先日住職の仲間と忘年会で『しんごろう』を食べました。今シーズン最初です。じゅうねん味噌が香ばしくて美味しい『しんごろう』でした。
『しんごろう』は田島の郷土料理です。
昔、貧乏でお正月餅をつくことができなかった新五郎と言う孝行息子が、うるち米を炊き半分ついて(この辺では半殺しと言う)丸め串に刺し、じゅうねん(えごま)味噌を付けて焼いて食べたら、それが大変美味しかったので村中で広まり『しんごろう』と言う名前で田島の郷土料理になったものです。
新米が出来ると、どこの家でもしんごろうを作りました。「雪道としんごろうは後ほど言い。」とよく祖父が言っていました。雪道は、後で歩くと先の人達が踏みしめて歩きやすくなる。しんごろうも急いで食べると良く焼けていないことがあるけど、時間をかけてゆっくり焼いた物の方が温かくて香ばしくて美味しいのです。私たちにとっては最高のご馳走で、新米が出来るのを首を長ーくして待っていたものです。
『しんごろう』には、大根、人参、じゃが芋、ねぎ、豆腐などと一緒に鯨の肉を煮込んだ『くじら汁』が付き物でした。これもとても美味しかったのですが、今は鯨肉は捕獲量が決められおり、高級品でお店でもあまりお目にかからなくなりました。
囲炉裏に串に刺された『しんごろう』、吊るされた鉤づるしに吊るされた『鯨汁』、叔父が婚約者を連れて初めて我が家に来た時、母は張り切って『しんごろう』を作ったのですが、「これ鳥の餌でしょう。色も黒いし」と手を伸ばしませんでした。今でこそ『えごま』は栄養豊富な食品として市民権を得ていますが、その頃の若い彼女にとっては鳥の餌を塗った黒い変な食べ物だったのでしょうね。『しんごろう』を食べるたび彼女のびっくりした顔を思い出します。
『しんごろう』は田島の郷土料理です。
昔、貧乏でお正月餅をつくことができなかった新五郎と言う孝行息子が、うるち米を炊き半分ついて(この辺では半殺しと言う)丸め串に刺し、じゅうねん(えごま)味噌を付けて焼いて食べたら、それが大変美味しかったので村中で広まり『しんごろう』と言う名前で田島の郷土料理になったものです。
新米が出来ると、どこの家でもしんごろうを作りました。「雪道としんごろうは後ほど言い。」とよく祖父が言っていました。雪道は、後で歩くと先の人達が踏みしめて歩きやすくなる。しんごろうも急いで食べると良く焼けていないことがあるけど、時間をかけてゆっくり焼いた物の方が温かくて香ばしくて美味しいのです。私たちにとっては最高のご馳走で、新米が出来るのを首を長ーくして待っていたものです。
『しんごろう』には、大根、人参、じゃが芋、ねぎ、豆腐などと一緒に鯨の肉を煮込んだ『くじら汁』が付き物でした。これもとても美味しかったのですが、今は鯨肉は捕獲量が決められおり、高級品でお店でもあまりお目にかからなくなりました。
囲炉裏に串に刺された『しんごろう』、吊るされた鉤づるしに吊るされた『鯨汁』、叔父が婚約者を連れて初めて我が家に来た時、母は張り切って『しんごろう』を作ったのですが、「これ鳥の餌でしょう。色も黒いし」と手を伸ばしませんでした。今でこそ『えごま』は栄養豊富な食品として市民権を得ていますが、その頃の若い彼女にとっては鳥の餌を塗った黒い変な食べ物だったのでしょうね。『しんごろう』を食べるたび彼女のびっくりした顔を思い出します。