「自閉っ子」こんな風に生きてます

元気溌剌!「自閉症おねえさん」の生活記録

自分へのプレゼント

2014-12-31 12:50:57 | 日記

 クリスマスも迫った日曜日、NS会から珍しく早く帰ってきた美佳だが、荷物を持ったまま母の姿を探して居間でウロウロ。「どうしたの?」と声をかけたが、美佳は迷惑そうな顔で「」。
 しばらくして部屋の前を通りかかると、出かける支度をしたまま美佳がボンヤリ座っていた。父「あれっ、また出かけるの?」->美佳「はい」と答えたが、どことなくグズグズ。

 で、父「なにか困ったことあるの?」と訊くと、美佳「プレゼント代下さい->父「誰にあげるの?」->美佳「自分の」。今月は出費が多く、作業所の工賃を使い切ってしまったらしい。で、「それを言いたくて母を探していたのか」と父も納得。
父「何を買うの?」->美佳「->父「どこへ買いに行くの?」->美佳「イオン->父「いくら欲しいの?」->美佳「5,000」と言いかけて「3,000」と訂正。
 ここまで訊いてゼロ回答はできないので小遣いを渡すと、美佳は途端に元気になり、「気を付けて行ってきます」。買ってきたのはパジャマ。丁寧に包装された包みが部屋の片隅にそっと置いてあった。


クリスマス会

2014-12-29 14:05:22 | 日記

 美佳の年末の余暇活動はクリスマス会のオンパレード。
 土曜日の午前中はSW会の体操とクリスマス会。世話人をしている母が帰ってきて言うには、美佳は会が終わりかけた午後1時半ごろ、「皆さん、よいお年をお迎えください」と挨拶し、体操着等の汚れ物を母のバッグに放り込み、さっさと次のSD会へ行ってしまったとか。
 後で調べると、SD会のクリスマス会は午後1時半に始まっていたし、天候は雨。だから汚れ物を母に託したことも含めて美佳の行動はリーズナブルなのだが、運び役をやらされた母は「なんて自分勝手な‥」とブツブツ。

 そのSW会のプレゼント交換では、皆がプレゼントを持ち寄り、くじ引きで景品をもらったのだが、美佳が用意したプレゼントには大きく”○○美佳より“と書かれていたとか‥。「こういう時には名前は書かないの」と母に注意されていたが、これも経験のうち?
 6時前に帰ってきた美佳は、「クリスマス会、楽しかった」とご満悦だったが、「クリスマス会の連チャンねえ」と父は苦笑い。


美佳との会話

2014-12-27 10:58:26 | 日記

 作業所の秋の旅行から帰って2週間経った日の朝、母が携帯を開くと美佳からのメールがきていた。「こんばんは、お風呂で富士山の景色が見えました。私は一生懸命写真を撮りました。 美佳より」。
 「どこかで露天風呂に入ったのかな?」と思った母が、「おはよう!どこのお風呂で富士山が見えたのかな?教えてください!待ってます。 母より」と返すと、10分後に美佳から返信。
 「おはようございます。山梨県の富士レークホテルで一生懸命富士山の写真を撮りました。SD会のクリスマス会の練習で一生懸命ダンスを頑張ります。 美佳より」。まだ2例目だが、すこしずつ会話になりつつあるような‥。

 衆議院選挙の日、出かける母が「美佳、お昼はどうするの?」と訊くと、美佳「もう買いました」。その言葉通り、美佳は昼食を自分で作って食べてから余暇活動に出かけた。
 きっと美佳の頭の中では、前日から今日の予定がキッチリ組まれていた、ということなのでしょうね。衝動的に行動するかと思えば、時に用意周到になるこの不思議!


おかず入れを忘れた4/4

2014-12-25 11:28:41 | 日記

 要するに、「美佳は朝、おかず入れを持って行かなかった」のだ。
 すると、母「謎が解けました」。父「なんだよ?それは」->母「今朝は出かける時間が早かったし、お姉ちゃんの食事もあったので、美佳のおかずを作り忘れたんだわ」で父も了解。
 毎朝、美佳の食卓におかず入れと昼食代を置くのが母の役目。しかし、その日は姉がいたので母もお喋りに忙しく、美佳のおかず作りを忘れた。美佳も姉の存在に気を取られ、おかず入れと昼食代がないことに気がつかなかった。

 が、美佳の気持ちの中では、いつもの通りバッグに入れたつもり!!で、作業所で昼食を注文しようとして、初めて“昼食代もおかず入れもない!!”ことに気がついた。
 昼食代を母が渡し忘れることは間々ある。しかし、おかず入れを忘れたことは一度もない。で、美佳「バスに置き忘れた」という結論になり、その自責の念がずっと尾を引いて膨らんでいったのだろう。
 それだけに、もう一つのおかず入れを見つけた美佳の“天にも昇る喜び”は察するに余りあるのだが・・。


おかず入れを忘れた3/4

2014-12-23 11:16:17 | 日記

 あれこれ質問して分かったことは、作業所に着いて弁当代を払う段になって、昼食代もおかず入れもないことに気がついたということ。「成程。それでパニくって母に電話したのか」と父も納得。
 しかし、”失敗した“という自責の念が頭から離れないのか、美佳のパニックはなかなか治まらない。父「誰でも忘れることはあるんだから、気にしなくていいよ」と慰めても、美佳「荷物が多すぎたから?」etc延々と続き、父はギブアップ。
 それ以上構っても事態は悪化するだけ。ここは一先ず美佳を一人にしてクールダウンを待つことにし、父は夕食を食べ始めた。

 すると30分後、おかず入れを手にした美佳がやってきて、「これはカビが生えているから捨てる?」。見ると、美佳は先程までの憂鬱そうなしかめっ面と打って変わったニコニコ顔。
 父「あれっ!失くしたんじゃなかったの?」->美佳「ありました」。美佳はおかず入れを2つ持っていて交互に使っているが、母が食器棚を探すともう一つのおかず入れもちゃんとあった。


おかず入れを忘れた2/4

2014-12-21 14:27:04 | 日記

 念のため、玄関etcを探してみたが、昼食代は見当たらず。結局、「“家に置き忘れた”というのは美佳の勘違いで、母が渡さなかったのだ」というのが父の結論。
 帰ってきた母に経緯を話すと、母「そういえば、今朝は私も急いでいたし、お姉ちゃんの食事も作らなければ・・で忙しかったので、美佳にお弁当代を渡すのを忘れていた」。
 今までも昼食代の渡し忘れはあったが、このように電話してきたのは初めて。で、「よほど体調が悪かったのかも‥」というのが結論となった。

 ところが、夕方帰ってきた美佳は玄関に座り込んで、「風邪をひいて頭が痛いの。お父さん、頭が痛いの」と大声でSOS。仕方なく降りていき、「どうしたの?」と訊くと、美佳「おかず入れをバスに忘れたの?荷物をたくさん持っていたから?」。
 父「えっ?おかず入れを忘れたの?」->美佳「はい」->父「いつ気がついたの?」->美佳「作業所で」。「そんなこと昼間言っていなかったじゃない」と父はブツブツ。
 その間も、「利江叔母さんに電話します」etcと美佳のパニックはエスカレート。


おかず入れを忘れた1/4

2014-12-19 11:40:59 | 日記

 忘年会の帰りに姉が泊まった翌朝、食事を終えた美佳は「お姉ちゃん、さようなら。行ってきます」と挨拶して、機嫌よく作業所へ出かけて行った。
 その日は、母はコーラスの定例会の当番で早めに出かけ、姉も「地元で仕事があるので早く帰る」と言い出したので父が駅まで送ることに‥。

 ところが、父が姉を送って帰ってくると、母から電話。母「さっき美佳から電話があって“お弁当代が…”とか言っているのだけど、周りが煩くてよく聞こえないの。で、家の方に電話しなさいって言ったんだけど‥」。
 そう言われても、父も帰ったばかりで何もわからない。しかし、それで美佳がパニくったら困るので、父「作業所に電話して、様子を聞いてもらった方がいいんじゃない?」とコメント。
 すると、しばらくして作業所のKさんから電話があり、「美佳さんの話では、朝急いでいたので昼食代を家に置き忘れてきた。それで、作業所でお弁当を注文したときに、代金を自分のお小遣いから払った‥という話ですけど」。「何だ、そんなことで‥」と父は拍子抜け。


傘を持ってきて3/3

2014-12-17 16:12:07 | 日記

 そのまま家に帰り、父が新聞を読みながら、「美佳、お風呂を沸かして先に入ったら‥」というと、美佳「はい」。だが、風呂の準備をしていると思ったら、いつの間にか美佳は外出していた。仕方がないので、父が自分で風呂を沸かし入っていると美佳が帰ってきた。

 しばらくして風呂を出て、玄関を通りかかった父はたたきを見て「あれっ?」。そこには美佳の折り畳み傘が広げて干されていた。スーパーで買ったビニル傘は傘立てに入れたまま使われず。一体、ビニル傘は何のために買ったのか?美佳に尋ねても、美佳「」。
 その心理を推測すると、①美佳は自分の傘を持ってきて欲しかった。②が、父は持ってきてくれなかった。③「傘が欲しい」という気持ちを満たすために、美佳は代用品をスーパーで購入。④それで美佳の欲求は満たされ、帰れば本来の傘があるので代用品はお払い箱になった?
 目の前の欲求を満たすという衝動に駆り立てられ、猪突猛進する美佳の行動パターン。そこには「家まで我慢という発想など浮かばない?


傘を持ってきて2/3

2014-12-15 16:53:28 | 日記

 作業所に着くと、すぐに玄関から飛び出してきた美佳が「傘は?」。
 父「え~っ?車で迎えにきたんだから、そんなもの要らないだろう」と答えたが、美佳は明らかに不満顔。しかし、このときは何が不満なのか全く分からなかった。
 が、美佳が喜んでいないことは、その表情を見れば一目瞭然。Sさんにお礼を言って戻る途中、父もあれこれ理由を詮索。たどり着いた結論は、もしかしたら美佳は帰りにどこかに立ち寄りたくて、「傘を持ってきて欲しい」と言ったのかも‥ということ。

 で、父「スーパーSへ寄って行く?お父さんは隣の家電店で待っているから‥。それとも、まっすぐ帰る?」と持ち掛けると、美佳「Sへ行きます」。
 そのままスーパーSに入って車を止め、美佳は店内へ。父が隣の家電店でLED照明を眺めていると、ほどなく美佳がやって来た。その手を見て父はギョッ!!そこには何と使い捨てのビニル傘が握られていた。
 父「え~っ?それ買ったの?」->美佳「はい->父「他には何か買ったの?」->美佳「買わなかった」に父は愕然。


傘を持ってきて1/3

2014-12-13 16:36:41 | 日記

 午後から雨になった日の夕方、美佳から母の携帯に電話。母「どうしたの?…傘を持ってきて欲しいの?…寝坊して急いでいたから?分かった。じゃあお父さんに迎えに行ってもらうから待っていて‥」。

 電話を終わって、母「朝急いでいて、傘を忘れてたんですって。迎えに行ってくれる?でも、おかしいわねえ。作業所でも傘くらい貸してくれるはずだけど‥」と言っているところへ、指導員さんから電話がかかってきた。
 母「あ、Sさん。いつもご迷惑をおかけして申し訳ありません。…えっ?はぁ~、そうなんですか?今から迎えに行きますのでよろしくお願いします」。
 父「なんだって?」と訊くと、母「Sさんが置き傘を貸すと言ったんだけど、美佳がダメなんですって‥」。詳しい事情は分からないが、美佳が迎えを待っていることだけは分かったので、父「取り敢えず、迎えに行かなきゃ仕方ないか‥」。
 後で考えれば、その時「どうせ車で迎えに行くんだから、美佳の傘を持って行かなくても・・」と軽く考えたのが敗因。