
(B) to be fixed
(C) fix
(D) to fix
訳:週末TVが故障したので夫が電気器具店に無料で修理してもらった。というのもまだ保証期間内だったから。
正解:(D)
説明:「ask+人+to不定詞」の構文は「人に~を頼む」。
▼例題4:
The prices of goods continued to < > as a result of deregulation practices.
(A) pertinent
(B) fall down
(C) plummet
(D) prevail
訳:規制緩和の結果、商品の価格は急落し続けた。
正解:(C)
説明:continue to不定詞で「~し続ける」の意味。文脈から考えて「値段が下がる」の意味の動詞を求めます。plummet「急落する」が正解。(B)の fall down はfall またはgo down であれば正解になる。pertinentは「適切な」, prevailは「普及する」で論外!
▼例題5:
The legal adviser of the environmental NGO admitted < > $300,000 from the organization.
(A) embezzled
(B) embezzling
(C) having embezzled
(D) having been embezzled
訳:その環境保護NGOの顧問弁護士は30万ドルを横領したことを認めた。
正解:(C)
説明:動名詞の表す時が述語動詞の時より前であることを明示するためには「having+ 過去分詞」という完了形スタイルの動名詞を用います。
▼例題6:
All the Japanese delegates are looking forward to < > the treaty which will release the global ban on commercial whaling.
(A) concluding
(B) conclude
(C) in conclusion
(D) a conclusion
訳:日本側の代表者はみな、地球規模での商業捕鯨禁止を解禁するその条約の締結を心待ちにしている。 正解:(A)
説明:look forward to「~を楽しみにしている」「~を心待ちにしている」の後には動名詞または名詞・代名詞が続きます。例えば、次の例文は外資系企業の採用通知末尾の決まり文句の一つ。「これから何年もの間、貴方とともに働けることを楽しみにしています」、と。
We look forward to many years of association with you.
動名詞はすでに起こった過去の事柄を、不定詞はまだ行われていない将来の事柄を表す傾向が強いのですが、将来のことを述べるlook forward to やanticipate の後には不定詞ではなく必ず動名詞(または名詞類)が来ることに注意してください。
Regarding Greenpeace’s whale meat theft, we are anticipating receiving a "gift" from Tokyo District Public Prosecutors Office .(グリーンピースの鯨肉窃盗事件に関して、我々は東京地検から「プレゼント」をもらえるものと期待しています:あのカルト的環境利権団体をさっさと起訴しろ東京地検!)
▼例題7:
On the Tachikawa SDF Housing Compound Flier Case, the Supreme Court got each appellant < > a fine, who belongs to a “professional citizens group.”
(A) paying
(B) to pay
(C) pays
(D) paid
訳:立川自衛隊官舎ビラ配り事件において、プロ市民団体に所属している上告人に対して最高裁判所は罰金を支払わせました。
正解:(B)
説明:get は「get+人+ to不定詞」の構文で「人に~させる」という使役の意味を表します。「使役動詞+人+V-原形」の構文を取るhave, let, make等とは違い動詞の原形とは一緒に使えないことに注意してください。
▼例題8:
Keiko Arimoto's parents were made < > for a long time by Chief Cabinet Secretary Yasuo Fukuda..
(A) wait
(B) to wait
(C) waiting
(D) waited
訳:有本恵子さんのご両親は福田康夫官房長官に長い間待たされました。
正解:(B)
説明:make等の「使役動詞+人+V-原形」の構文を取る使役動詞も、それを受動態で使う際には「be+made+to不定詞」とto不定詞を使わねばなりません。
▼例題9:
A furnished weekly or monthly lease apartment is reasonable for a visitor to Japan < > for a few weeks to several months;the lessee may start his/her life immediately with bed, TV, refrigerator, microwave oven, air conditioner, dishes, cooking utensils, and other electrical appliances.
(A) advising against staying
(B) in order to stay
(C) object to staying
(D) having stayed
訳:数週間から数ヵ月の日本滞在にはウィークリー/マンスリーマンションの利用が便利です。ベッド、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、食器から料理の道具、その他の家電製品も備わっているので直ぐに生活を始められます。
正解:(B)
説明:「in order+to不定詞」は「~するために」という目的を表します。(A)の「advise+人+against +動名詞」は「(人に)~しないようにとアドバイスする」, (C)の「object to 動名詞」は「~することに反対する」の意味のイディオム。
▼例題10:
After obtaining the working visa, foreign employees are < > register for their Alien Registration Card at their local city/ward office; according to Japanese immigration regulation, the Immigration Control and Refugee Recognition Act, the card is an official document of identification and must be carried at all times.
(A) required to
(B) remunerated
(C) restrained
(D) renounced
訳:就労ビザを取得した外国人従業員は各地の市役所や区役所で外国人登録証の登録をしなければなりません。日本の入管法、すなわち、出入国管理及び難民認定法によれば、このカードは公的な身分証明であり常に携帯されるべきものです。
正解:(A)
説明:「be required +to 不定詞」は「~することを要求されている」「~しなければならない」の意味。remunerateは「報酬を与える」「損害を補償する」, restrainは「(行動などを)抑制する」「~を断念させる」, renounceは「(権利などを)放棄する」の意味。可及的に速やかに改正すべき現行の日本国憲法第2章は「Renunciation of War」(戦争の放棄)ですが、renunciationは renounceの名詞形です。
真赭の一本釣り、英語にするとどうなんの?と全部見たらおいらが禁煙した事書いてある…誰もおいらの事しらねぃ…あわわ…
関係なさすぎて思わず笑っちゃいました!いやんまーさん有名になっちゃうきゃ
昔、六本木で遊んでる頃は勉強に金かけたく無くて辞書読んで英語勉強しましたが、懐かしいなぁ。今じゃ全然っすよ。読みながら「うわー、単語忘れてる…」とか変な汗かいた
面白かったので、こちらも覗きに来ますねー!