ただの映画好き日記

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ブルーに生まれついて

2018-01-08 | 映画 ハ行


1950年代に一世を風靡したジャズ・トランペット奏者チェット・ベイカーは、ドラッグ絡みのトラブルをたびたび起こし、スポットライトから久しく遠ざかっていた。1966年、公演先のイタリアで投獄されたのちにアメリカへ帰国したチェットは、俳優として自伝映画の撮影に参加するが、麻薬の売人から惨たらしい暴行を受け、病院送りの憂き目に遭ってしまう。アゴを砕かれ、前歯を全部失う重症を負い、キャリア終焉の危機に直面したチェットの心のよりどころは、映画で共演した女優ジェーンの存在だった。ジェーンの献身的な愛に支えられ険しい再起への道のりを乗り越えたチェットは、巨匠ディジー・ガレスビーの計らいで名門ジャズクラブ"バードランド"への出演することになる。しかしそこは、若かりしチェットがマイルス・デイヴィスから厳しい言葉を投げかけられた因縁の場所。チェットは、人生のすべてを懸けたステージに立つのだった。

ブルーに生まれついて 2015年/アメリカ/ロバート・パドロー





チェット・ベイカー役のイーサン・ホーク、ダメっぷり、甘えっぷりも泣きっぷりもお見事でした。
薬物は許しませんが、映画としては見応えがあったと思います。

ラスト、チェットの選択を受け入れ無言で去るジェーン、そのジェーンの後ろ姿を見つめるチェットのシーンが素晴らしかったです。
そして、それまでの低く暗く切ない演奏から、力を得て少し解き放たれた演奏に複雑な気持ちになりました…。

このラストシーンだけでも観る価値はあると思いましたが、ただ、この薬物まみれのチェットを実在の人物として意識したとき、共感からも同情からもかけ離れ、ジェーンの愛と努力、周りの人の救いの手はなんだったのだろう?と最悪な気持ちになりました。

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