イワシクラ物語

食べて治す薬膳弁当始めました!
My猫物語はアセラブログに移転しました。

お見合いパーテイ3

2005-02-28 23:48:16 | Weblog
 ママが飲み物を運んできた。
それぞれのグラスを持って、小沢がグラスを上げて言った。
「じゃあ、新しい出会いに・・・」
「乾杯!」皆が続けて言った。
「キウイおいしいですか?」咲子は由紀に尋ねた。
「ええ、甘くて。お庭で作っているキウイですって」由紀は、グラスを咲子
の前に置いた。咲子は、ちょっと飲んでみた。
「おいしい!」
「カーのお酒もおいしいですよ」小沢が言った。
「じゃあ、おかわりは、カーを頂こうかしら。皆さんは、鴨川なんですか?」
咲子が尋ねた。
皆うなづいた。
「いいなー 私も引っ越そうかしら」と咲子。
「いいですよ。ぼくは、前埼玉だったけど、休みの度に鴨川に通ってたんです。
それでついいに引越しちゃった」と小沢。
「村野さんのご実家は?」咲子が聞いた。
「北海道の根室です。亀田の看護学校に入る為に鴨川に来て、それからずっと
鴨川です」由紀が答えた。
「遠いですね。あまり帰れないでしょ」
「ええ」と由紀。
「私は、長野から東京に出てきて、転々として今は、木更津です。
都会は、合わないみたい。橋本さんは?」
「私は、実家は、大原ですけど、やはり鴨川が好きで。住みやすいですからね。
田舎だけど交通の便もいいし・・・」
 
 ママがいいにおいと共に料理を運んできた。
「ポークサテとシシカバブでございます」
たまらなくいいにおいの串焼きだ。
「シシカバブ、超おいしい!」咲子が言った。
次のお皿が来た。
「コフタとサテでございます」
―皆味が違う。

お見合いパーテイ2

2005-02-19 00:26:44 | Weblog
 咲子は、言った。
「あの~ 私いつも一人で来て、トムヤム鍋食べたことがないんです。
皆さんで食べませんか?」
「ああ、いいよ。私もいつも一人で来るから。
でも鍋食べちゃうけど」
橋本が言った。
他のふたりもうなづいていた。
「他に食べたいものありますか?
山谷さん、このさいだから、何でも言って。
うちらは、近いからいつでも来れるから。
皆でシェアしましょう」
小沢は、笑って言った。
 「うれしい!じゃあ、まだ食べていないビーフンとチーズリゾット」
橋本が言った。
「ポークサテとシシカバブもおいしいんだよ」
小沢が言った。
「サテとコフタも頼んじゃおう。村野さんは?」
「私は、グリーンカレーが」
皆うなづいていた。
「そうですね。グリーンカレーが一番おいしかった」
咲子が言った。
「あと、ハーブパンもいいね」
橋本が言った。

 ママが来た。
「お決まりですか?」
橋本が言った。
「じゃあ、トムヤム鍋とポークサテ、シシカバブ、コフタとサテを
4本ずつとビーフンとチーズリゾット、ハーブバンとグリーンカレー
と・・・バドワイザー」
「私は、ローズマリー酒」と咲子。
「私は、自家製キウイフルーツ酒」と由紀。
「カーのお酒」と小沢。
「カーって?」咲子が聞いた。
「カレーに入っているタイ国産のしょうがをつけたお酒です」

お見合いパーテイ

2005-02-10 16:25:45 | Weblog
 約束の日、イワシクラに着いた。
重い電車の扉を開けると、カレーのおいしそうなにおいがした。
今日も不思議な音楽がかかっている。この前の絵画展は終わっていた。
 「こんばんは。いらっしゃいませ。
皆さんおそろいですよ」
奥の大きなテーブルに案内された。
 「こちらは、山谷咲子さん。木更津から来てくれました」
「山谷です。よろしく」
「こちらは、村野由紀さん。看護師さんです」
「村野と申します」
―小柄で色白でかわいい人だ。
「こちらは、小沢英二さん。サーフィンが好きで、鴨川に移住しました」
「小沢です。よろしく」
陽に焼けて真っ黒で笑った顔に歯が白く光った。
―なかなかの好青年だ。
咲子の胸が鳴った。
「こちらは、橋本健一さん。高校の先生です」
「橋本です」
―がっちりした体格の人だ。
「じゃあ、オーダー決まったら呼んでください」
ママは、そう言って厨房へ行った。