@越後の山歩き日記

新潟周辺、近県の百名山などが中心です。個人的な覚書ですが今後の山歩きの参考になれば幸いです。(2005.10.16~)

蓮華温泉~朝日岳~白馬岳~風吹大池 テントで周回

2012年08月19日 | 白馬岳、 周辺の山

2012.8.9(木)~11(土)     快晴、快晴、くもり   

9日(木) 快晴
 5:10蓮華温泉~ 7:15白高地沢 ~9:20花園三角点(9:40発)~ 11:15千代の吹上~ 12:00朝日岳山頂(12:20発)~ 13:00朝日小屋(テント泊)

10日(金) 快晴
 6:10朝日小屋~ 10:00雪倉岳山頂(10:50発)~ 13:00三国境~ 13:40白馬岳山頂(45発)~ 14:00白馬頂上宿舎(テント泊)

11日(土) くもり
 6:50白馬頂上宿舎~ 7:20白馬岳山頂~ 8:20小蓮華岳山頂~ 9:00白馬大池(9:20発)~
10:20天狗原~ 12:25風吹大池(風吹小屋)13:10発~ 15:15風吹大池登山口~ 15:40蓮華温泉


 今年は、以前から欲しいと思っていたテントと大型ザックを買って、先月、秋田駒ケ岳へ登った時に麓のキャンプ場でテントの使い心地を試してみた。なかなかよかったので、今度は山の上で使ってみることにした。行先は、以前に歩いたことがあって危険箇所も少ない上記のコースとした。

 水曜日の仕事を終えて家に帰り、荷物を積んで19時に家を出た。蓮華温泉に着いたのは22:15頃だったが、駐車場はほぼ満車で残り3台分くらいしか空いてなかったが、丁度良さそうな場所にとめることができた。運転の疲れもあって、車のシートを倒して横になったらすぐに眠ってしまった。 

翌朝、周りのざわつきで目が覚めた。少し明るく、時計は4時半。5時が日の出時刻なので支度を始める。
 5:10出発。既に何組か出発した後である。今日の目標の朝日岳や明日通過予定の雪倉岳の上部には雪が残っているがのよく見える。快晴。テント装備のザックは重いが期待で足取りは軽くなる。



 ↑ 朝日岳      ↓ 雪倉岳   どちらも山頂付近にはまだ雪が残る。


 
 


兵馬の平は湿原の花畑 。

キンコウカ、コバギボウシ、ミヤマシモツケなど。ハクサントリカブトはまだ蕾。











 歩き始めから瀬戸川までの1時間はゆるい下りが続く。まだ涼しいので軽く汗をかく程度で2時間歩いて白高地沢に着いた。先行していた女性2人組が休憩中だったが、こちらは給水タイムのみで先を行く。ここからはカモシカ坂と呼ばれる五輪尾根へのやや急な登りとなる。しばらく進んで男性3人組を追い越す。樹林帯を抜け花園三角点の手前で同じくテント装備の単独行が休んでいたので「上でまた会いましょう」と軽く挨拶して先を行く。
 8時を過ぎてこのあたりへ来ると、上から下りてくる人とすれ違うようになった。今年は富山県側へ降りるルートが災害で通行止めのせいで、かなりの数が下りてくる。



花園三角点。雲上の楽園である。





白高地沢から1時間歩いて花園三角点通過。8:20、五輪高原の開けた木道脇でおにぎりタイムとした。20分ほど休憩していると、先ほど追い越した単独行氏が先に行き、更に3人連れが追いついて休憩するというので場所を代わって出発した。

 




     ↑ ミアヤマアズマギク     ↓ イワイチョウ





↑ タテヤマリンドウ  ↓ キンコウカ


五輪高原はワタスゲ、タテヤマリンドウを始め様々な高山植物が咲き誇り、快晴で遠く小蓮華岳や白馬岳の眺望も素晴らしい。写真を撮るのに忙しく歩行ペースは鈍ってきたが、まだ9時なので余裕である。


  
 ↑  小蓮華岳    ↓ 雪倉岳






           ハクサンシャジン


 気持ちのいい五輪高原の草原帯も40分ほどで終わり、9:20、五輪の森の森林帯に入った。9時を回り、日差しも強くなってきたので、樹林帯の日陰のほうがありがたい。今日は空気も乾いていて、樹林帯を吹き抜ける風が心地よい。20分ほどで樹林を抜け、再び草原帯に出るとミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、チングルマなど今を盛りと咲き誇っている。10時前、岩の割れ目から湧き出すお目当ての水場に来た。水筒の補給とおにぎり休憩。冷たくておいしい清水だ。







 ↑ウサギギキ       ↓ ニッコウキスゲ




    
  ↑ チングルマ    ↓  ハクサンコザクラ  ミヤマキンバイ




    ↑  シナノキンバイとミヤマキンポウゲの競艶      ↓ キュウキンカ









   所々、雪の残る登山道を行く。雪渓の消えたところから次々と花畑になっていく。

    ↑  雪倉とその奥の小蓮華を望む。 


    上:ミヤマウスユキソウ     下:ミヤマツメクサ









 
  ↑ チングルマとハクサンイチゲの競艶



20分ほど休憩して再び歩き出す。花、花、花のオンパレードで写真が忙しく、歩みはのろい。11:15、千代の吹上。11:55朝日岳山頂に到着。蓮華温泉から7時間、休み休みだったが、ほぼコースタイム通り 。最後のおにぎりタイムで20分休憩し、12:20山頂発。



  朝日岳山頂。 白馬岳~旭岳を望む。   



後は、朝日小屋まで下るのみ。13:00、小屋着。テントを張って本日の予定終了。
 午後の時間は、テント内でゴロゴロして疲れをいやした。しばらくすると学生のワンゲル10人ほどが隣にテントを張り、食事の準備やミーティングなどにぎやかになったが、女性リーダーを中心によく統率されしっかりしたサークルだと感心した。


         色とりどりのテントでにぎわう。

 翌朝はワンゲルサークルの出発準備の物音で目が覚めた。何と時計はまだ3時。こちらは今日も8時間ほどの行動予定なので、暗いうちから動く必要もなく、そのまま横になって時間を過ごした。4時には出発していった。このころになると他のテントも出発準備を次々に始め、5時の日の出のころには残ったテントが少なくなった。こちらは明るくなってから準備を始め、6:10出発。残ったテントは1つだけとなっていた。小屋泊りの登山者もほとんど出発したようである。


    朝6時、テントはなくなり、小屋泊りの登山者もほとんど出発した後で、静寂。

 本日も快晴。少し風もあって寒いが、Tシャツの上に長袖シャツで出発。丁度今日から朝日岳の巻道(水平道)が通行可能となったのでそちらを行く。水平道に入り、風も当たらなくなり寒さは感じなくなった。
 前日にきれいに草刈りをされたようで、道もわかりやすい。雪の残るところも危険や道迷いの心配はない。朝日岳山頂経由より30分短縮できてありがたかった。




 
       朝日小屋を振り返る。

 7:50小桜が原、このあたりもハクサンコザクラやチングルマが見ごろだ。雪倉は雄大。




 やがて、雪倉岳への登りに入ると斜面の砂礫地にはコマクサや花の時期は過ぎているがウルップソウ
も見られる。タカネナデシコの群生は見事だ。


 上:コマクサ      下:タカネナデシコ





  ウルップソウの花は終わり

 雪倉岳8合目付近の雪渓下部で勢いよく水が出ているところがあり、水筒の水を補給。ここの水場は、融雪水のため登山地図には表示されていないが、5年前の8月中旬に通過した際も勢いよく流れていた。通常8月中は十分利用できるのではないだろうかと思われた。
 9時を過ぎて、白馬方面から朝日岳に向かう登山者と多くすれ違うようになった。

 10:00雪倉岳山頂。山頂からは、今朝出発した朝日岳や、これから目指す白馬岳、更にその奥の剣岳もよく見える。
 ここで、昼食休憩。山頂は風があったが、丁度東側の岩陰は風をよけ、日も差しているので身体も冷えず、先ほどの水でソーメンをゆでて50分ほど休憩した。ここからは眼下に昨日出発した蓮華温泉の赤い屋根がよく見える。



   ↑ 立派な山頂標識。     ↓ 鉢が岳~白馬岳に続く稜線。これからここを歩く。


   ↓ 清水岳の後ろにそびえる剱岳




 10:50、昼食休憩を終えて、出発。
 11時を回って、日差しが一段と強くなり、鉢が岳巻道あたりからは、半袖でも暑く感じるようになってきた。12時、鉱山道分岐あたりで、三国境方面から中年夫婦がやってきて、「朝日小屋までどれくらいかかりますか」と聞くので、「朝日小屋を6時に出て昼食休憩を含んで6時間掛った。」と答えると、「6時間ですか…」と言って、先に進んでいった。大半の登山者とは2時間前の雪倉あたりですれ違っているので、この時間からでは、朝日小屋まで着くのは夕刻ギリギリと思われた。しばらくして振り返ると途中で休んでいるようだったので、思い直して、引き返すことにしたのかもしれない。

     雪倉岳を振り返る


 三国境の登りにさしかかると、白馬大池方面から登山道を登ってくる隊列が見られるようになりにぎやかになってきた。


    山頂は雲海の上なのだ。2500m位までは雲海の中。上空は青空。



 残念ながら午後になって、白馬山頂にガスがかかり始め、お楽しみの眺望は今一つであったが、ガスの切れ間から時々のぞく周辺の山の写真を撮って、14:00白馬頂上宿舎のテント場に到着。
 風がかなりあって、慎重にテントを設営したが、それ以上悪化することはなく、耳栓のおかげで熟睡できた。
 
 早く寝たせいもあったが、朝方になると寒さで目が覚めた。4時を過ぎると周りのテントは、出発準備を始めるものもあり、にぎやかになってきた。いったん外に出てみたが、風とガスで寒く、今日は下山だけなので、もう少しゆっくりすることにして、テントで横になった。
 6時過ぎになって外に出ると、50張り以上あったテントは、数張りを残すだけとなり、小学生を連れた親子も出発していった。
 朝食を食べて撤収を終え、6:50、さすがに標高2700mは風もあって寒く、雨具の上を着込んで出発。白馬山頂は昨日よりもガスが濃く、時間記録のために山頂標識の写真1枚を撮って通過。


    雪倉方面は視界が効く。

 三国境を過ぎると、風があたりにくくなり、暖かくなってきたので雨具を脱ぐ。涼しいので順調に歩いて白馬岳から1時間で小蓮華岳到着、8:20。
 更に40分歩いて9時に白馬大池到着。ここで20分ほど食事休憩。曇りだが半袖でも寒さは感じない。
   白馬大池: 土曜日の午前、白馬からの下山者、栂池からの登山者と大勢が行き交う。


 時間も早く、昨日の疲れも残っていないので、前から一度行ってみたいと思っていた風吹大池を回ることとする。
 9:20発、ここから白馬乗鞍~天狗原の間は、旧盆前の土曜日とあって栂池から登ってくる大勢の登山者とすれ違った。山ガールブームもあってか、若い女性、男性も多い。

 白馬乗鞍山頂は立派なケルンと標柱が立っている。これがなければ、山頂と気づかないで通過する平らな山頂だ。


 
 10:20天狗原。ここから風吹大池へ道を分けると一気に喧騒から逃れて、誰にも会わない一人旅となった。踏み跡を見ると、先行者2人くらいかと思われたが、会うことはなかった。

 誰にも会わず、静かな湿原の木道や樹林帯の道を2時間歩いて、12:10、静かに水をたたえる風吹大池と、森の中にひっそりとたたずむ赤い屋根の風吹山荘に到着。


          白馬の喧騒と対照的な静寂の中の風吹大池




 記念写真を撮って、少し引き返し、湿原の木道脇の景色のよいところで30分ほど昼食休憩。


      静かな大自然に抱かれて至福の時間が過ぎる。

 しばらくすると女性の単独行がひょっこりやってきた。神奈川の自宅を昨夜出発して、蓮華温泉駐車場での仮眠3時間ほどで白馬大池を回って、同じルートを歩いてきたという。タフなものだと感心したが、こちらも誰も合わないと思っていたところが、同じ志の登山者にうれしくなって、この山のことや折立~薬師岳、雲の平、高天原温泉の話など、しばらく話しこんでしまった。前に日帰りでここにきて、一度この静かなたたずまいの山荘に泊ってみたかったのだとか。多分今日の宿泊者は1人のようだとか。

 そんな出会いに気を良くして、最後の下山に向かう。下りとはいっても途中までは笹目尾根の緩やかなアップダウンが続く。幸い曇りでそれほど汗もかかないので、1時間強歩き、最後の急な下りにさしかかる手前で小休止。
 30分下り、車道に出た。風吹岳登山口の標識が出ている。車道を30分歩いて、駐車場に着いた。
 車道歩きの後半で小雨が降ってきたと思っていたら、車に乗り込んで着替えているうちに猛烈な雨となった。
 これでは温泉までの2,3分の歩きも億劫だとしばらく様子見。幸い15分ほどで小ぶりとなった。
 とりあえず、内風呂で3日間の汗を流す。
 20分後に外へ出るとすっかり雨は上がり、宿泊者も露天風呂に出かけたので、こちらもGO。
 
 一番人気の「仙気の湯」につかる。後から入ってきた人も含めて6,7人が入り満員御礼。丁度雪倉も中腹まで望めるようになり、満足して帰路に就いた。
 
 今夏のメーンイベントは天気に恵まれ、予定通り楽しく終わった。

 9月は再び相棒と、草津白根プチ登山+草津温泉+オートキャンプ+信州フルーツ狩り+温泉、どんな旅になることやら。

 
  


 

コメント
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