答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

居着く自分へ

2023年09月04日 | ちょっと考えたこと(仕事編)

 

たとえばぼくの属する会社の例で言うと、朝イチバンに技術屋だけの会がある。次にあるのは技能職を加えた全体朝礼だ。日々の定例会はこのふたつだけ。週に一度行われるのは工程会議だ。月に一度の工程会議もある。あ、そうそう、主要スタッフだけの会議もあった。その他、いろんな勉強会があったり、随時の打合せがあったり、そのたびに参加者が陣取る位置には、これといって決まったものがない。

だが不思議なことに、どのメンバーも同じ位置を選ぶ。何回開いても同じだ。何がその選択を左右するのだろうか。性格だろうか、好みだろうか、惰性だろうか・・・。一人ひとりをとると、何も考えずにそのチョイスをしている者が多いのだろうし、そんなこと取るに足らないことのようにも思える。だがその事実は、皆が気づかないうちにそれぞれの思考や行動を束縛している。

同じ角度、同じ方向から見聞きするものと、正反対の位置取りをする人が受けるものは、同じ人を見て同じ話を聞いていても、きっと必ず微妙にちがったものになるはずだ。そして、それがいつしか固定されると、固定観念と惰性を生み出す素となる。そうなることが、組織にとってもその人個人にとってもよかろうはずがない。

やっかいなことに、人間がもつその習性は強力な磁力を有しているようだ。それを打破せんと意識をして、時おりは会での席を変えているぼくにしても、その例外ではない。気がつけば、いつも同じようなところに陣取っている自分がいる。そしてあろうことか、時々はこう思ってしまうのだ。そこはオレの席じゃないか・・・

生物としての人間は変化する。一秒たりとも同じではない。必ず変化している。だが、人の意識は多くの場合に変化を好まない。今日までも、あしたからも、同じ自分が在ると錯覚している。そんななかにあって惰性に陥らないためにはどうすればよいか。日常のちいさなことから、居着かないことを常に意識して日々を過ごすのは、その一方策として効果的だ。

たかが座席の位置だと思うなかれ。「居着く」心はそんなところから始まっている。そして「居着く」は諸悪の根源だ。そこから生ずる惰性や固定観念は、発想や行動を束縛し、創造するちからを奪い取ってしまう元凶だ。

天才級の人物ならいざ知らず、貴方やぼくのような凡人ならば特に、ふだんのちいさなことからそこを意識づけることが居着かないための初めの一歩だ。

ぼくはそれが、たとえば「座席の位置」にあると思う。

結局のところそれは、そうやって意識づけをしなければすぐに居着こうとしてしまう自分への注意喚起であり、警告に他ならないのだけれど。

 

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2 コメント

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再開! (マウイオニオン)
2023-09-05 09:30:18
ブログ休止から久々に覗いたら、なんと再開してる。
何だか元気出ました。同年代なので
私も頑張ろうって。
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ありがとうございます (みやうち)
2023-09-05 12:02:04
いつ再開するかもわからない
そもそも再開するのかどうかもわからないブログを覗いてくれる・・・
それだけでありがたいことです。
これからはボチボチやるので、よかったらまた覗いてみてください。
返信する

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