火星への道

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Insightのモールがもぐり始めたようです!

2020-10-23 00:44:59 | InSight

NASAのInSightのサイトによりますと、HP3のセンサーであるモールを地表面下に完全に押し込むことが出来たということです。下図のスクープが持ち上げられたところを見るとモールは、全く見えなくなっていますね!
https://mars.nasa.gov/news/8776/nasa-insights-mole-is-out-of-sight/?site=insight
この後は、モールを周りの地面と密着させて、地面との摩擦力とモールの掘削用のハンマーの作動によって、少なくとも地表面から3m(本来は5m)の位置に設置することを目指すためにスクープを使ってモールの周りの土を固める作業をするとのことです。
この作業などで、次にモールが地下に向かって前進を開始するのは、来年の初めになるようです。
(C)NASA / JPL-Caltech

10月16日付けのDLR(ドイツ航空宇宙局:Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)の「InSightミッションログブック」では、以下の通り苦労して前進した様子が報告されています。
https://www.dlr.de/blogs/en/all-blog-posts/the-insight-mission-logbook-1144.aspx/ressort-2/
ーーーー以下拙訳--------------
8月10日の前回の日誌で、予想以上に砂をピットに押し込むことに成功したと報告してます。しかし、それでも私たちは、モールの後端を傾斜したスクープで押し続けて、地面に少し深く入れたいと思っていました。次に、スクープの助けを借りずにプローブがさらに地面に移動するかどうかを再度テストすることを計画しました。言い換えれば、「フリーモールテスト」と呼ばれるものを実行します。

残念ながら、これらのテストは、より困難になった条件下で行われてました。特に、近くの砂嵐と太陽電池への塵の沈着の結果として火星大気中の塵は、利用可能な電力を大幅に減少させました。これにより、HP3放射計は必要な測定を実行できなくなりました。さらに、減少した電力可用性の管理に関連する運用チームへの要求の高まりによって、モールとスクープが9月以降は、2週間に1回しか運用できませんでした。従って、8月22日(Sol 618)と9月5日(Sol 632)に100ストロークで2回、9月19日(Sol 645)に250ストロークで1回、合計3回のハンマー操作が実行されました。

(C)NASA / JPL-Caltech

上図は、2020年8月22日に30度傾斜したスクープで打つ様子です(Sol618)。 スクープが砂の中を移動していることがはっきりとわかります。 ケーブルの動きは、モールがスクープの下でさらに動くことも示唆しています。

(C)NASA / JPL-Caltech

上図は、2020年9月19日に30度傾斜したスクープで打つ様子です(Sol645)。スクープは、最初は更に砂の中を移動しますが、約60%の時間が経過しても動きはありません。一方、ケーブルは、モールの動きの結果として動き続けますが、ケーブルが地面の奥深くまで進んでいることをはっきりと見ることはできません。

最初の2回のハンマー打ちと、3回目のハンマー打ちの前半で、スクープがさらに砂の中に入ることがわかりました。モールはスクープの下に隠れていたため、プローブ自体の貫通を直接観察することはできませんでした。打撃中、プローブに向かって走っている平らなテザーはかなり動きましたが、これらは8月22日の打撃中の前進運動としてのみ明確に識別できました。全体として、スクープの動きから、モールが最大で1センチメートル離れて移動したと推定できました。 9月19日の250回のハンマー打撃のラウンドの後半に、おそらくduricrust(表層固結物)に遭遇したために、スクープがそれ以上進まなかったことを観察することは興味深いことでした。これは、2回目のフリーモールテストの実施を可能にしたため、確かに望ましい結果でした。実際、プローブはテザーの動きに応じて動き続けましたが、これらの動きがモールを地面に深くしたことを明確に判断することはできませんでした。
 プローブの不確定な動きとかなりの時間がかかることを考慮して、チームは広範な議論の末、この方法をあきらめ、代わりにピットを埋めることにしました。この目的のために、スクープは10月3日に持ち上げられ、ピットが見えるようになりました。
(C)NASA / JPL-Caltech

上図は、10月3日にスクープを持ち上げた後のピット(Sol659)。砂の中のスクープの痕跡がはっきりと見えます。モールは完全に砂で覆われており、穴は大部分が埋めら​​れています。右側の画像は、10月17日に計画されている2つのスクープの動きを示しています。

次のステップについて話し合った後、10月17日土曜日に2つの平行スクープ移動を実行することを決定しました(Sol659)。その後、熱伝導率の測定が実行されます。これにより、埋め戻しに関する間接的な指標も得られます。次に、中身を押して砂を圧縮し、モールを押します。埋め戻しの結果に応じて、ピットを埋めるためのさらなるアクションが計画されてから、さらにハンマーで叩き、後で別のフリーモールテストが行われます。
――――以上拙訳ーーーーーーーーーーーーーー


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