クリスマスも迫った日曜日、NS会から珍しく早く帰ってきた美佳だが、荷物を持ったまま母の姿を探して居間でウロウロ。「どうしたの?」と声をかけたが、美佳は迷惑そうな顔で「…」。
しばらくして部屋の前を通りかかると、出かける支度をしたまま美佳がボンヤリ座っていた。父「あれっ、また出かけるの?」->美佳「はい」と答えたが、どことなくグズグズ。
で、父「なにか困ったことあるの?」と訊くと、美佳「プレゼント代下さい」->父「誰にあげるの?」->美佳「自分の」。今月は出費が多く、作業所の工賃を使い切ってしまったらしい。で、「それを言いたくて母を探していたのか」と父も納得。
父「何を買うの?」->美佳「…」->父「どこへ買いに行くの?」->美佳「イオン」->父「いくら欲しいの?」->美佳「5,000円」と言いかけて「3,000円」と訂正。
ここまで訊いてゼロ回答はできないので小遣いを渡すと、美佳は途端に元気になり、「気を付けて行ってきます」。買ってきたのはパジャマ。丁寧に包装された包みが部屋の片隅にそっと置いてあった。