J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

縁側カフェ

2008年08月16日 | 人にぞっこん

しきりにセミが鳴く。
心地よい風に吹かれながらだと、うるさく聞こえない。
目の前に広がる景色のお陰だろうか。

いくつもの山並みが重なって、大洋を眺めているかの如き。
それが、農家の縁側からの眺めだという事実が、どうにもくつろがせる。

時折、風鈴がちりん、となる。
鶯が、かすかに聞こえてくる。

開け放たれた民家を、風が渡り、風景の一部になっている自分に気付く。

JR静岡駅から、わずかに1時間15分ほど。

古くから営みを続ける集落が、南アルプスの南端、七つ峰の中腹にある。
標高800メートルのこの地に人が住みついたのは、600年ほど前だという。
信州から落ち延びてきた3人が、その祖で、
頭領は「砂」と書いて「いさご」と読む苗字を抱く砂宮太夫、という伝説を持つ。

確かに、今でも砂家はあり、ほかに、中村、仲谷、森、丹所と、珍しい苗字が多い。
しかも、現在全世帯数七戸それぞれが、異なる苗字の家。

そして限界集落となっている。

山を開いてお茶を作る。
開いた土地に、野菜を植える。
裏の山には、大間のマグロに負けないという『山の大間』のどんこ椎茸。

標高があり、寒暖の差によって、いいお茶が出来る。
生産の茶畑を眺めながら、そのお茶で一服できたら、至極くつろげる幸せのひと時となるのではないか。

ないのなら、そういうところを作ろう、と静岡市葵区大川地区のここ大間に『縁側カフェ』が誕生した。

   縁側を休憩場所にお貸しします。
   お茶やお茶請けが入用でしたら、お出しします。

さあどうぞ、といわれても、知らない家の縁側に入りこむのは、いささか恐縮する。
借りるこちらも遠慮がないように、一回のお茶料金100円を定めた。
休んで100円、お茶で100円、お茶請けで100円。
ついでに、畑で時期に採れたものがあれば、おすそ分け農園として、販売もする。

と聞いたら、出かけてみようと思い立った。
静岡市に住んでいても、行った事のない地域だ。
懐を開いて待っていてくれるのなら、お邪魔してみよう。

国道362号線を北に走る。
安部川から、やがて藁科川に沿って、上流へ。

信号もなくなり、車の窓を開け放ちながら北上を続ける。

付近の川では、釣り客、バーベキューや川遊びの人々。
様々に川の景色、山の風情が変わって面白い。

静岡市は、標高3000メートル級の山にまで、上がっていける。

清沢地区に入りしばらく行き、八幡で、県道60号線にはいる。
その名も、南アルプス公園線だ。
道幅は、若干狭くなり、川は渓谷の顔つきになってくる。

看板にある、大川地区の湯之島温泉を目指す。
そしてここをも通り過ぎると、道に『縁側カフェ』の手描きの案内が見えた。
これを励みに、車を進める。

道は更に狭くなる。

そして、大間に到着した。

今までの木立の合間を縫う風景とはまるで違う、天空の里が、そこにあった。

藁科川の源流の地。

歩いて回っても、そうかかるわけではない。
近くの「福養の滝」の駐車場に車をおいて、縁側での一休みを楽しみに、歩いてみよう。















●天空の癒し里・静岡市大間集落の公式サイト 縁側カフェ
http://www.justmystage.com/home/tenkuu/
●農家カフェ、お茶で一服――静岡・大間、観光客に開放 日経WOMAN
http://woman.nikkei.co.jp/news/article.aspx?id=20080407ax018n1

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わぁぁ (albero4)
2008-08-18 04:49:49
行ってみたい!
今度ゆっくり帰国できるときに
両親連れてドライブに行ってみようかな。

自然の中の田舎の景色。
私の心の原風景でもあります。

すっごくきつい静岡訛りで
興味深いお話聞かせてもらえそう!!
あ、それいいかも。 (本人)
2008-08-18 22:05:06
ただし、狭い山道に気をつけてね。
バスを使ってゆくと、その先の徒歩が山歩きになるくらいあるらしいので、マイカーがオススメではありますが。

山の斜面に集落なので、広くないところが歩き回れるよさかも。
伊豆の山の中、海岸沿いにも似ているかな。
途中の川も、ステキです。
車を置けるポイントも幾つかあったし。
楽しめるといいね。

コメントを投稿