イワシクラ物語

食べて治す薬膳弁当始めました!
My猫物語はアセラブログに移転しました。

エジプトに嫁に行った友人との約束

2005-03-31 13:03:36 | イワシクラ
 田舎暮らしを始めてから、初めて子供が欲しい
と思った。
 願ったとおりに子供が授かり、親となった。

 安定した生活を望むようになった。

 お店をやりたい。

 それは、OL時代からの夢だった。

 エジプトに嫁に行った職場の友人Aとよく話していた。
彼女はエジプト人と結婚していて、いずれエジプトに
渡る予定だが、日本とずっとコンタクトを取っていたい。
「エジプトの民芸品を送るから、お店の一角に置いてね。
ふたりで商売しよう」と。
 このころすでに私は、いずれ、鴨川に帰り店を始める
計画だった。(夢の)

 お店が開店するとき、Aから大量にエジプトの民芸品を
買った。お客様にもお売りしたが、今も店のインテリア
になっている。

 Aのパソコンが壊れ、しばらくして私のPCも壊れ、
(にくきウイルスにより)しばらくPCなしの生活
が2年ほどつづき、今はAとコンタクトがとれなく
なってしまった。元気かな?

田舎はいい

2005-03-30 11:07:29 | イワシクラ
 犬も猫もおおっぴらに飼える。
せんたくものもふとんも干せる。
庭もある。

 夢のようなくらしだった。

 それまでの仙川の20号線沿いの古びたアパートに7年間
夫と住んでいた。
 夜どうし続く車の洪水の音。
窓も開けれず、夫はそこで、喘息を発病してしまった。

 土のにおい。
人は土の上を歩かなければならない。
コンクリートではなく。

 緑のにおい。
気持ちが落ち着く。
 人は緑を取り入れて、生活しなければならない。

 はじめて握るくわ。
近所の人にじゃがいもの植え方を教わる。

 こまつな、ちんげんさい、サニーレタス、リーフレタス
トマト、すいか、さつまいも、ねぎ、そしてハーブetc.

 はじめての収穫
おいしい。味のする野菜。

 土に植えれば、ちゃんと育つ。
土はうらぎらない。

田舎に帰ろう

2005-03-29 12:55:54 | イワシクラ
 そうこうしているうちに、夫が犬を拾ってしまった。
その犬がどんどん大きくなる。
ドンという名前をつけた。
ちょっとドンくさかったし。

 アパートの一室で。
もらってくれる人はいなかった。
当然ご近所様の目が気になる。

 近所の目を気にしながら、夜散歩につれって行っても、
仔犬のパワーは、すごい。
 会社から帰宅すると、部屋の中は、ぐちゃぐちゃ。

 私は、胃潰瘍になるし、ノイローゼ寸前だった。

 「鴨川に帰ろう」
  
 私の母方の祖父母宅は、皆亡くなってしまった。
庭が広く、そこで畑もつくれる。

 当時の私の勢いに引きずられ、生まれも育ちも東京の夫と
1988年1月鴨川に移住した。

 その日のことは忘れない。
引越しの終わった深夜、星がすごく近く感じた。
東京では見れない光景だ。


からだにいいものをもとめて

2005-03-28 09:39:43 | イワシクラ
 無国籍料理店 イワシクラを始めてもう15年になる。

 その前(17年前)は、東京仙川に住んでいて、そのころ
食に不安を感じていた。

 何を食べたらいいのか
 何を買ったらいいのか

 パソコンもなかったので、情報も少なかった。

 近所に無農薬野菜を置いている店がオープンしたので、
そこで野菜を買っていたが、ぐたっとしている野菜に
栄養があるのか疑問だった。

 自分で無農薬野菜をつくりたいな。

後書き

2005-03-27 13:01:21 | Weblog
 イワシクラと咲子の物語は、前回で終わりました。
ご愛読ありがとうございました。

  前半挿絵を描いてもらっていたのは、中2の娘M
でした。Mちゃん、長い間協力ありがとう。

 咲子がどんどん話を進めているようで、絵のほうが
追いつかず、又今の中学生は忙しいらしく、後半は
挿絵なしで終わってしまいました。

 この話は、何ちゃって小説で、主な登場人物は架空
の人物でした。

 次回からは、「からだにいいものを求めて」という
何ちゃってエッセーを書いてみたいと思います。

 引き続きご愛読お願い致します。

   2005年3月27日 クラ

最終回

2005-03-26 12:54:20 | Weblog
 ママがカレーを運んできた。
「グリーンカレーとイエローカレーでございます」
「う~ん、いいにおい。英二さんは、いつも
イエローカレーなんですか?」
「はい。イエローのことが多いです。ここのカレー
を食べた次の日は、体が軽くて調子がいいんです」
「そうですね。体にいいって感じ。明日仕事ですか?」
「はい。いつもは、仕事終わるのは遅くて、9時ごろに
なってしまう。今日は、休みをもらいました。咲子さん
は、土日が休み?」
「はい」
「自分は、毎週火曜日が休みで、別に月一回休みがとれる
ので、土曜か日曜休めたら電話します」
「じゃあ、今度会えるのは、来月ですか? 長~い」
「・・・火曜日木更津に行きますよ」
笑って小沢が言った。

 二人は、きれいにカレーを食べ干した。
「じゃあ、そろそろ帰りますか。お送りします」
小沢が言った。
二人は、席を立った。
「ありがとうございました」
ママが出てきた。
 小沢が会計を済ませた。
咲子は、そっと札を2枚渡そうとしたが、小沢は
受け取らない。
「ごちそうさまでした」
咲子は、言った。

 二人は、イワシクラを出た。
「お店に来る前に海に入っていたの?
寒くない?」
咲子が聞いた。
「大丈夫です。海見て行きますか?」
「はい」
 
 イワシクラの裏は、すぐ海だ。
波の音がすごい。
夜の海もいい。潮のにおいが強い。
遠くで船の明かりが見える。
ちょっと寒い。咲子の肩が震えた。
小沢は、上着を咲子の肩にかけた。
咲子が小沢を見上げる。
二人は、座って海を見つめていた。

(終わり)

恋の予感5

2005-03-25 13:03:12 | Weblog
 ママが料理を運んで来た。
「生ガキのハーブトマトソースでございます」
「わあ、大きなカキ」
咲子は、そう言って、カキを口にした。
「おいしい」
咲子は、言った。
「本当においしそうに食べるね」
「だって、本当においしいんだもの。こんなカキって初めて。
ソースが微妙なアジで。ハーブが入っているからですよね」
「こういう人には食べさせがいがあるね」
小沢はうれしそうに言った。
「英二さん、ご兄弟は?」
「兄が埼玉にいます。もう子供が二人。小学校3年と1年の女の子がいます。
早く結婚したんで」
「お兄さんおいくつ?」
「30です」
―私より下か・・・
「私にも兄がいます。長野の両親と一緒に住んでいて、男の子が3人います。
小2と5才と3才。すっごく元気なの」

咲子は、ローズマリー酒を飲み干して聞いた。
「英二さんってすごくすてきじゃないですか。今まで彼女とかいないわけ
ないど思うけど」
「10代のころつきあっていた子がすごく奔放で・・・
自分の友人と結婚しちゃってから、それからだめでした」
―まずい話題ばかり。
咲子は後悔した。

恋の予感4

2005-03-24 08:33:30 | Weblog
 ガラッ
大きな音がして扉が開いた。
―小沢だ。
カウンターに座っている咲子のそばに急いで来た。
「遅れてすみません」
呼吸が荒い。走ってきたのだろう。
髪が濡れていた。海に入っていたのだろう。
「いいえ」
咲子は言った。
「こんばんは。奥の席にどうぞ」
ママに促されて、席を移った。
小沢は水を一気に飲み干した。
「何にしますか?」
小沢が聞いた。
「あ、まだ決めていないの。私も本当に来たばかりで」
咲子は笑って答えた。
「あ、本日のおすすめ。生ガキのハーブソース、
どうです?」
「いいですね」

 ママが来た。
「生ガキと、イエローカレーと、ミント&ローズマリーブレンドテイー
お願いします。咲子さんは?」
「グリーンカレーとローズマリー酒で」
ママが行ってしまった。

 「今日はお茶ですか?」
咲子が聞いた。
「はい。今日は木更津までお送りしますから」
「え・・・ ありがとう」
飲み物が運ばれて来た。
 咲子は、ローズマリー酒を一口飲むと小沢に聞いた。
「どうして私を?
村野さん、かわいいのに」
「自分は、やせた女の人あまり好きじゃないんです。
咲子さん、本当においしそうに食べているから。
見ていて気持ちいいくらい。それだけじゃないんですけど。
理由なんてない。もっと一緒にいたい人だなと思って」
「ありがとう」

恋の予感3

2005-03-23 08:43:38 | Weblog
 それからの一週間のたつのが長いこと。
会社でもつい鼻歌が出て、上司から怪訝な顔をされた。

―なんか、いつもと同じ風景が違って見える。
この町もこんなにきれいな空だったの。
これが恋なのかな・・・

 約束の時間にイワシクラに着いた。
重い電車の扉を開けた。
「いらっしゃいませ。こんばんは」
「こんばんは」

 今日はイワシクラもいつもと違う。
ジョンレノンの曲が流れている。
小沢はまだ来ていなかった。
咲子はカウンターに座った。
「なつかしい曲ですね」
「ええ、12月っていうとジョンが亡くなった月でしょ。
聴きたくなるのよね。あ、ごめん、暗いかな?」
「いえ、私も好きです。ジョンの歌」

 Love is feel
Feel is love

・・・何か初めてわかったような気がする。
 

恋の予感2

2005-03-22 00:06:43 | Weblog
 携帯が鳴った。
「はい」
「イワシクラです。皆さんに連絡していたので、遅くなって
ごめんなさい。小沢くんも咲ちゃんのこと気に入ったみたい。
また会いたいって」
「え~本当ですか? 村野さんは?」
「由紀ちゃんは、どちらともお付き合いしたくないそうで。
咲ちゃんとはまたお食事したいって」
「わー うれしい!」
「今度の土曜日の6時に小沢君イワシクラで待っているって」
「はい。行きます! ママ、ありがとうございました」
携帯を切った。
「きゃ~ うれしい!
もう一杯飲んじゃおうかな」
咲子がお酒をつくっていると、ミイシャが目で言っている。
―また気持ち悪くニャリますよ。アニャシは、知りませんニャン。