英語と書評 de 海馬之玄関

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再出発の英文法:不定代名詞・不定形容詞と呼応

2008年05月28日 23時17分20秒 | 英文法の話題


[1]呼応
今回のテーマは、日本人が苦手な英語表現の中でも「渋い論点」、「一致」や「呼応」と呼ばれているもの。これら(「一致」=agreement, 「呼応」=concord)と言うとなにか浮世離れした文法話しと感じられるかもしれませんが、これらは「主語と述語動詞の一致」や「名詞とそれを受ける代名詞の一致」のルールを含んでおりTOEFLやTOEICの最頻出論点と言っても過言ではありません。述語動詞に注目しながら次の例文を見てください。

Either you or I am to go there.
(あなたか私のどちらかがそこに行かなければならない)

Neither the students nor the teacher knows her way to the auditorium.
(学生もその教師も講堂にどうやって行けばよいのか知らない)

Both of the students were good at both English and Mathematics.
(両方の学生とも、英語も数学も得意だった)

either A or B「AかBかどちらか」, neither A nor B「AもBもどちらも~でない」の二つの構文とも述語動詞は「B」と(人称や単数複数が)一致するのです。後の例文では、「her way to the auditorium」と代名詞もB(=the teacher)に呼応していることに注意してください。尚、口語では、her の替わりに their を使い、

Neither the students nor the teacher knows their way to the auditorium.
と言う場合もありますが、正しくはB(=the teacher→her)なのです。


この、either A or B, neither A nor Bに対して both A(や both of A)は常に複数扱いになります。上と同様、次の例文で「主語→述語動詞」の関係に注目してください。

Not only SONY but (also) Nintendo is a Japanese company.
(ソニーだけでなく任天堂も日本の企業だ)

Mie and Gifu as well as Aichi belong to the Tokai region.
(愛知県だけでなく三重県も岐阜県も東海地方に属している)

Not a professor but students are to manage their own research schedule in a graduate school.
(大学院においては学生の研究スケジュールを管理するのは教授ではなく学生自身だ)

not only A but (also) Bの構文では述語動詞はBに一致。また、A as well as B ではAに、そして、not A but B では述語動詞はBに一致します。それぞれの構文で話者が述べたいことの比重が大きい方と述語動詞は一致するのです。




[2]不定代名詞と不定形容詞の呼応
次に中学校でも習う基本的な知識 all, every, each, either, neither と述語動詞の一致について論点を整理しておきましょう。中学校英語とはいえ、これ実は、英文ライティングの段になるとTOEIC900点オバーの方もしばしば間違うポイントなのですよ。

All (of the) members are going to study hard for the TOEFL in September.
(9月のTOEFLに向けて全員頑張ろうとしている)

All is well that ends well.
(終わりよければすべてよし)

All the city was destroyed by the earthquake and tsunami.
(都市全体がその地震と津波で壊滅した)

allは数えられる名詞(特に人間をさす場合には)複数形、数えられない名詞(特に、事物をさす場合や全体のという意味のときには)単数形として用いられます。「all of+名詞」の形で使われる際には「all of the 名詞」と必ず定冠詞の theがつくことに注意してください。

Every member of the program reads “Kisokara Yokuwakaru Eibunpou.”
(そのプログラムの全てのメンバーは『基礎からよくわかる英文法』を読んでいる)


Each of the students whom “The Poverty of Historicism”written by Karl Popper, “Critique of Hegel's philosophy of right”written by Karl Marx, and “Japanese Constitution”written by Yasuo Hasebe had been recommended to is going to tackle the books during this summer vacation. (=Each student whom ・・・・・)

(カール・ポパー『歴史主義の貧困』、カール・マルクス『ヘーゲル法哲学批判序説』、および、長谷部恭男『日本国憲法』を推奨された学生達はそれぞれ夏休み中にそれらの書物に取り組もうとしている)


Either of these plan, sales one and distribution one, is good enough.
(販売計画も納品計画もどちらも素晴らしいのではないですか)

Neither of these movies was interesting.
(どちらの映画も面白くなかった)

口語では例外もありますが、every, each, either, neither はTOEFLやTOEICでは単数形と考えてください。よって、英文ライティングの際にも、every [each, either, neither]+名詞の場合、名詞は必ず単数形扱いにする。逆に、every [each, either, neither]+of+名詞の形の場合、名詞は複数形にすること(これは、「生徒の一人」という際にはone of studentsと「student」は必ず複数形の「students」になるのと同じ用法です)。くどいですが確認します。

“Every good teachers talk an important thing many times.”はeveryの後の名詞(teachers)が複数形なので文法的には間違い。正しくは、

“Every good teacher talks an important thing many times.”
“Each of good teachers talks an important thing many times.”
(よい教師は一つの重要なことを繰り返し説明するものだ!)






[3]不定代名詞と不定形容詞
◆不定代名詞・不定代名詞の単数複数
不定代名詞・不定形容詞そのものの性質について最後に確認しておきましょう。日本人が苦手な不定代名詞・不定形容詞、 one, ones, other, others, the other と anotherを取り上げます。次の6個の例文を見てください。

(1)One can learn an application soft in a month, but one cannot learn a language in a month.
(人間は1ヵ月でコンピューターソフトを習得することはできるが、1ヵ国語を習得することはできない)

(2)I don’t have a Biro. Could you lend me one?
(ボールペン(=ball-point pen)を忘れた。1本貸してくれない)

(3)I don’t have a Biro. Could you lend me it?
(ボールペン(=ball-point pen)を忘れた。(君が持っている)そのペンを貸してくれない)

(4)Ms. Kannazuki has a laptop PC and uses it for many uses, and I want one, too.
(神無月さんはラップトップのPCを持っていていろいろな用途に使っている。私も1台欲しいな)

(5)Ms. Kannazuki uses a laptop PC and deales with many tasks with it, and I want it, too.
(神無月さんはラップトップのPCでいろんな業務をこなしている。私もそのPCを使いたいな)

(6)Our team has four PCs, a Mac one and three Windows ones.
(うちの部署には4台のPCがあり、その内の1台がマックで他の3台がウィンドーズのPCだ)

最初の例文のように one は一般的に「人間は・・・」を表すほか、一個二個と数えられる名詞(可算名詞)を受ける代名詞として使われます。その場合、oneは「特定の、その一個」ではなく「漠然とした不特定の一個」の意味。ですから、3番目や5番目の例文のように「特定のそれ」をさす場合には「it」(this, that, the +名詞)を使って表します。つまり、

代名詞の one = a (an)+可算名詞



one は可算名詞をさす代名詞だから、よって、一個二個とは数えられない名詞(不可算名詞=物質名詞・抽象名詞・固有名詞)を one では表すことはできません。

Ms. Fukufuki prefers white wine to red.
(フクフキさんは赤ワインより白ワインが好きだ)

cf. Ms. Fukufuki prefers (a bottle of) white wine to red one.
(フクフキさんは赤ワインのボトルより白ワインのボトルが好きだ)



◆the other, the others, others, and another
TOEFL/TOEIC対策の必須論点。the other, the others, others と another の説明行きます。

Mr. Like made two copies of presentation materials. He took one for his team and then submitted the other to the task force team leader.

(ライクさんはプレゼン資料を2部作成し、1部は自分のチーム用に取り、他の1部は特命チームのリーダーに提出した)

Mr. Like made seven copies of presentation materials. He took two for his team and then submitted the others to the task force team leader.

(ライクさんはプレゼン資料を7部作成し、2部は自分のチーム用に取り、残りは(=5部)は特命チームのリーダーに提出した)


the other は「2個ある中の残りの1個」、the others は「何個かあるなかの残りの全部」の意味です。先に書いておけば、冠詞がつかない others は「他の人々」「ほかの物」という意味であり、another は「他に何個かある中の(どれでもいいから)1個」の意味です。

実は、another は語源的には「an + other」から派生した単語であり、よって、an another something は an an other に他ならず、実は冠詞が2個続くことになり(例えば、「一体の仏像」を 「an an image of Buddha」 と言っているようなものであり)例外なく間違い。これはTOEFLやTOEICで時々出される引っ掛け問題ですから、この際、是非、覚えておいてください。


単数扱いの物質名詞(tea)にはsomeがつき、「一個二個・・・」と数えられる可算名詞(cup, piece)には another (=an other)が付いていることを下の例文で確認しておきましょう。

Would you care for something to drink?
Would you have another (cup of) coffee?

I don’t feel like drinking coffee right now.
Could I have some tea, please?
And, may I have another piece of Japanese cake?

(何か飲み物は。 
コーヒーもう一杯いかがですか?
 
いえ、コーヒーは結構です。
お茶を少しいただけますか? 
それと、和菓子をもう一ついただけますか?)
 






<確認演習>
この記事で説明したことを例題で確認しましょう。

▼例題1:
From next Wednesday, all staff < > required to wear their ID badges at all times.
(A) is
(B) are
(C) has
(D) have


訳:来週の水曜日から、スタッフ全員がIDバッジを常時携帯することが求められます。 正解:(B)
説明:all は複数名詞につけば複数扱い、単数名詞につけば単数扱いですが、staff「職員」はpolice「警察」と同様、原則、単数形の綴りでありながら複数扱いされる集合名詞です。尚、実現性の高い未来の計画や予定は述語動詞の現在形で表します。ですから、選択肢に例えば、will be が挙げてあったとしてもareがよりナチュラルな英語のセンテンスです。


▼例題2:
Neither my parents nor my elder brother < > here.
(A) is
(B) are
(C) is not
(D) are not


訳:両親も兄も不在です。
正解:(A)
説明:空所に入るべき述語動詞は neither A nor B の B(=brother→単数)に一致します。また、neither 自体に否定の意味が含まれており(C)(D)では二重否定となってしまい不可。尚、「neither ~ nor」による否定はすべての場合を否定するので「全部否定」と呼ばれます。all やeverybody の否定が「すべてのものが~というわけではない」という「部分否定」になるのと対比して覚えておきたいポイントです。


▼例題3:
A sample of the textbooks < > together with a general brochure by Japanese Society for History Textbook Reform.

(A) were enclosed
(B) was enclosed
(C) were enclosing
(D) was enclosing


訳:新しい歴史教科書をつくる会からは、教科書の見本一冊が総合パンフレットと一緒に同封されていた。
正解:(B)
説明:極めて簡単ですが時間に追われがちなTOEICではうっかりミスをしてしまいがちな問題です。例題のセンテンスの主語は単数形の A sampleであり、述語動詞も単数形に呼応させなければなりません。ちなみに、enclose は「~を同封する」という意味の他動詞ですから、能動態の過去進行形である(C)(D)は文型の観点だけからも不適当なのです。


▼例題4:
Jody or I < > hoping to be able to attend the rally in search of an amendment to the constitution..
(A) am
(B) is
(C) are
(D) be


訳:その憲法改正決起集会にはジョディーさんか私が出席できればと思っています。
正解:(A)
説明:複数の名詞・代名詞がor で結ばれて主語になっている場合、述語動詞は主語に一番近い名詞に一致します。この場合 Jodyより I が 述語動(be 動詞)に近いので正解は am。覚えてしまえば簡単ですが、これはセンター試験でもTOEICでも頻出論点です。


▼例題5:
About one billion people < > by the computer virus.
(A) was affected
(B) were affected
(C) was damaged
(D) were damaged


訳:およそ10億人の人がコンピューターウイルスの影響を被りました。
正解:(B)
説明:主語が複数なので後にくる be 動詞は were になる。尚、動詞 affectは「影響を及ぼす」、それに対して、damage は「(物理的に)損害を与える」の意味ですから、この例題ではaffectが適当と思います。


▼例題6:
Everyone < > own opinions, but those of Ms. Totdjo's are often too extreme to be accepted by others very easily.

(A) are entitling to their
(B) are entitled to his
(C) is entitling to one's
(D) is entitled to his


訳:誰もが自分の意見を言う資格があるとはいうものの、トッドジョー女史の場合、その意見はしばしば他の人に極めて容易に受け入れられています。
正解:(D)
説明:「be entitled to ~」は「~する資格がある」という意味のイデオムです。また、Everyone は単数扱いなので、is entitled to his が正解になります。尚、Everyone を受ける代名詞の所有格は文法的には his, her または his or her(his/her)ですが、本編でも述べたように口語ではtheirで受けることも稀ではありません。ただし、TOEICやTOEFLでは「their」は不正解になります。注意してください。


▼例題7:
All our personnel < > for company housing after three years' service.
(A) is eligible
(B) is possible
(C) are eligible
(D) are possible


訳:社員は全員3 年勤めると社宅に入居する資格が与えられます。
正解:(C)
説明:personnel「職員」は集合名詞で複数扱い。また、「be eligible for ~」は「~の資格がある」という意味のTOEIC頻出単語です。例題6の「be entitled to ~」とほぼ同じ意味です。併せて覚えましょう。尚、be possible「可能性がある」は人間を主語に取ることはできない単語です。


▼例題8:
They have been investing such < > money on this project that it could easily sway the destiny of the company.
(A) a good many amount of
(B) a number of
(C) a great amount of
(D) a great number of


訳:このプロジェクトには多額の投資をしてきたのだから、このプロジェクト次第であの会社の社運は簡単に左右されるでしょう。
正解:(C)
説明:moneyは不可算名詞です。よって、空所には不可算名詞を修飾できる数量連語表現が入るはずです。つまり、量はnumberではなくamountを用いて修飾しなければならず、可算名詞専用のmanyを使うことはできないのです。

不可算名詞としてはTOEICではmoneyのほかinformation「情報」, machinery「機械類」などが頻出、TOEFLで出題される可能性がある fruit「果物」, furniture「家具」, furnishings「備え付けの家具備品」もここで覚えてしまいましょう。

ちなみに、furnitureと furnishingsともに集合的に家具類を表わす単語ですが furnitureは日本語の「家具」よりかなり適用範囲が広く, cupboard(食器棚), clock, clothes dryer(乾燥機), dishwasher(食器洗い機), refrigerator(冷蔵庫), washing machine(洗濯機), air conditioner(エアコン)などにも用いられます。集合的に単数扱い。個々の「家具備品」を数えるときはa piece [an article] of furniture;他方、furnishingsはさらに広義。pictureやmat, rug(敷物), carpet, curtainなどの装飾品も含みこちらは集合的に複数扱いです。

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