吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

春から初夏は、感覚深耕の時節

2017年05月20日 | Weblog
春は冬眠から覚めたり、草木の芽吹きを感ずる時節。初夏は、若葉青葉の香りや小さな生きものの仕草に驚く時節。薫風なる初夏の風に、緑の香りや甘い薔薇の香りを乗せて感じる季節。

生きているという感覚を認識する時節でもある。視覚、聴覚、触覚、嗅覚や味覚という五感がよく働き出す時節が初夏。青い空や綿のような雲を仰ぎ見たり、山や田畑の緑や公園などの花々を愛でたりする(視覚)。小鳥たちの囀りや早朝のハスの開花音に驚いたりする(聴覚)。温む小川の水に足を入れてみたり(触覚)、木々の緑やバラの香りを嗅いだりする(嗅覚)。そして、春から初夏は何と言っても海の鰹や山の山菜や春夏の野菜と果物に、舌鼓を打つ時節(味覚)。

この味覚もまた、五つある。甘味、酸味、塩味、苦味や辛味だ。最も五感に第六感があるように味覚にも五味を合わせての旨味がある。食感などもある。甘味などの味覚それぞれには、濃い薄いやコクがあったり、さっぱり感があったりやその強弱があることに加え、人それぞれの丁度いいポイントがある。これらに、つるつる・ざらざらやなめらかなどの食感が加わる。一言で説明できないのが味覚なのだ。

春から初夏は、いわゆる緑や花の匂いや香りに季節を感ずる。若葉や新緑の香りと青麦や青葉の香りは、どのように違うのか。濃さや薄さでは説明できそうもない。薫風と青嵐の違いもハテナだ。薔薇の香りなどでよく聞くグリーンノートの香りや青リンゴの香りやフレッシュな香りは、それぞれどのように違うのだろうか。甘い香りやムスクの香りと赤ワインの香りやピーチの香りは、どのように違うのだろうか。

ことほど左様に、感覚や味覚や旨さなどは個人個人により心理的尺度が異なる。そのような感覚や勘や何かわからない第六感などを研ぎ澄ます時節が、春から初夏のように思う。読者諸氏の感覚深耕を願い祈る。
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