就活って何だ―人事部長から学生へ (文春新書)森 健文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
JR東日本から電通まで、大手15社の人事部長たちのインタビューが脈絡なく続く。
最後のあとがき的部分以外は、ほぼ全編そんな調子で、各社の比較も分析もまったく
入っていない。一見すると、すごく“不親切”な作りである。
が、これが結果的に、非常に中身を濃くしている。
人事部長たちは各社ではなく各人として、それぞれの就職活動へのスタンスを語る。
一次面接から最終面接までの流れや、評価ポイントなどはもちろん、就職とは
なんであるかという根源的なテーマに触れる人もいる。
当初は会社のパンフレット並みにチープな内容を危惧していたが、その点は杞憂
だった。これは恐らく、著者がある程度の分量のインタビューをした上で
会社を背負った部分をカットし、その他の点はできるだけ生のまま残したのだろう。
結果、生の就職活動観だけがうまい具合に残されている。
ふと、想田和弘監督のドキュメンタリーを見ているような気分になった。
採用活動というのは、とてもアナログな世界で、面接担当者の職人的な感性に依存
している。僕の知る限り、厳格な基準を作って、各担当者で共有しているような会社は
ない。結局、人を評価するということは、どこまでいってもアナログな世界なのだろう。
そういうアナログな空気を、本書は見事にとらえている。
本書の人事部長たちは好き勝手なことをしゃべっているが、
ほぼ全員が「マニュアル人間は評価しない」という点で一致している
のも興味深い。
こういう世界をデジタルで理解しようとするマニュアル本は、全体的に表層的であり、
必ずどこかにムリがあるものだ。
あえて難点を言えば、「上手くまとまりすぎている」点だろう。
どんな大企業でも、価値観の過渡期にあることは間違いない。そういうジリジリとした
焦りのようなものが、誰の言葉からも感じられない点はちょっと残念ではある。
本書一冊だけ読んでしまうと、「日本企業は順風満帆であり、日本型雇用は今後も安泰」
と勘違いしてしまう人もいるかもしれない。
ともあれ、これから大企業に入りたいという人なら、評価する側がなにを考えている
のか知っておいて損はないはず。本書はそのためにもっとも有益な一冊だ。
>採用活動というのは、とてもアナログな世界で、面接担当者の職人的な感性に依存
>している。
新政権の雇用対策からウソ臭さが取れないのも、この辺にあると思います。
言っているのは「新産業」「構造転換」とかばっかりで、このあたりに突っ込
めていない。
ついでにいえば、派遣規制は明らかにマイナスですね。派遣は「期限」「技能」
「職種」「費用」を重視するデジタルな面が大きいと思いますが、規制に
よってデジタル重視の採用ルートが非常に狭くなってしまうんですから。
東京や愛知在住なら何度も面接に行くといっても交通費などたかが知れていますが、
地方の求職者へのマイナスは計り知れないでしょう。
城さんはこのブログで度々、体育会系的な従順マニュアル人間は今や評価されない旨述べられていますが、私の実感では180度逆で、今でもこの風土はますます根強いです。城さんは城さんの私には私のソースがあるのだと思うのでどちらが間違いだとは言えないですが。
「うちはマニュアル人間はいらない」と「うちは上の言うことを素直に聞くマニュアル人間が欲しい」とどちらが<聞こえがいいか>というと断然前者で、多くの企業が企業イメージを損なわないためにわざとウソをついていると私は思っています。
後城先生の過去のブログで一橋大の齊藤誠先生について触れてありますが、どのような考えの方なのでしょうか。もし差し支えなければ教えていただけないでしょうか。以前週刊ダイヤモンドで齊藤先生のレポートを拝見して感動しました。
ありもしない公平さをを棄てる事である。
会社は指定校制度を表に出せば其れでお仕舞い。
あの頃は、自己分析がキーワードで何かと自分の過去と企業とを感動的なエピソードで結び付ける、のが好まれていた気がします(私見)。
ただ、やはり面接官の裁量によるところが大きくて、向こうが興味を持たなければお終いなんですよね。
面接で落とす=あなたとは一緒に働きたくない、と言われたようで書類で落とされるより凹みましたね。。
性格診断でよく使われるSPIXなどはどれぐらい参考にしてるんでしょうか。客観と主観のバランスを教えてほしいものです。
そりゃ、大手の面接試験に残れる人は「履歴書がきれいな新卒学生」という、生まれてずっと進学というマニュアルに唯々諾々と従って来た人ばかりだもん。
そして、「マニュアル人間を採用しない」というのも人事のマニュアル。
>一橋大の齊藤誠先生について
いたって普通のマクロ経済学の先生だと思う。ただ、他の先生方と違ってかなり行動的で、「教授の定年延長は若手の芽を摘むから反対」などと主張されている。
所謂、難関企業と呼ばれているところに内定を
貰ったり、一人で何社も内定を貰っている人は
常に明るく学生生活を楽しんでいていつもリーダー役の人が殆んどだったです。
逆に中々内定が貰えない人はいつも人の後ろにくっついて何となく仲間内に居るような人や真面目に授業を
出ているのだけど普段は何をやっているのかよく分からないような人が多かったです。自分から見てあまり
友達になりたくない人ですね。
私の仲の良かった友人でその人は高校中退して大検で
20歳(2浪扱い)の時に大学に入学して就職にはハンデだらけなのに旧財閥系総合商社に内定を貰いましたがその友人はいつもリーダー役で積極的に色々な人と飲み会をセッティングしたり
サークルやゼミで活躍していました。文系就職の場合は大学生活を楽しむことが一番の就職へのアピールだと思います。学歴だけが生きがいの人は就職は難しいと思います。(東大や一橋大の学生になるとその辺の事情は私大よりは変わると思いますが)
理系になると成績が物を言うので地味で目立たく真面目だけが取りえの学生でも就職は報われますので就活は大学受験の延長にあるでしょうね