オリンピックの身代金
奥田 英朗 著 角川書店 / 2008.11
昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、東京は世界に冠たる大都市に変貌しようとしている。
この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていないような風潮だった。
そんななか、東京で相次いで爆発事件が発生。
同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた。
警視庁の刑事たちが事件を追うと、一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ……。
「昭和」を舞台に、テロリストと刑事たちの戦いを描く、著者渾身のサスペンス大作!!
あ~、う~~ん、途中まではとても面白かったです。
途中までっていうか、全体的にも面白かったのですが・・・。
あのぉ~、国男がヒロポン中毒(中毒ではないとは書かれていましたが)となると、そこに信念はあったのか?と疑いたくなり、国男の気持ちに添う気になれなくなりました。
どちらかというと、警察を応援したくなったかもしれません。
でも、とにかくスケールが大きいと思います。
戦後から東京オリンピック開催までの状況を知ることができて良かったです。
参考文献の冊数からしても、奥田さんのやる気を目の当たりにしたというか、スゴイな~と思いました。
まず、オリンピックの準備のために数百人の命が亡くなっていたことに驚きました。
まさに人柱だったんですね。
なので、国男の気持ちも最初は理解できたのに、どうして、ヒロポン。。
仕事中の使用はまだ許せましたが、事件を起こす際にも・・というのはちょっと違うなぁ~と。
そして、ラストですよね。
国男がどうなったのかを描かなくてもいいとは思うけど、女子2人のシーンで終わるのかぁ~と思うと、国男はなんだったんだろうな~と若干の切なさがあるようなないような・・・(笑)。
まぁ、オリンピックを観に行くっていうのがいいのかな。。
国男がヒロポン中毒になるまでは一気に読んでいたのですが、中毒だよね~と思った瞬間から、ページをめくる手が重くなってしまい、とうとう、そのまま放置の日々が続いてしまいました。
クドイようですが、スケールの大きさは本当に素晴らしかったと思います。