「自閉っ子」こんな風に生きてます

元気溌剌!「自閉症おねえさん」の生活記録

大パニック③

2011-04-29 15:52:59 | 日記

 で、お茶を飲みながら、母「そういえば今日は機嫌の悪さが半端じゃない。xx耳鼻科でも問題を起こさなければいいけど・・」と言っているところに、件の耳鼻科から電話がかかってきた。
 ここは“美佳の自閉症”を理解した上で診て下さっているのだが、美佳が病院の中で大声を出したので注意したという。すると、そのときは素直に聞いていたが、支払が終わり病院の玄関を出たところで、美佳「わぁ-っ!」と大声で喚いて凄いスピードで走って行ってしまった。
 あまりに普段と違う行動にビックリし、事故があったりしたらいけないから・・・ということで電話をして下さったのだ。お礼とお詫びに平身低頭の父。

 これでは先が思いやられるので、帰ってきた美佳を捉まえて、「こんなことしていたら、どこの病院でも診てもらえなくなるよ」と厳しく叱責。多少喚かれても・・と腹を括ってのことだったが、案に相違して美佳が素直だったのは悪いことをしたという自覚があったから?その後もパニックは起こらず、夕食が終るころには「耳はまだ痛い」と言いながらも、美佳の機嫌は直っていた。
 一体何が起きているのか?父も母も戸惑うばかり・・。


大パニック②

2011-04-27 10:56:13 | 日記

 当然、作業所は休むことに。しかし、病気の割に食欲は旺盛。朝も昼もシッカリ食べて、正午過ぎに父が出かけるときには、美佳「耳鼻科に行きます」と出かける準備。

 ところが、3時過ぎに父が帰ってくると、母「美佳に会わなかった?」。父「いいや、どうしたの?」と訊くと、近くの内科医院から、美佳が現れたが来院意図が不明で・・という電話があって大変だったという。
 その医院は2週間ほど前に、美佳の高血圧で相談に行ったところだが、当然耳鼻科とは関係がない。いつも行く耳鼻科は別にあるので、どこを診て欲しかったかは不明。もしかして、頭が痛いのを診てもらいたかったのか?
 すぐに美佳と代わってもらい、母「耳鼻科に行くんでしょう?」と言うと、電話の向こうで、美佳「は~いっ!」という不満たらたらの大声が響き渡った。
 母が慌てて医院へすっ飛んでいき、看護婦さんにお詫びしたのは言うまでもない。医院を出て、母「耳鼻科はどうするの?」と訊くと、「行きます」という美佳をバス停まで送り、帰ってきたところだという。


大パニック①

2011-04-25 10:53:04 | 日記

 それは突然やってきた。本人は「生理が始まりました」と言っており、体調は少し悪そうだったが、夕食が終って部屋へ引きあげるまで変った様子はなかった。
 ところが深夜、なにやら喚いているので母が行ってみると、美佳が不機嫌な顔で「頭が痛い」と訴える。とは言え深夜のことでもあり、「取りあえず、バッファリンを飲んで・・・」と宥めて、母が水と一緒に持っていった。
 ところが、渡そうとしたときに、美佳が「ギャー!」と喚いて振り回した腕に当たってコップが倒れ大騒ぎ。怒った母が美佳の頬をピシャリ。
 美佳は薬を飲んで少し落ち着いたが、「明日は作業所を休みます」「作業所を変わりますetcブツブツ。

 それでその場は終ったが、翌朝は6時前から家中のエアコンを点けて廻る。気がついた父が全て消して廻り、「どうして点けるの?」と訊いたが、美佳「・・・」。
 父「どこが悪いの?」と訊くと、美佳「耳が痛いの。耳鼻科に行きます」。「え~っ、今度は耳かよ」と父は憮然。こうなると何を言っても悪循環で、美佳のヒステリーが亢進するのみ。


メロとメロン

2011-04-23 14:00:26 | 日記

 夕食を摂りながら話しているときに、美佳が突然「(スーパー)Iで、メロが二つ500円で売ってました」と言い出した。
 母がメロをメロンと聞き間違えて、「えっ?メロンをもう売ってたの?」と聞き返すと、美佳「メロ、魚」と訂正。父「そりゃそうだ。今頃メロンなどスーパーでは見たことないものな」で、その場は笑い話で終った。

 が、翌日の夜には冷蔵庫にメロの切り身が4切れ入っていて、請求書もバッチリ母に廻ってきた。美佳はなぜかメロと金目鯛が大好きで、食べたくなると勝手に買ってきてしまう。
 また勝手なことをして・・とむくれた母が「美佳、約束覚えている?お母さんが頼むか、出かける前に”今日は買ってきます”と言わなきゃダメって言ってあるでしょう」と叱ると、美佳「言いました」。
 そこで、ハタと前夜の会話を思い出した母はガックリ。そうか、あれはそういう意味だったんだ。しかし、あの会話からそこまで推測するのは無理難題というもの。で、母「そういう時は、メロ買ってきていいか?って聞いてくれなきゃ」と諭していたが・・。


言葉 with Action

2011-04-21 09:07:00 | 日記

 父がいつも使っているゴム手袋が見当たらない。「そういえば、さっき美佳が使っていたっけ・・」と思い出した父が、洗面所にいる美佳をつかまえて「お父さんのゴム手袋どうした?」と訊くと、美佳「外に干した」と言いながら、後ろを振り向いて庭のほうを指差した。
 行ってみると、牛乳パックと並んでゴム手袋が干してあった。言葉だけでなく、動作を伴ったコミュニケーションが出来るようになったということ?

 月曜日のお楽しみテレビはネプチューン。問題は“千秋楽”を漢字で書こと。ところが、出演者が焦って”千秋”がでてこない。出てくるのは似て非なる怪しげな当て字。
 そこで、父「美佳、合っている?」と訊くと、テレビをチラッと見て、美佳「合って・・・なぁ~い!」と嬉しそうな笑顔。父「どう書くの?」->美佳「千・・・チ、と秋と・・・」と正解。
 母「他人の失敗を見るのは楽しい?ものね」と解説していたが、このように美佳が笑顔で答えてくれたのは珍しいこと。今までだとぶっきらぼうに答を言うだけだったのに・・。
 これは春の椿事か?ステップアップの証か?


お花見③

2011-04-19 09:01:45 | 日記

 桜も満開となると、美佳の小遣い帳メモ欄もお花見の報告が満載(原文のまま)。
 曰く「今日は作業所でお花見をしました」。曰く「今日は日比谷公園で桜をみました」。曰く「今日はNS会で花見とカラオケをやりました」。曰く「(隣町の)N公園で桜をみました。とてもきれいでした」。
 まあ、毎日毎日桜ばかり見ていて良く飽きないものよ!と父は呆れ返るばかり。しかし、桜のお陰で美佳のハイテンションが続くと、プラス効果も結構多い。
 例えば、多少強く叱ってもパニックにならず素直に従うし、一つ一つの行動がシャキッとしてくる。また、歩く姿も心なしか颯爽としているように見える!のは気のせいか?そのうち、美佳「桜はいつまで?散るのはいつ?」と気にしだすと、お花見も終盤戦。

 やがて桜が散り始めたある日、父と母が「そろそろ桜も終わりだね」という話をしていたら、美佳が割り込んできて「もう葉桜だ!」。母「あら、あなた!葉桜なんて詩人みたいなこと言うじゃない?」と褒められて、美佳は満更でもない顔。


ながら族

2011-04-17 11:01:26 | 日記

 プロ野球開幕戦の日、我家のチャンネル権は母が独占。当然、夕食中も巨人―ヤクルト戦の中継を流しっ放しで会話の中心も巨人軍。食事が終ると、美佳はソファーに座って電子辞書で遊び始め、父もそのままテレビの前へ。
 ところが、ご贔屓の巨人高橋由伸が打席に入ったのに、美佳は電子辞書に夢中。父「ほら、由伸だよ」と教えても、美佳「行け~ぇ!由伸」「由伸、頑張れ~ぇ!」と、声は張り上げるが義理で声を出しているだけで、視線は電子辞書から離れない。

 父は久しぶりのプロ野球観戦で文句はないが、これじゃ美佳はつまらないんじゃない?だったら大好きな歌番組に変えた方がいいのではないか、と気を利かせた父が「歌謡コンサートに変えようか?」と提案したが、美佳「野球!」とケンもホロロ。
 訊いた父が「えっ!お前もテレビ中継を聞いてるの?」とびっくり。同じ場所にいても一人で遊んでいるように見えて、心のどこかで家族と一緒に野球観戦に参加している。これも美佳なりのコミュニティへの参加方法?


お金の話

2011-04-15 09:50:23 | 日記

 震災後は今まで使っていた食材が手に入らず、母も連日のスーパー通いでバテ気味。で、作業所へ出かける美佳に、母「スーパーSに、いつものパンとビオレのヨーグルトがあったら買ってきて。お金は後でね」と依頼。
 その日、美佳は頼まれた品物を買い、レシートを母の整理箱に入れたようだが、頼んだ母はすっかり度忘れ。翌朝の美佳の食卓には、野菜・果物が入った弁当箱と昼食代だけが置かれていた。
 すると、朝食を終えた美佳が整理箱からレシートを持ってきて、「お母さん、パンとヨーグルト代」。いつもなら概算代金を渡して後で清算するが、2~3日後になることはザラ。しかし、自分が立て替えたときにはそんな悠長なこと言ってられない?まあ、よくあることだけれど。

 交通費として支給されるバス代が入った封筒を、美佳が「はい、バス代」といって持ってきた。いつもなら千円札が入っているのに、今月は全て二千円のピン札に置き換わっていた。最近は郵便局での両替がなくなって、いい傾向だと思っていたのに、どうして、また?
 xx郵便局の皆さま、毎度ご迷惑をおかけして申し訳ありません。


ネゴシエーション

2011-04-13 11:12:55 | 日記

 朝食を摂りながら、美佳「NS会の300円払います」。これには父も母も??普通に解釈すれば、「私が・・」ということになるが、オウム返しの影響が残っている場合は「お母さんが・・」という全く正反対の意味になる。
 で、父「誰が払うの?」と確認すると、美佳「私が300円払います」。それなら別に改まって言うことでもないじゃない?と思ったら、美佳が言葉を継いで「お母さん、お昼代600円下さい」。そこまできて父も納得。

 NS会の今日の予定はxx公園でのお花見。お店で好きな食べ物を買っていくのだが、母に切り出せば「あなた、幾ら払えるの?」と必ず訊かれる。
 そこで先手を打って、安い方の会費は自分で払うが、お弁当代は母に払ってもらうのが得、とソロバンをはじいて冒頭の「NS会の・・」という発言になったのではないか?
 こういう論理を説明してくれれば理解できるのだが、途中経過を省いて結論だけ言われても伝わらない。母も「お母さんが300円じゃないの?」と反論したが、美佳「600円です」と譲らず、結局は美佳の判定勝ち。


お花見②

2011-04-11 10:50:16 | 日記

 美佳に確かめても、美佳「咲いていなかった」。とは言え、いつもなら咲く時期なのに・・と確かめずにはいられなかったのか?
 ところで、父はメモ欄の記述「今日はK学園でお花見を見ました」が気に入らない。これじゃ”馬から落ちて落馬して・・”じゃない?早速、美佳にメモを突きつけて「これ、読んでみて」というと、美佳「今日はK学園でお花見をしました」。
 そこでしつこく、父「お花見を見ました、じゃないの?」と追求すると、美佳「しました」とキッパリ。「食事を食べました」etcの例文を使って講義?しようと待ち構えていた父は、当てが外れてガックリ。

 D植物公園と浅草へ行った日には夫々、「今日はD植物公園で桜をみました」「今日は浅草の隅田公園と浅草寺で桜をみてきれいでした。花見はたのしかった」(原文のまま)と記載されていた。
 D植物公園では殆ど咲いていなかったのが、浅草で初めて桜らしい桜に巡り合えたようだ。”♪花の咲くのを待ちかねて・・・”探し回った挙句にやっと巡り合えた、その嬉しさが伝わってくるような・・・。