自治体運営、人口減で困難 若い女性半減で消滅 続く人材流出 新たな試算
20~39歳の女性が2040年に10年の半分以下となる自治体は896市町村に上るとの試算を、有識者でつくる日本創世会議が公表した。
Q.若い女性の将来人口を試算した理由は。
A.子どもを産む中心の年代だからだ。一人が産む子供の数が今より増えても、女性の数が大幅に減れば人口は減り続ける。
Q.人口が減り続けるとどうなるか。
A.創成会議は、896自治体を「消滅可能性都市」と名付け、将来は地域が崩壊する恐れがあると説明した。このうち523自治体は、40年時点で人口1万人を切ると見込まれ「消滅の可能性がより高い」としている。
Q.自治体がなくなるのか。
A.人口がゼロになったり、町や村が消えてなくなったりする意味ではない。人口が減り続けると、統廃合が進み最後に残った小学校でも一つの学級を編成するのも難しくなる。財政が破綻し、お年寄りが利用するバスの運行ができない事態も想定するなど、自治体運営は困難になる。
Q.896自治体は多い。
A.全自治体の49.8%だ。山あいの過疎地域が多いが、秋田市や東京都豊島区など規模が大きいところもある。若い女性の減少率が最も高いのは群馬県南牧村の89.9%。40年に10人になると試算された。
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若い女性の減少率が高い自治体
①群馬県南牧村 総人口 626人、20~39歳の女性 10人、減少率 89.9%
②奈良県川上村 総人口 457人、 20~39歳の女性 8人、減少率 89.0%
③青森県今別町 総人口1211人、 20~39歳の女性 20人、減少率 88.2%
④北海道奥尻町 総人口1064人、 20~39歳の女性 27人、減少率 86.7%
⑤北海道木古内町 総人口2057人、 20~39歳の女性 45人、減少率 86.5%
⑬徳島県須賀町 総人口3320人、 20~39歳の女性85人、減少率 83.7%
⑭高知県室戸市 総人口4868人、 20~39歳の女性156人、減少率 83.4%
⑮新潟県粟島浦村 総人口163人、 20~39歳の女性 2人、減少率 83.2%
⑰京都府南山城村 総人口1223人、 20~39歳の女性 42人、減少率 83.0%
⑱和歌山県高野町 総人口1680人、 20~39歳の女性 47人、減少率 83.0%
(東京新聞27日より抜粋)
想定以上に地方の過疎化が進み、人口減をもたらし、特に、若い女性の流出が増えている。ワースト20自治体のうち、北海道が6自治体と最も多く、群馬県と奈良県が3自治体と続く。中でも驚くのは、室戸市という市、京都府でも起きているということであろうか。もっと下を見れば、東京都の23区、豊島区でも危ないということであろう。日本の現在の約半数の自治体が「消滅可能性都市」になっているということで、かなり深刻な問題であると思うが、国会議員や地方議員、国会や地方自治体の議会でも、それ程深刻に受け止めていないのが残念である。