ホリスティックな学び/ケアへの誘い

あらゆるひと・もの・こととのつながりとつりあい、つつみこみ、つづく/つづけるために

境界と限界を超えるホリスティック教育―協働の未来を探る―

2012年05月05日 | ホリスティック教育研究

NPOふたば主催 ・関西大学協力 シンポジウム「自立のための教育-協働活動の意味-」(2012/03/10)

境界と限界を超えるホリスティック教育―協働の未来を探る―

東京学芸大学大学院教育学研究科

教育実践創成講座〔教職大学院〕

成田喜一郎

はじめに―本日の講師のこと-                                               

○成田喜一郎(本業)、NARISEN/Mr.Narick(中学校教員時代のニックネーム)、寺澤満春(シンガーソングライター)

 

1 ホリスティック教育って何?                                               

○あらゆるひと・もの・こととの/の「関係生」・「均衡生」・「包括生」・「持続継承生」の意味を探り、営む教育学のこと。

○「つながり/つながらない」「つりあい/つりあわない」「つつみこみ/つつみこめない」「つづける/つづかない」 成田(2012)

 

2 境界と限界の意味                                             

○障がいとは何か―WHOの定義の変遷― 上田敏(2002)

○有る/無い、持っている/持っていない、抱えている/抱えていない、見舞われている/見舞われていない、

残っている/残っていない、共にある/共にない「障がい」

○WHO1980の「国際障害分類」(ICDH):疾患・変調が原因となって機能・形態障害が起こり、それから能力障害が生じ、それが社会的不利となる。

図1 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/n251_01-01.html

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/img/251002g01-2.jpg

○WHO2001の「国際生活機能分類」(ICF): 機能障害でなく「心身機能・構造」、能力障害でなく「活動」、社会的不利でなく「参加」を用いる。これらが障害された状態はそれぞれ「機能・構造障害」、「活動制限」、「参加制約」である。

図2 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/n251_01-01.html

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/img/251002g02-2.jpg

○エピソード1:ある福祉作業施設を訪問し、共に作業をした中学生(選択社会の実践1994)

「学習の最後にまとめた報告書の中で中学生たちは、この学習で得た結論として、「当たり前のことのようですが、『お互いが人間であること』ことでした。『お互いが人間であること』が当たり前であるといえる『社会』を実現するためには、次の四つが必要であると思いました。①精神障害者に対する正しい知識を学び、広めること。②精神障害者自身が誇りを持って活動すること。③積極的な交流を積み重ねていくこと。④差別や偏見に『NO!』と言える勇気を持つこと。今こそ、『強い者が下に、弱い者が上に』(スペイン・ベンポスタ子ども共和国の合い言葉の一部)世の中が求められているのではないでしょうか。」と結んだ。」成田(1998)

○境界と限界を超える意味:あなたは、 にどんな言葉を入れるか。

ポジティブ

 

 

 

客体

同情

 

 

 

 

 

主体

 

差別

 

排除

ネガティブ

図3 「異質性に対処する技法」に関する座標平面   参考:奥村隆(1998)

            〔            〕

 

3 自立/協働の意味                                                     

○自立と依存を超えて、自立と依存とを架橋すること。

○Post3.11「絆」の光(相互依存)と陰(くびき・しがらみ)→緩やかなつながりWeak ties(連結の自由/離脱の自由)

○エピソード:ある「児童自立支援施設」の寮長の話2012

 

4 シンポとその後へ                                                    

○社会関係資本Social Capital:信頼・互酬性・ネットワークの構築の重要性

○共感・共鳴・共振、反感・違和感・嫌悪感の受容、トレランスtolerance(寛容・耐性)

○省察reflectionの作法:「論理」、視点の重要性、5つのつけもの(位置づけ・価値づけ・方向づけ・関連づけ・意味づけ)

○観想contemplationの作法:直観・洞察・ひらめきの復権、「目前心後・離見の見」(世阿弥)

○知性・心性を包み込む身体性への視点(呼吸の重要性。Spiritの語源はspirare呼吸する) 

 

むすびにかえて                                                        

○『ハチドリのひとしずく―いま、私にできること―』:物語を聴き、物語のつづきをつくることができるだろうか?

本講演に関する質問・意見など問い合わせ先

knarita@u-gakugei.ac.jp

【参考文献】

・成田喜一郎(1998)「子どもの内面に及ぶ『身近さ』を」『現代教育科学』NO.499、明治図書pp.77-78。

・奥村 隆(1998)『他者といる技法――コミュニケーションの社会学』日本評論社

・上田 敏(2002)「国際障害分類初版(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)へ―改定の経過・趣旨・内容・特徴―」 『月刊ノーマライぜーション』日本障害者リハビリテーション協会、2002年6月

 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/n251_01-01.html(2012/05/05取得)

・稲葉陽二(2011)『ソーシャル・キャピタル入門―孤立から絆へ―』中公新書

・成田喜一郎(2012)「境界と限界を超えるホリスティック教育―協働の未来を探る―」(本日の資料)

・辻信一監修(2005)『ハチドリのひとしずく―いま、私にできること―』光文社



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1 コメント

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ねぇ (neko774no@yahoo.co.jp)
2012-05-23 11:48:47
こんにちは!ノヽ口―_φ(゜▽゜*)♪ ブログ見て初めてコメントしまっす!興味あるなって思って読んでました私のブログであなたのブログ紹介したいなって思ってるんですけどいいですか?あ願わくば相互リンクとかもいいですか?tag48]、一応アド載せておくのでもしオッケーなら連絡もらえないですか?o○o。.★.。o○o。.☆.。o○o。.★よろしく願いします~o○o。.★.。o○o。.☆.。o○o。.★

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