北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第141回 通州の胡同・西順城街(その二) ここは「毛家胡同」です。

2017-05-09 10:27:57 | 通州・胡同散歩
前回に引き続き、西順城街をご紹介。





春聯がありました。



しかも、通州で見た春聯の中では、このような貼り方は初めて。
ちょっと、感激でした。







お次は、私好みの木製門扉。






細かい指摘で恐縮です。

この春聯は、1984年地元通州で産声を上げた「強力家具」(正式名「北京強力家具有限公司)が
お客さんに配ったもの。春聯の配布とは、強力家具もなかなか心憎いことをやるものです。



年季の入った門扉を「素敵だなぁ」と思うのはもちろん。その門扉をカバーする金属板が、
私の思いに拍車を駆けます。



参ったなぁ、右手に路地。



もちろん、入ってみました。





まずは、玄関上部に貼られた「百福臨門」。
北京の胡同などで「五福」はよく見かけますが、「百福」は初めてではないかと。



そして、中に入ると突き当たりの壁に「百福」に正比例するような大きな「福」の字。
影壁の役割を持っているのかもしれません。



こんなに大きな福の字にはめったに出会えません。
貴重な体験でした。



突き当りを左折。





この路地を出る時に見かけた洗濯物。
ご覧のように馬、リス、キリン、花が描かれた可愛らしい幼児の衣服です。



小さなものは大きい、大きなものは小さい。
ひょっとして、そんなパラドックスも成り立つんじゃないかな?と
思った路地体験でした。







右手に再び路地。



実はこの路地、西順城街と悟仙観とをつなぐ間道で、それでいて西順城街にも悟仙観にも
属していない独立した胡同。名前は「毛家胡同」。気を付けないと地名を間違えてしまいます。

今回は悟仙観側から歩いた場合をご紹介いたします。







お気づきのようにチョークで「毛家胡同1号」と書かれています。



この胡同には、なぜか正式な門牌(住所表示板)が貼られておりません。



まるで天や地や日や月のような、よりプリミティブな古層がひょっこりと
顔を出していました。









門牌は貼られていませんが、春聯は貼られています。









この胡同、その名称からお分かりのように「毛さん」という姓の方が住み始めた
のが、名前の由来。『北京胡同志』によれば、1913年前後から住み始めたという
ことです。それ以上のことは『北京胡同志』には書かれていないのですが、この
胡同が西順城街にも悟仙観にも属さず独立した地名を保っているのは、なぜなの?
そんな疑問を胸にこの胡同を後にしました。



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