やねうら日記

~日常の中にある幸福

洗脳の楽園 ヤマギシ会という悲劇

2012年05月10日 | 
2012 BOOKS 11 ◆

「洗脳の楽園 ヤマギシ会という悲劇」 米本和広

またしてもカルトである。最近、この手の本ばかりを読んでしまい、心が荒む。しかし、興味深く、やめられない。


***
ヤマギシ会は宗教法人ではないが、7泊8日の特講(特別講習研鑽会)と言う洗脳を行い、全財産を提供させた上、農業、養鶏業に従事させながら「無所有社会」というユートピアを築いて共同生活を送っていく。

著者曰く、「特講により脳内回路を作り替えてしまう。新しい脳内回路の特徴は「自我の喪失」である。自我の喪失以上の快楽はない、自我がなくなれば悩む必要もなければ嘆き悲しんだり対立する必要もないからだ」

なるほど、新宗教と全く同じだ。ただ、違うのは教祖がいないこと。表だった幹部がいないこと。もちろんこれには裏があるのだろうけれど。

結局いろいろきれい事を言いながら、目指すところは「金銭を集めること」「人を支配する欲求」「フリーセックス」。どこかの新興宗教と変わらない、欲望、煩悩まみれではないか。


人間は生まれながら「何故生きるのか、何故死ぬのか」という命題を突きつけられている。その回答なき問いには宗教的なよりどころが必要なんだろうと思う。善し悪しに関わらず。
なんてたって回答がないのだから。
いつの時代も自分をしっかり持っていないと怪しげなモノ、悪意のあるモノに足下をすくわれねない。でもそれを我執というならば、仏教の教えとは反する。矛盾だなぁ。

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