日本庭園こぼれ話

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八芳園・・・東京港区(改編)

2022-05-24 | 日本庭園

米国バイデン大統領と岸田首相の会談で話題になった、大手の結婚式場「八芳園」は、東京港区、地下鉄南北線・白金台駅のそばにあります。

(上: 重厚な門構え)

ここは江戸時代初期には、かの有名な、大久保彦左衛門の屋敷があったと伝わる土地。大久保彦左衛門は、徳川家康の側近の一人で、「天下のご意見番」として知られ、物語の中では、威勢のいい魚屋・一心太助と名コンビを組み・・・と書いても、若い人には「誰それ?」と言われそうですが・・・。

そういえば、昔は時代劇の重要なキャラクターだった一心太助も、近頃、お目にかからなくなりましたね。

 話が横道にそれてしまいましたが、今につながる八芳園の土地は、明治の末、実業家・渋沢喜作が、隠居所を構えるために入手したもので、その後、大正4年(1915)、日立製作所の創設者である久原房之助が購入。周辺の土地を買い足して、敷地を12,000坪にまで拡張し、自然の地形を生かした大庭園を整備したということ。

さらに戦後は、割烹、旅館、飲食店を大きく展開していた長谷敏司の所有となり、昭和25年に、「八芳園」の誕生となります。

こうした歴史を経た「八芳園庭園」は、久原房之助がこだわった「自然のまま」を基本理念としたもの。

 

 

 

 

 

 

 

(上: 芝生広場の園路を飾る見事な盆栽)

白金台の丘陵と小川の跡を利用してつくられたという庭園は、上段は明るい芝生広場。斜面はサツキやツツジの大刈込みで覆われ、底部には緑に囲まれた池があります。

(上: 大刈込み越しに池を見る)

(上: 「自然のまま」の理念を受け継ぐ庭園)

(上・下: 池に注ぐ流れ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(上・下: 風流な池畔の四阿)

池まで下ってくると、そこが華やかな結婚式場であることを忘れてしまうほどで、ひっそりと風情豊か。池に映る樹木の影が美しく、優雅に水上をすべる水鳥を眺めながら、四阿で休息、といった散策の終わりでした。

* 八芳園は「庭園のみの見学はご遠慮ください」とのことでした。レストランなどをご利用の上、拝観してください。(情報が古いので、拝観の際はご確認ください)

 


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