北にいる時は
毎日強い風が吹いていたから
いつも身体に力が入っていた
滋賀県に来ると久しぶりの無風
身体が
慣れなくて困っている
朝起きたらどしゃ降り
私たちはお互いに新しいレインコートを着て
今日の支度をする
私はこれから
福島から救助された犬と
ブリーダー崩壊による行き場のなくなった犬の
面倒をみているエンゼルズに
初めてのボランティアをさせてもらいに行く
2012/5/15 9時20分
犬猫シェルター(避難所)エンゼルズがあるところはこんな町
滋賀県高野市今津町
着いた
モモは車内待機
快適に待てるところに車を停めたい
私は足先が麻痺しているから苦手なのだけど
ここではスリッパを履かないわけにはいかない
あ~ドキドキする
私が役に立って喜んでもらいたい
リビングに案内された
メンバーが集まってくる
代表の林さんは代表と呼ばれている
統括と呼ばれている林さんの奥さん
DJと呼ばれている東京から来たボランティアの男性
スタッフの若い女性が二人
ボランティアの山城さんは私に仕事を分けて下さった女性
計6名と私
ボランティアの山城さんとスタッフになっている娘さんは
福島のいわき市から避難してきた
二人は住み込みで
ご自身の部屋で黒ラブと小さい犬を飼っている
「相性が合わないのでここには連れてこないんです」
リビングには
沢山の犬が それも多犬種がいる
そんな中での私は
「お邪魔します」のかたまり(笑)
福島に犬猫を助けに行った写真が飾ってある
上はつながれたまま亡くなった犬の首輪を外しているところ
中は壊れた道路
下は助けられた笑顔
代表の林さんが来られたのでご挨拶
私はちょっと緊張しているのだが
快く話して下さった
「福島では地震のあとすぐに入ったんですよ」
道が壊れていたでしょう(私)
「そう迂回迂回しながら入った
最初の1週間に沢山連れて帰ったよ
2週間目は立ち入り禁止になった」
つないである犬は連れて帰れないって本当ですか?
「自衛隊が離していたよ」
そうですか~良かった
「ガソリンを買うのに何キロも並んでいるの
5リットルしか売って貰えないんだよ
だから新潟まで行って満タンにして又行くんだ
行ってるとき何かがボーンと爆発したんだ
白い煙が上がるのを見たよ
車がどんどん行くから僕らもついて走った
そうしたら
それは原子力発電所に行く車だったんだ
僕らはびっくりして門を入ってUターンして逃げた
神戸の地震の時も僕らは直ぐに行った
ひろしまドッグぱーくにも助けに行ったよ
エンジェルズはここが本部だが
大阪にもあり
東京にも出来るかもしれないということだった
私はエンジェルズのホームページを見て
ボランティアの申し込みをした
担当の西村さんという方が
直ぐに携帯メールに返事をくださり
又、旅先からいつ行きたいという内容のメールを送ると
あたたかな文章できちんと案内をして下さった
心強くて
お蔭様でした
しかし西村さんはボランティア受付係で
そこにはおられなかった
分野が分かれているのだ
代表に
アトリエの子供たちが寄付をした話をしたが
やはり分野が分かれているらしく
よくわからない様子
残念!
「届きましたありがとう」というような
お便りをいただくのは難しいのでしょうか・・・ね
この記事に続いて
生徒たちが書いた
「犬と猫をよろしくお願いしますの言葉」を
ブログに載せたいと思います
子どもたちのメッセージを見てやってください
代表の話はつづく
「僕は小学校にも頼まれて講演に行くんだよ
話をする前の作文と話をした後の作文は全然違うよ 涙が出るよ」
子供たちに未来を託す努力をしている点で
一致したのが嬉しかった
代表は事務室のパソコンの前へ
その他の皆さんは外の犬舎に移動
ボランティア開始
私はボランティアの山城さんに
金魚のフンのようについて歩き
2階の猫部屋へ行った
猫部屋の床の掃除や廊下と階段を拭いた
この方がお世話になった山城さん
ここに来て動くので10㎏やせたそうです
隣にある猫の赤ちゃん部屋は
軽く暖房が入っていた
敷物の下には動物用の電気コンロがあり
空間のすべてが赤ちゃんの空気
「ひざが暖かいので乗ってくるんです」
おしっこシートの交換
床の掃除と餌やり
餌は子猫に一つずつ茶碗をあげて
それぞれの子がどのくらい食べたかを観察する
廊下側のドアに簡単な鍵があるのは
鍵が開いていると中に人がいるというサイン
猫が外に出ないように
気をつけるための約束です
そいえばアトリエで寄付を送る時
エンジェルズのホームページを見たら
猫シェルターを作るから寄付をお願いします
と書いてあった
ここが出来たんですね~
次のエリアに行く
モモは私が初めて飼う犬なので
育てながら試行錯誤の連続だった
だからこのような専門施設の設備では
なるほど~の連続
参考になるし
考え方を見せてもらうのが
すごく面白い
犬の茶碗
散歩のときに使うリード
洗濯物
外のいろんな所にも犬小屋がある
ウンチがついているとハエがきて不潔になるので
犬舎の洗浄は毎日
「天気が良ければ庭で犬が走り回っているんだよ」と
代表が言っていた
いよいよ犬舎に入るとき
何か気を付けることはありませんか?と聞いた
「首に赤い紐がついている犬は嚙むので近付かないでください」
「この子はペロペロなめますよ」
作業している人は
ちょっとした合間に犬とのコミュニケーションをとっている
正面がシャンプーをしたり餌を用意するところ
ここは小さな犬のエリア
犬舎を洗い水路も磨き終えたところに私は入った
犬それぞれに量があるので
餌を用意した人と
配る人が犬の名前を確認しながら配っていた
このプレハブには被災犬が集まっている
柴犬系統が多いのがほほえましい
犬に名前をつけるのはDJさんの役目らしい
この人も代表と統括さんと一緒に福島に行った人
昼休みにモモを見に行った
雨で良かった
涼しく車の中で寝ている
犬たちがおすそ分けをしてくれる人にまとわりついている
リビングに戻ると食事が始まっていた
みなさんは手作り弁当とインスタントものを
組み合わせて食べている
ボランティアの山城さんが
買ってきた私の弁当を温めてくれた
特に私に気を使う人もなく
無駄にしゃべる人がいなくて助かった
たくさんの人がボランティアに来るだろうから
人に対していろんな思いをしてこられたのだろうな
などとひとり納得
ここでは全員がたばこを吸うので驚いた
今では珍しい風景に
昔の学生時代が
そのままここにあるみたいな錯覚
みなさんは疲れておられるんですね~
みなさんに具だくさんのお味噌汁を作ってあげたり
おいしいお茶を入れてあげたいな
ここでは
誰かが誰かにお茶を入れてあげるというような
習慣はない様子
すごいわ!
丸一日徹底的に犬との暮らし
それにこのリビングには
代表の家のゴールデンと
DJさんが東京から連れてきた2匹のゴールデンも
含まれている
話題は
世話をしている犬の
あの子がどうだとかこの子がこんな様子だという
犬の情報交換
みなさんは低い声でとぎれとぎれに話す
すべての犬に避妊去勢ワクチン狂犬病の予防注射フロントラインをするのですか?
と話に割りこんだら
統括と呼ばれている奥さんが静かにうなずいた
自分の犬に費用と手間がかかるのを知っているから
このことだけでも
200頭の世話をしている重みがわかる
驚いたことは
午後からも午前と同じ作業をする
大きい犬は犬舎も迫力がある
統括さん(代表の奥さん)は痩せた方なのに
率先して働いている
午前も午後も
すごく大きい犬の皮膚病の手当てをしていた
雨でも犬を外に出しておしっこやウンチをさせるための
広い場所がある
敷物を整える
午前の犬舎洗いに変わり
午後は犬の散歩タイムらしい
「今日は散歩がないので楽なんです」と言われたが
本当のところ私はもう力尽きていた
ここは倉庫
足りているのか様子は分からないけど
支援物資は必要
例えば予約なしでも短時間でも
ボランティアに来てもらえると
スタッフの方は助かるだろうと思った
200頭をスタッフが支えているのですからね~
みなさんの
毎日の疲れが取れることを祈ります
夕方
代表の林さんにお願いして
一緒に写真を撮ってもらう
お昼も夕方の時も
仕事を終えてリビングに戻ったら
「大変だったでしょう」
と声をかけてもらったのが本当に嬉しかった
ご夫妻は休みが取れないと言っていた
土日は東京方面からボランティアさんが来てくれるので
スタッフは休ませてもらう
しかし僕らは
ボランティアの方にご挨拶もしたいから休まない
ゴールデンウィークも休みがなかったが
若い夫婦が犬を見に来てくれたことが嬉しかった
「犬を見に来る人には何度も通ってもらう
それが出来ない人には犬を預けない
当たり前でしょう」
と代表が言った
ここがリビング
人なつこい犬たちなので
DJさんに頼んで写真を撮ってもらった
私は家に15才と13才の猫がいて11才の犬を飼っているが
いまだに動物入門の段階
動物何でも好き!というのではない
自分の家の犬猫以外に経験がないのだ
だからこの写真風景は人生の中でもめずらしい
DJさんは私のカメラを手に持ち
自分の犬に素早く小声でなにやら指示した
するとゴールデンがソファーの右端にサッと上がった
リビングの犬たちは観察を要する子らで
例えばどんなシッコをしたかなど体調の様子を見ている
足首が腫れている子がいたので
怪我をしているんですか?と聞いたら
「ブリーダーさんのところで
狭いゲージに入れられたまま放っておかれたので固まったんですよ」
すごい世界を見てきた人たちなんだな
と知り心がシーンとなる
リビングの犬と相性の悪い子は
隣の部屋で元気がよい
夕方玄関の階段に座っていると
Djさんが
グレーのブチのミニチュアダックスを抱いて入ってきた
「これから東京に連れて帰るんだ」と話しかけてくれた
1日いて話さない人なんだと思っていたから
親しく感じた
「この前代表と統括と3人で動物愛護センターへ行った
自分らは時々こうして回るんだけどこの子はその時に引き取った
この犬は飼い主に持ち込まれたんだよ」
持ち込まれた犬は
即日処分になると聞いているけど大丈夫だったんですね
と言ったら
「純血種だから貰い手があるかもしれないと思って職員の人が置いてくれたらしい
ここはワンワンうるさいでしょう
この子は家で飼われていた犬だから
ご飯が食べられなくてこんなに痩せてしまった
自分はこれから東京へ帰るから連れてって太らせて又連れてくる」
へぇ~そんなボランティアもあるんですか?
私は声を上げて驚いた
「黒のミニチュアダックスも太らせてきた犬だ」
といってリビングでみせてくれた
「救っても救いきれないから苦しい」
代表も
「救えば救うほど大変になるんですよ」と言っていた
最後にみなさんに
「お世話になりました」とお礼を言って
自分のポストカードをもらっていただいた
車に戻り
カーナビでお風呂屋さんを探したがなかなか見つからず
出発が手間取った
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「救助動物救済一覧表」には助けられた犬の顔写真が載っている
いつどこでどのように救助したかの一覧表が素晴らしいと思った
例えば郵便局のポストの横で死んだふりをしていたが凶暴
・・・などと犬の様子と救助している人の苦労が伝わる
DJ村内
DJさんは若い男性のモデルさんなので
ブログでは犬の話ばかりではありませんが
履歴の2011/3 を開くと
現場にいた人の様子を知ることが出来ます
福島に行っているところを見ていただきたいです
2012/5/16と5/17には愛護センターに行った話がある
そこには動物管理センターの現状が書かれていたり
YouTubeで処分の様子が見られるようになっている
誰もが現実の映像にきつい思いをするだろうが
やはり見た後では近くに命を感じる
私が猫シェルターの掃除をさせてもらった時の猫はここで救われていた