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閑話つれづれパートⅢ其の16

2015年08月16日 | ブログ
日本の暑い夏

 毎年のことではあるけれど、この8月は気候の上で暑いのは勿論、わが国にとっては広島、長崎、そして終戦記念日が70回目、30年前からは御巣鷹山も加わって、暑さは増すばかりである。さらに5年後には東京オリンピックがこの季節に開催されるというので、今更ながら暑さ対策は大丈夫かとの声が上がるのも当然であろう。

 東京オリンピック招致は石原慎太郎知事が始めて、猪瀬知事の時に成功したが、猪瀬さんの失脚から雲行きが怪しくなった。新国立競技場は、建設費が予算との大幅な差異を生じて白紙撤回。それでもデザイン料などで30億円程度は消えているように聞いたが、確かに舛添知事の言うように誰も責任を取っていない。

 建築技術のことはよく知らないが、ものづくりは一般にその設計でほとんどコストが決まる。建築物だってプロならデザインを見て、大凡のコストは推定できる筈で、その選考結果にも予算が膨らんだ責任はある。オリンピックに関することは世界からの入札が必要なようだから、外国人の設計者のデザインが選ばれることに不思議はないが、著名な建築家であれば設計料も高いのではないか。それらコストも総合的に判断して選ぶべきではなかったか。

 話が少しずれるけれど、サッカーの世界でFIFA(国際サッカー連盟)の役員がワールドカップ開催国選考で多額の賄賂を受け取っていた事が発覚して大きなニュースとなっていたけれど、わが国のサッカー界でも都度なぜ外国人監督をつれてくるのかに疑問が湧く。なでしこは日本人監督で世界一にもなった。男子はなぜ外国人監督でなければならないのか。それぞれの世界、業界の中での縄張り争い利権争いで、各国業界幹部の発言権の持たれ合いなどがなければいいのだが。

 終戦記念日が近づくと、太平洋戦争時の物語がテレビや映画で再現される。フィクションですと断っても、ほとんど事実に基づくものであろうけれど、戦後70年間これらのドラマを見せられ続けた75歳以下くらいの人々には、それらの物語が先の大戦の疑似体験となる。

 先日もTBSで「レッドクロス」という赤十字社の従軍看護婦の悲劇を描いたドラマがあった。わが国の関東軍(満州陸軍)が現地でどのような統治を行ったのか。一部に悪役軍人の横暴ぶりが描かれていたが、勿論立派な軍人さんもたくさん居ただろうけれど、ドラマのそのような部分だけをことさら強調して、中国人虐めを描いた反日映画が今も中国では上映されているとすれば、中国の人々が日本人憎しとなるのは当たり前である。五味川純平の「人間の條件」は高校生の時に読んだ。数々の戦争映画やテレビドラマで軍人の理不尽な暴力行為を見せつけられてきた。それらが、この国の人々に一方的な自慮史観を植え付けてきた。

 現代においてさえ、ブラック企業と呼ばれる会社があり、パラハラ、セクハラ、いじめや残虐な犯罪は絶えない。さらに戦争という極限状態にあれば、人間などいくらでも残酷になれるであろう。そのような事態に陥らないように、真の平和を維持するために国家が何にどのように備えなければならないか、70年前の反省は反省として、現実を直視するそのための暑い夏にしなければならない。



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