池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

74号「池田湖周辺住民の民度」

2010年07月12日 | Weblog
風が強かった翌日、同じ場所で写した写真です。
池田湖周辺の村では資源ゴミの回収は割ときちんと行っているようにみえます。それぞれ責任者を配して分別しています。各家庭の分別ゴミの収集です。住民のほとんどが、農民です。水道は以前は各村で独自にわき出る水を簡易水道として利用していましたが、現在は指宿市が池田湖の水(池田湖の岸辺にポンプを据え付けて地下水を揚水して、います。指宿市は地下水だと言っていますが、池田湖のほとりで揚水していますから池田湖の水そのもの)を利用するようになりました。5万人くらいの住民の水道水です。池田湖の水は、一昨年までは薩摩芋をすりおろして澱粉を作る、(澱粉工場)が排水を垂れ流していましたが、これは現在は止めました。しかし、鯉を養殖する生け簀が存在します。生け簀養殖が魚の食べかす、食べ残しが水中に垂れ流しになるので全国で海を汚すとして大きな問題になっていることは皆さんご承知の通りです。大洋で問題になっている魚の養殖が池田湖という内水面で公然と行われています。そのほか家庭排水が垂れ流しで池田湖水を形成しています。そして池田湖をダム(南薩畑灌)として利用するためには池田湖水渇水期対策として、隣接した南九州市の2河川から河川水をそのまま流入させる大がかりな設備が大金をはたいてできあがっています。

これらの仕組みを見ると生物多様性の考え方など微塵も感じられない設備ですし、それどころか外来魚の増加や鯉ヘルペスの発生する原因にもなっています。無知で、時代遅れの行政が現在も続いています。指宿の住民も今ではペットボトル入り飲料水を飲む人がふえていますが、池田湖の水はその昔世界有数の透明度を誇っていた時代もあったのです。

さて、家庭で使ったペットボトルや発砲スチロールは前述したように、分別して回収していますが、畑で「こびる」として頂いた、容器は家に持って帰らず捨てたり、生ゴミなどを水に流してしまう家庭も多いと思われます。鯉の食べ残し、家庭排水などが池田湖を汚染する原因です。近くに九州で二番目(一番大きいのは池田湖)に大きい鰻池がありますが、ここはゴミの廃棄や周辺畑での農薬の使用、湖への立ち入りなど厳しい規制を敷いています。対して池田湖はまったく何の規制もありません。今、ゴミを廃棄した水を明日は住民が飲んでいるのにです。

強風にあおられて流れ着いたゴミの山です。住民はゴミ収集には熱心に見えますが、ひとたび池田湖が荒れるとこの有様です。私たちの池田湖への関心が高まることを私は切に望みます。

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