ホリスティックな学びとケアへの誘い

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創作叙事詩 「3.11日常の詩(うた)」 とその解題

2012年09月24日 | ホリスティック教育研究

創作叙事詩 「3.11日常の詩(うた)」

寺澤満春

 

映画監督りんたろうの作品、

「3.11日常」を観た。

タイトルは、何の装飾もなく
無機質的な事実そのもの、
「3.11日常」
3.11という時代の画期、
まさにエポックという表現が相応しい日。
東日本大震災と、
東京電力福島第一原子力発電所の事故の起こった日に連なる日常。

・・・・つづきは以下に・・・・

http://www.311everydayliving.com/poem.html (2012/09/24取得)

2012/06/10記

【解題】

この創作叙事詩人であり、シンガーソングライターの寺澤満春氏が
この創作叙事詩を書いた背景には、以下のような経験が潜んでいる。

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●1978年~2002年、中学校社会科教諭をしていた彼は、
原発の是か非かの議論をしている今も、原発のメンテナンスを黙々し続ける
「原発ジプシー」(堀江邦夫氏の同書)がいるという社会的事実を中学生に語ってきたこと。
●2007年8月6日「原爆忌」に、原爆の図のある「丸木美術館」の野外ステージで
75分間、ギターの弾き語りを行ったこと。
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/event/070806/070806.htm
●2011年3.11直後の4月上旬、震災・原発事故で被災された方々へのメッセージとして
「希望のコードよ」(原曲は Leonard Cohenの"Hallelujah" )をyoutubeにアップしたこと。
http://www.youtube.com/watch?v=04GVqqLxTjM
●2011年6月~現在、いわきの子供を守るネットワークへの加入・連携支援
福島県のある中学校の生徒・教職員へのミニ・ライブを行ってきたこと。


****

こうした実践・活動歴をもつ寺澤満春氏は、わたなべりんたろう氏の作品
「3.11日常」にクールな共感をこの創作叙事詩に込めたのだと言ってよい。
ただ、このわたなべりんたろう氏の作品。
その地を離れた人々、その地に留まった人々、北から逃れてきた人々がいる
いわき市の市民と子どもたちにとって、如何に映るのか。
一度、彼らのその声を聴いてみたい。
その地に留まった「いわきの子供を守るネットワーク」の方々の「日常」と
果たして重ね合わせることのできる日常なのか・・・。
答えは、その日が実現するまで待つことにしたい。


[注]

*ナラティヴ・アプローチ:物語/語り概念による現象の描き方。
野口裕二(2009)『ナラティヴ・アプローチ』勁草書房。
**エスノグラフィー:もともとは文化人類学の研究方法「民族誌」で、
フィールドに入り込んで得た知見を仮説と解釈の導出過程を追跡しながら、
その意味を描き出した研究成果物。今では社会学・教育学・経営学などで多分野で援用される方法。
箕浦康子(1999)『フィールドワークの技法と実際―マイクロ・エスノグラフィー入門』ミネルヴァ書房。

(東京学芸大学・成田喜一郎)

2012/06/10記


この創作叙事詩と解題は、映画監督・わたなべ りんたろう氏のサイトに掲載されています。

http://www.311everydayliving.com/ (2012/09/24取得)