ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

路上生活にさようなら

2009年12月10日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

アイキャンの路上教育に参加していた1人の男の子が、路上生活に区切りを付けました。

14歳、日本で言えば中学2年生にあたります。でも、アルネール(仮名)くんは、小学校の3年生くらいにしか見えません。路上生活は約2年、お父さんは亡くなり、お母さんは行方不明、唯一頼れるお姉さんも病気のうえ、赤ちゃんを抱え、アルネールくんの面倒を見れません。

彼は、路上で寝起きをし、物乞い、靴磨きなどで生計を立てていました。路上で暮らす以前も、決して楽な暮らしではありませんでした。お父さん生きていたときも、お父さんは川の中の海草を取って売る商売をしていて、本当に食べるものがなく、みんながりがりに痩せていたと当時のことを話してくれます。彼の体の小ささが、今までどんな人生を歩んできたのか、物語っているようです。
 
私にとっても、とても印象的な男の子です。初めて路上で会ったとき、みんなと遊ぶアルネールくんの姿を今でも覚えています。昔、教会で教えてもらったことがあるんだと、少し知っている英語で話しかけてくれました。歌もダンスも大好きで、ちゃめっけのあるかわいい男の子。会えば、必ず抱きついてきてくれます。

そのアルネールくんが、子どもだけで住む施設(フィリピンのパートナーNGOの経営)に移り新しい生活をスタートしました。彼が施設に行くとき身につけた服は、アイキャンが寄付でいただいたもの、そして、持ち物は、ポケットに入っているメンコだけです。


[施設を見て回るアルネール]

「僕は、勉強がしたい。路上で生きていくのはとても大変だし、学ぶものは何もないんだ」とアルネールは、話してくれました。アイキャンのスタッフは、施設と交渉し、彼の書類をそろえるために、以前2年生まで通っていたという学校まで何度も足を運んだりといろいろなプロセスを経て、ようやく、施設での生活がスターとしました。今日は、どんな気持ちで寝ているのでしょうか?不安な気持ち、ちょっとわくわくする気持ち?路上で寝ている時に、熱いコーヒーをかけられたことがあり、寝れない時があると言っていました。今日はぐっすり眠れているでしょうか?

アルネールくんと、もうあの路上で会えなくなるのかと少し寂しい思いもします。でもアルネールくんのお姉さん、路上の仲間、そして私たちアイキャンスタッフみんなが応援しています。私たちは、彼の「だって、僕は勉強がしたいんだ。ここでやっていきたいんだ。」と言った、彼の目を信じています。自分で自分の未来を拓いていく力を彼はすでに持っています。あとは、私たちは、見守っていくだけです。


[アイキャンのソーシャルワーカーのメアンと一緒に]

路上のキッズパートナーさんの会費や皆さんからの寄付金によって、アルネールくんは、ここでの生活費や学校にかかる費用を気にせず学校生活に戻れることになりました。日本の経済在状態もあまりよくない中、会費やご寄付をしていただくのも、大変なことかと思います。皆様からお預かりしたお金をこれからも着実に子どもたちの生活をよくしていくために使用させていただきます。心より感謝しております。

******************************

路上の子どもが幸せに成長できるように、会員になっていただける方を募集しています。
http://www.ican.or.jp/street.html

ご寄附の受付はこちらとなります。
(認定NPOのため、5000円以上の寄付は税制優遇の対象となります。)
http://www.ican.or.jp/members.html

子どもたちの教育環境を向上させる「書き損じはがき」も募集中です。
http://www.ican.or.jp/kakisonji.html

エコポイントをアイキャンに寄付することにより、「環境xフェアトレード」を盛り上げることができます。
*詳細:エコポイントカタログ⇒「環境活動を行っている団体への寄附」⇒「 b.リサイクル廃棄物対策」⇒「K35アイキャン」へ

その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのHPへ
http://www.ican.or.jp/

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。