Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

規制で人件費は増やせない

2009-06-01 10:39:53 | 人事
知人の会社が、派遣社員300人カットして、親会社から中高年正社員を受け入れる
らしい。人件費は大幅に上がってしまうため、新卒採用も凍結するそうだ。
本社の決定だが、もちろん労組も全面的に支持している。
というより労使で一緒に決めたことだ。

なにはともあれ、これで赤字ラインの中高年正社員さまの生活は守られたわけだ。
「労働者の生活を守れ」と叫ぶ人たちのいう労働者とは正社員のことなので、
基本的に学生や派遣さんは含まれていない。

さて、ここから見えてくるものは2点。
・連合のいう連帯など、しょせんはカムフラージュに過ぎないということ。
電話相談窓口くらいは作ってくれるが、裏ではこういうことを普通にやっているわけだ。
まあ好意的に解釈するなら。
「(我々正社員の)雇用を守るために(あなたがたを犠牲にして)連帯しましょう!」
という具合か。

自称“貧困活動家”の中には、さかんに連合との連帯ぶりをアピールする人間がいるが
いい加減プロパガンダに協力するのはやめろと言いたい。
金儲けしたいならよそでしろ。

・結局、人件費と言うのはサジ加減でどうこうなるものではなく、誰かを
守るために規制をかければ、別の誰かが切られるだけだということ。

じゃあ誰も切られないように規制でがんじがらめにすれば…正社員の残業が増え、
工場の海外移転が進むだけだろう。

一番いいのは、両者の間で公平な競争をすること。そうすれば年齢・学歴・性別に関わらず
結果の出せる人間が評価され、結果的に分配されるパイが増えるだろう。

そういう競争を避けて、上辺だけの安定と平和を取り繕うだけでは、上辺の世界は
どんどん縮小し、底辺は拡大をし続ける。非正規雇用比率が過半数を超えた韓国が典型だ。

論者によっては「持たざるものが過半数を超えれば、ほっておいても流動化は始まる」
という人もいるのだが、韓国の事例があるので、僕はあまりのれない。
とにかく、持たざるものに構造的矛盾を理解させることが何より重要なのだろう。

新聞社も、こういう構造的問題を取り上げると反響は大きいだろうに。
取材したいならうちに連絡してくるといい。窓口くらいは紹介するから。

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19 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
前職がまさにそうでした (松本孝行)
2009-06-01 11:22:02
前職がまさにそういった中高年が天下りしてくる子会社でした。しかし不思議なことに、こういう子会社に限って待遇がそこそこいいのであまり不満が噴出しないのです。私も待遇面の不公平よりも、自分たちの仕事を邪魔する保守的な態度に不満はありましたが。

親会社の天下りが子会社をダメにするという本があって「まさにその通り!」と思い、購入して読みましたが世間はそれほど大きな問題と捉えていないようで、対して売れずに終わったみたいです。

ちなみに前職では、50代中盤の管理職が2000万円近い給与をもらっていました。もう一つちなみに私は基本給20万円でした。派遣のときのほうが給与が10万円ほど高かったなぁ…
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Unknown (通りすがり)
2009-06-01 12:26:02
その理屈は中途半端に規制を掛けるからそうなる訳ですね。
移転、雇用全てになりふり構わず中国並のガチガチの規制を掛ければそうはならない。
最も日本としては、それをいかに税制・非関税障壁・技術裁判・金融駆使して穏やかに見せる配慮が必要でしょうが

企業に正義は無い。ただ企業は利潤を追求する存在。それを国益に結び付ける仕組みを作るのは政治の仕事です。
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Unknown (ZG)
2009-06-01 13:20:08
大手製鉄会社が九州だかに作ったレジャーランドが有名でしたよね、まあ、官僚が作る物よりは、表にでるだけマシではありますが。そう言えば、大手製鉄会社の組合委員長(書記長?)が勲章を戴いて居りましたね。
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無責任 (kenji)
2009-06-01 14:03:14
 年金の改革と言うが、それをもらうほうの人々が払うほうの人々に、なんら対抗策をとることができない。
たとえば脱退ができるとか、もらう方式を選択できるとか、いろいろあるが、その仕組みを見ると全員を地獄までつれていくと言うことで、大東戦争時の玉砕戦法を思いおこさせる。
 わが国社会は倒産という救いができない世界へとなりつつある。わが国だけならその芝居もできるが、外国があるから、其れはできない。何故このことが分からないだろう。その外国のおかげで、わが国の仕組みが維持されているから、奇妙な矛盾である。
 正社員が他の国民と一緒に心中ならいいが、心中するのではなく、踏み台にする。
若い人は知らないかもしれないが、その昔山本五十六と言う軍人がいて、亜米利加との戦争で、いわゆる真珠湾作戦を考案して (これは考えたうちにはいらない、ただの怠け者の行動) 実行した。実行をしたがその後のことをまったく考えていなかった。其れと同じである。
 我々は多分大東亜戦争と同じ展開を見ることになるだろう。
あの時は、亜米利加と和平をすると、軍人の首切りをしなければならなかった。軍人は公務員である。
今回も同じである。国内は公務員の人件費を半分(多分20兆だと思う)にして、その分減税すれば、物事はすすむのではないか。
 経済が崩壊すれば正社員も何もないと私は思うが、日立やパイオニアへの資金提供をやめよ。日本航空に提供するのもやめよ。それをしないと、全体がお陀仏になる。近く来るのではないか。

 
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Unknown (若者正社員)
2009-06-01 17:30:06
労働組合の緩和なんて無理だろう。
世代別にみると、中年世代が一番人数がおおいので、
中年世代を怒らせると、選挙に勝てなくなるから。
労働組合の緩和なんて絶対にできないと思います。
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もうひとつのモリタク論 (JJ@ボボ)
2009-06-01 18:14:48
http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/e/cac13d75e34c08b0888b7c4c496f83f9
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Unknown (めるめる500☆)
2009-06-01 19:57:14
>・結局、人件費と言うのはサジ加減でどうこうなるものではなく、誰かを
>守るために規制をかければ、別の誰かが切られるだけだということ。

“貧困活動家”に関しては、彼らのうちの少なからずの部分は“貧困
ビジネス”業者みたいなものだと思うのでかまわないと思いますが
(彼らにも資本主義下での営業の自由というのがあるわけですから)、
政治家がこのことに真摯に向き合おうとしないのがどうもイヤというか、
政治不信につながっていると思います。
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政治不信 ()
2009-06-01 20:23:46
>政治家がこのことに真摯に向き合おうとしないのがどうもイヤというか、
政治不信につながっていると思います。

これは本当にそう。
なんだかんだいって貧困ビジネス家はビジネスはしているわけで、それで助かる人もいる。問題なのはまったく関心もプランもないくせに便乗してくる政治家でしょう。こういう手合いはバラマキ以外になんの能も持たないから始末が悪い。
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Unknown (AC)
2009-06-01 22:54:56
>前職がまさにそういった中高年が天下りしてくる子会社でした。しかし不思議なことに、こういう子会社に限って待遇がそこそこいいのであまり不満が噴出しないのです。

それはいわば独裁国家における軍隊みたいなものでしょう。天下りを受け入れさせる代わりに、甘い汁を吸わせているのです。もちろんその甘い汁は天下り本人が吸う汁の甘さには遠く及ばないのですけどね。

独裁者とその家族:超お金持ち
政府のお偉いさんや独裁者の側近:かなりの金持ち
軍部や親衛隊:まあまあ高待遇。
善良な国民:ド貧乏。

国民の不満が高まると、軍部はそれを鎮圧するために動きます。かれらの好待遇は、いわば政府の犬として魂を売り渡した対価です。もちろん彼らの待遇を支えるための原資は、善良な国民への重税によって賄われるのです。

これこそ「日本が世界で最も成功した社会主義国家」と言われる由縁ですね。

PS.
Doblogがさっそく閲覧さえできない状態になったようです。さすがにほんいちのNTTデータの技術力だけのことはありますね。
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Unknown (Unknown)
2009-06-02 00:40:12
>世代別にみると、中年世代が一番人数がおおいので、
>中年世代を怒らせると、選挙に勝てなくなるから。
何がいいたいのか分からないけど、
一番人数が多い層がまさに就職氷河期でワリを食った世代、マスゴミ用語でいう「ロストジェネレーション」ですよ。

本気で労働組合から甘い汁が吸えるのは、せいぜい40~50代以上の、しかも大企業正社員だけでしょう。それ以外の大多数の労働者にとっては労働組合などもはや味方ではないと思います。
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