「自閉っ子」こんな風に生きてます

元気溌剌!「自閉症おねえさん」の生活記録

反抗期?

2008-11-29 21:08:25 | 日記

 そろそろ寝ようかと準備をしているところに、美佳が下りてきた。父「美佳さあ・・・」と呼びかけたが、美佳は「眠いの」と言ったきり完全無視。
 こうなると父もいささか意地になる。美佳の前に立って、父「美佳、お父さんの目を見て!」と強引に注意を向けさせようとしたら、なんと両目をギュッと瞑って、絶対に目をあけてなんかやらない、という意思表示。思いがけない反抗に父はしばし「・・・・」。

 そのまま暫らく待ったが頑として目をあけないまま、美佳「眠いの」と再度訴えるので諦めて解放する。
 これまで、会話のときに相手の目を見て話をするよう教えてきたが、こういう反応は一度もなかった。意に沿わないときはフリーズしてしまうか、パニックを起こすのか、のいずれか。
 こういう感情表現でNO!といえるなんて、今までなかったこと。これもまた大きな変化・・・30ゥン歳にして反抗期?と父はひとりニヤニヤ。


カビキラー

2008-11-27 14:08:55 | 日記

 夕食に降りてきた姉が「洗面所で強い刺激臭がする」という。早速行ってみると、洗面台から外された歯ブラシ収容棚にカビキラーが吹きつけられ、放置されていた。匂いの源はそこ。

 そういえば、さっきまで美佳が洗面所でゴソゴソやっていた。歯ブラシ収容棚は形状が複雑で水がたまりやすく、カビが生じやすい。察するに、今までは中性洗剤で洗っていたが、凹みの隅まではキレイにならない。そこで、もっと強力なものを・・・と考えて、浴場掃除でときどき使うカビキラーを思い出したのだろう。
 しかし、いくら何でもこれはやり過ぎ。美佳に「お掃除、いつもごくろうさま」と褒めたあと、こういう場所にはカビキラーを使わないことを説明して、一件落着。
 そういえば、去年も「アリコロリ」を洗面所の床に撒いて大騒ぎになった。床に撒くのは絶対にNO!だが、今回はより価値判断が微妙なケース。「水でキチンと洗い流せばいいんじゃない」とも言えるが、「安全サイドで・・」というのが常識なんでしょうね。それを教えるのが一番難しいのだが。


鍵がない!

2008-11-25 10:07:10 | 日記

 日曜日だというのに、美佳は9時から水泳教室。それが終ると、バスで次のディスコパーティーに直行するので、母が水着etcを持ち帰るためにプールへ出かけた。
 ところが、ディスコに備えて美佳のお化粧は念入り。いくら待っても出てこない美佳に母はイライラ。やっと出てきた美佳に指導員さんが「美佳ちゃん、きれいねえ」と声をかけてくれたが、美佳は「はい」と言ったきり振り向きもせず。心は既にディスコ・パーティー?この愛想のなさが会話を難しくしている。

 ところが、出口で何やら探し始めた。母「何探しているの?」の問にも無言で必死にバッグをかき回している。「何探してるのよ?」と母にしつこく責められて、とうとうパニック状態。美佳「頭が痛い」etc喚き散らす。母「じゃあ、ディスコやめたら」に美佳は「・・・」。更に探し続け、やっと見つけたのは傘立ての鍵。
 一件落着して何ごともなかったかのように、美佳はさっさとバス乗り場へ直行。夕方帰宅した美佳は「今日はディスコで疲れました」と満足そう。しかし、散々振り回された母はムッ!


おでん

2008-11-23 14:09:26 | 日記

 美佳が某作業所の秋祭りで大きな大根を買ってきた。帰るなり母に「お母さん、大根どうする?」->暫らく考えた母が「じゃあ、明日おでんにでもしようか?」で了解。
 翌日、夕食の準備ができたので、父「おでんだよ。早くおいで」と呼びにいくと、美佳「着替えていくから」と目の前でドアをスッと閉められた。昨年までは父の目など気にもしていなかったのに!!暫らくして、赤いパジャマで現れた。

 いつものペースでゆっくり食べていた美佳だが、母は入浴の都合もあり早々に片付けたい。母「もういいでしょう」と鍋を片付けにかかると、美佳「まだ」と拒否。
 鍋の中には好物の卵が残っていたが、「これは私が明日食べるから」と母がダメだし。それでは、と美佳は餅入りのきんちゃくをゲット。それを見て、母が鍋を持ち去ろうとしたら、美佳「昆布!」と鋭いひと言。めでたく昆布もゲットして、安心したように食べ始めた美佳に父は思わずニヤリ。
 少しでも減量させたい母と食べたい美佳の迫真の攻防でした。


気が早い!

2008-11-21 17:28:03 | 日記

 美佳の小遣い帳を見ていたら、メモに「○○へ七五三のお参りに行きました」と書いてあった。「どれどれ・・・」と明細を見ていくと、”うしおき 600”と記入されていた。父「なんじゃい、これは」と思ったが、追求することもなく忘れていた。

 数日後、父の部屋を掃除していた母が見慣れない置物を発見。なんと来年の干支”牛”が今年の”ねずみ”と並んで置かれていた。母は“え-っ、もう買ってきたの?”と絶句。まさか、12年前の余りものじゃないよねえ。
 父「
600円だったよ」と教えたら、母「そんな筈はない!」。ここへは毎年初詣に行っており、門前のお店で同じ干支の置物を買うのが母の習慣。今年も800円だったという。「ふぅ~ん、初詣価格ってあるんだ」と妙なところで父は感心。
 それにしても何なんでしょうね、この気の早さは!まあ、来年の初詣で母が買わなくて済んだのだから、我家としては
200円の節約になった、と言えなくもないのだけど、何となく釈然としない。


お出迎え

2008-11-19 15:46:50 | 日記

 美佳が旅行から帰ってくる日、雨が降っていたので車で集合場所まで迎えに行った。バスが早く着いて殆ど帰ったあとで、迎えを待っていたのは残り数人。
 車をUターンさせていると、美佳がすっと寄ってきて素早く車に乗り込んだ。ドスンと腰を下ろしながら、おどけた口調で「旅行、ご苦労ちゃま」という。こういう口調の時は機嫌がいい証拠。
 だが、父のセリフを君が言ってどうするの?それを言うなら「お出迎え、ご苦労さま」だろうが、と指摘して言い直させる。

 帰途、車中での会話。父「何が面白かった?」->美佳「え~と、△△美術館、カラオケ、お猿さんに餌をあげた」->父「カラオケはなにを歌ったの?」->美佳「雨の御堂筋、スニーカーブルース」->父「雨の御堂筋って、あれ?ほら、♪タンタタン雨降る御堂筋・・・」とうろ覚えのまま歌ってみせると美佳も続けて歌いだした。
 その後もポツリポツリとではあるが、お猿さんにお菓子やサツマイモをあげた話を嬉しそうにしてくれた。よほど楽しかったようで、こんなハイテンションの美佳をみるのは久し振り。


寒がり屋さん

2008-11-17 17:57:55 | 日記

 今年は暑い日が続いただけに、急に寒くなるとひとしお寒さが身に応える。2~3日寒さが続いた朝、洗濯物を干していた母が「えっ、もうズボン下はいてるの?」と愕然。いくらなんでも、まだ平年並みの気温だというのに、それはない。
 帰宅した美佳に、「まだ早いんじゃない?」と注意したが、美佳は「はい」と言ったきり無視。その内に、セーターは冬物に、上着もジャンパーから冬物のコートに変り、マフラーまで巻いて完全装備。

 たまに予報が”今日は暖かくなります”といっても、一旦冬モードに入ってしまった美佳は変われない。まあ、汗をかくほどでもないので黙認しているが。。。部屋のクーラーも既に全開。
 前から寒がりなことは分かっていたが、「ちょっと異常じゃない?」と父は呆れ顔。作業所は一年中クーラーを入れっぱなしだから、と母は諦め顔だが、どうやって耐性をつけたらいいのか、今のところノーアイディア。


夫婦喧嘩

2008-11-15 19:17:15 | 日記

 美佳は親戚の勝伯父さんが大好き。ちゃらんぽらんだが陽気な性格で、美佳にいろいろ面白いことを言ってくれるので解りやすいのか?しかし、その性格が災いして夫婦仲は揉めごとが多く、冷戦状態が続いている。先日の祖父の墓参りの時にも会えず、美佳は寂しい思いをしたようだ。
 そんな気持をずっと引きずっていたようで、夕食後の後片付けを手伝いながら、美佳がポツリとひと言。美佳「加奈ちゃん(勝さんの奥さん、母の真似をしてこう呼んでいる)、勝さんと仲直りしないの?」。これには母も「喧嘩しちゃ、いけないんだよね。だけど、いろいろ事情があってねエ・・・」と苦笑い。

 その翌日、テレビでタレントの離婚話が報じられていた。父「美佳、離婚ってどういうこと?」->美佳「夫婦をやめること」と簡にして要を得た答。電子辞書で調べた?
 じゃあ、と言うので、父「離婚の反対は?」->美佳「結婚」。チャンと知ってた。「渡る世間は鬼ばかり」にも出てきたし。


皇后さまと子どもたち②

2008-11-13 11:54:07 | 日記

 「皇后さまと子どもたち」が本箱に収められているのを見て父が質問。父「美佳、これ読んだの?」->美佳「読んだ」。
 それではというので、父「どんなことが書いてあった?」->美佳「皇太子さまが赤ちゃんのとき・・・・」->父「どんな話だった?」->美佳「皇太子さまが”おんぎゃあ”と泣いて、皇后さまが”よしよし”って」->父「それから?」->美佳「オムツを替えてミルクをあげて・・・」と嬉しそうに話す。父「本当にそんなこと書いてあった?」->美佳「書いてあった」と答え、笑いながら逃げ出した。

 後で調べると、皇太子さまを抱かれた皇后さまの写真があり、皇后さまが皇太子さまをあやしているように見える。しかし、皇太子さまは泣いていないし、オムツ云々の話は完全に美佳の空想の産物。
 きっと美佳の頭の中では、赤ちゃんは泣くもの、泣いたらオムツを替えたりミルクをあげるもの、というイメージができているのだろう。
 追及され笑いながら逃げるところは立派な知能犯。すぐに美佳を呼んで指摘したが、美佳は写真に見入って父の話は上の空。


皇后さまと子どもたち①

2008-11-11 18:07:20 | 日記

 帰宅した美佳から母に「皇后さまの本がありました」と報告があった。帰りに寄った本屋さんで見つけた、という。美佳としては全額母に払ってほしいのだが、計画性のない美佳に反省を促すために母もスンナリOKと言わない。
 母「その本幾らなの?」->美佳「
3,150円」->母「あなた、いくら持っているの?」->美佳「1,000円」->母「じゃあ、お母さんは2,000円出せばいいでしょう?」->美佳「・・・」。
 それでは本は買えるが、美佳の小遣いが底をつく。給料日はまだ先。しかし、それを言葉で訴えるだけの会話力が美佳にはない。

 不貞腐れて部屋に戻り大声でひとり言。美佳「まもなく3番線に○○行きが参ります。危ないですから・・・」という駅のアナウンスが延々と続く。暫らくして夕食に降りてきたが、不機嫌な表情は変らず。
 仕方ないので、母が風呂に入った隙に父が美佳に知恵を授け、最終的に
2,500円で妥結。翌日の夕食後、本に見入る美佳の嬉しそうな顔!
 これじゃ「同名の写真展が日本橋高島屋で開催されている」なんて教えられないわ、と母はため息。