ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ピキット避難民、および帰還民と「ともに」おこなう平和構築活動。

2008年08月25日 | 紛争地の子どもたち
ゆきも@まにら

8月5日に北コタバト州で勃発したミンダナオ島での戦火は、3週間近く経つ今も各地で住民の豊かな生活の営みを脅かし続けています。空襲や集落の焼き討ちなど、直接的な戦闘の被害を受けた子どもたちも、避難所で決して十分とは言えない医療処置を受けながら密集住宅で生活しています。避難所では、下痢症や咳、風邪、はしか、水ぼうそうなどの感染症が蔓延しており、戦火を逃れた子どもも、充分に栄養が取れない状況下で、肉体的・精神的な疲労が極限に達しています。

ICANは、これまで現地スタッフ、現地カウンターパートや関連機関とともに、避難所での調査結果、住民からの聞き取りを進めてきました。その結果、今回の一連の政情不安によるピキットでの混乱に対応するために、通常の事業に加え、以下の緊急活動を実施することを決定致しました。緊急人道支援活動の対象となる集落の集合体は、ICAN事業地ピキットの7集落の北部にあり、今回の紛争で激戦地となった最も被害が深刻な地域です。

*****ICANミンダナオ島紛争地における緊急支援活動の概要******
事業説明および目的
今回の武力衝突でもっとも弱い立場に置かれ深刻な影響を受けているのは子どもたちである。これらの子どもたちの生存、保護、発育(健やかな成長)の基本的な子どもの権利を踏まえた人道的支援は緊急になされなければならない。ICANはバライとともに、7つのピキット北部の集落を対象とし、集落から追いやられた子どもたちの居住空間の再建・復興を後押しする。これらの集落ではこれまで、青少年による「平和の文化」創りが行われてきた。しかし、最近の紛争によりその機能が著しく損なわれ、住民の手による地域の平和創りの復興が強く求められている。影響を受けた人に対する支援活動は、地域レベルで「平和を再び取り戻そう」という意識の高まりを促進することが最優先である。

「子どもの居場所(スペース)作り」で目指すものは、子どもたち自身が今現在置かれている状況下で、自らを「見える存在」にすることである。避難所や実際に交戦が起きた地域の中で、子どもが安心して日々を生きられるスペースを確保することは、子どもの疎外感や精神的な孤独感、恐怖感を払しょくすることにつながる。
「子どものスペース」では、子どもや若者がもつ様々なニーズ(生存、学び、成長、発展、精神的発展)に、家族や先生など地域の大人たちが気付き、応えていく。本事業は、「子どもが安心して生きられるスペース」創りを通して、子どもと大人たちが「ともに」取り組む地域の平和作りの第一歩の活動となる。

事業コンポーネント:以下の3つの主な活動を実施する。
A.炊き出し
B.子どもと若者を対象とした遊びおよびアート活動
C.平和活動
1. 緊急事態ストレス・ デブリーフィング(CISD:Critical Incidents Stress Debriefing)
*感情やトラウマを引き起こす原因となるショックな出来事について声に出して経験を語り、心理的な重荷を取り除いていく癒しのプロセス。
2. 地域に既存の住民組織・ボランティアグループの復活
3. 平和学習

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今後もICANはこれまで行ってきた川沿いの7集落での教育事業を引き続き行います。

ICAN事業についてはこちらを!
http://www.ican.or.jp/pikit.html

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