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Re=response=応答、感応=物事に触れて心が動くこと。小田和正さんの大好きな曲からいただきました。

今年いちばんの感動

2009-12-27 | 観る、聴く

いやあ・・号泣でございました。

『22'50"』

歌の力って、素晴らしい!!
みんな、なんて楽しそうに歌うんだろう!
なんて綺麗な涙なんだろう!

小田さんが、21組34人のアーティストが、辿りついたところ。

間違いなく、今年いちばんの感動を、わたしにくれました。
素晴らしいクリスマスプレゼント。

ありがとう!!


まったく言葉が出ません・・(笑)

あっきー トワイライトライヴ♪

2009-12-19 | 観る、聴く

あっきーが、久しぶりに名古屋に来てくれました♪
ひと足早く、クリスマスプレゼントをもらえた気分です。

中川晃教 トワイライトライヴ
松坂屋南館オルガン広場 12月19日(土) 17:30

『蛮幽鬼』を最後に春まで冬眠・・のはずだったのに(笑)
あっきーだし・・(行きたい)
小1時間の無料ライヴだし・・(かなり行きたい)
なんてったって、松坂屋でしかできない買い物ができちゃったんだから
しょうがないじゃん、ついでよ、ついで(嬉)
(おちびがカブの帽子を失くした。明日募金活動があるから必要。
 ボーイスカウト用品は松坂屋本店にしか置いてない!)
・・というわけで「ちょっと行ってくるね~♪」と急遽おでかけ。

オルガン広場には、スワロフスキーの素敵なツリーが。
カメラを忘れたので残念!・・と思いきや、
あっきーが撮ってくれていました(笑)→こちら「エンジェルを探せ!」

松坂屋さんはずいぶん前からあっきーがお気に入り、だよね。
なんてったって、一昨年冬のキャンペーンソングは
原田真二さん作曲、あっきー作詞の『終わらないクリスマス』
それ以前のも含め、オルガン広場でのミニライヴはもう何度目だろ?
あっきーもかねてより「名古屋大好き!」って言ってくれているから、
名古屋にあっきーを迎えるのは、ほんとうに嬉しい♪

椅子席・立ち見席の整理券は午前10時から配布とのことで、これは最初から諦め。
オルガン広場は吹き抜けなので、2階・3階からも見られるからよいの。
30分前には買い物を済ませ、2階になかなかのポジションを確保。
ほぼ定刻どおりに現れたあっきー、
今日は、落ち着いた明るめの茶髪に、インナーも含め真っ黒なスーツ姿。
こんなシックで大人っぽいスタイルのあっきーを見るのは初めて?!
でも、よくある不思議ちゃんスタイル(笑)よりずっといい。

小さなステージ中央には、エレキピアノが1台だけ。
今日はすべて弾き語り、あっきーの伸びやかなハイトーンボイスが、
吹き抜けを気持ちよく突き抜けます。

1.明日に架ける橋
2.I'm gonna stay with you
3.Miracle of Love
4.終わらないクリスマス
(アンコール)
5.I'll get your kiss

1曲目に『明日に架ける橋』ちょっと驚きの選曲。
あっきーが好きだというアレサ・フランクリン(だっけ)のちょっとポップな
アレンジが新鮮でした。
2曲目、ライヴでこれを聴くのはわたしは初めてかな~。
「これぞあっきー!」の聴き応えあり。すばらしかったです!
3曲目、新曲??知らないわたしって(汗)
4曲目『きよしこの夜』のきれいなハミングから繋いでくれました。
この曲は原田さんが歌ったほうが大人っぽくて好きなんだけど(笑)
あっきーのは初々しくてほんわかしちゃうクリスマス♪

1曲歌うごとにいろいろ話してくれたのだけど、あっきーの喋り方ではちょっと
聞きづらくて、話はあまりよく聞き取れなかったのが残念。

4曲歌い終えると、両手を大きく振ってごあいさつ。
最初は正面のお客さんに、次にステージに近いほうの2階・3階の
お客さんに、そしてこちら、ステージからちょっと遠いほうへも、
身をぐっと乗り出してうかがうように両手を振ってくれました~。
ありがとー、あっきー!
そのときのあっきーの様子がかわいかった♪

アンコール曲は『I'll get your kiss』
ライヴならでは、弾き語りならではの自由度。やっぱりうまいっ!
最後のサビで「おれは名古屋をはなさないぞ~!」って(笑)

再び両手でバイバイのあと、いつもの投げキッス×2(笑)
いつまでたってもカワイイゾ(笑)

ライヴのあとは、会場であっきーのCDを購入したお客さんは、
あっきーと握手&CDにサインも入れてもらえちゃう♪という企画も
あったのだけど、これはまことに残念ながらパス(涙)
子どもたちに「7時には帰る」と約束してあったし、
新しく買うCDもないからねえ。・・もう1枚買えってか(笑)
ライヴ直後の会場にはたっくさんのお客さんが並ぼうとごった返していました。
あっきー、よかったね♪


久しぶりに聴く、大好きな、ほんとうに気もちのいい歌声でした!
もっともっと聴いていたかったなあ!
東京ばかりじゃなくてまた名古屋でも、たっぷりライヴを楽しませてほしい。
2月にブルーノート名古屋で、原田真二さんとジョイントライヴが
あるようですが、、もうさすがに行けないから(涙)
次の機会を待ってるからね、あっきー。

で、そのあっきー。
今年夏の舞台『死神の精度』が25日深夜に放送されるのだよね!
これは、香川さんやラサールさんとの共演だったし、
どうしても観に行ってあげたかったけど、結局都合が合わなくて断念。
だから映像で見られるとあって、もう感謝感激!楽しみですっ。
なんだけど・・
その日その時間は、毎年恒例小田さんの『クリスマスの約束』が!
うわあ、重ね重ねごめんよ・・あっきー。
後日、録画したものを見させてもらいます。

今年のクリスマスは、
小田さんとあっきーから・・ふたつのプレゼントです♪♪

ありがとう、そしてバイバイ♪『蛮幽鬼』

2009-12-06 | 観る、聴く

もうほんとうに今さらなのですが、
大千秋楽の感想が中途半端に終わったまま~(大汗)
あとはたいしたこと書き残しているわけでもないんだけど(笑)
早く書ききらなくちゃと思いつつ、
どうしても平日の夜はこの椅子に腰を落ち着けた途端眠くなるのでダメでした。
結局、あの日から1週間以上も経ち賞味期限切れもいいところ。
でもやっぱり思い出としてちゃんと書き残しておきたいから。
『蛮幽鬼』を振り返るのもこれでほんとにおしまいといういうことで、
最後は思いきりミーハーに(これまでもいい加減そうか~、笑)
書きたいこと書いてしまおう♪♪


・やっと感じられた、駆け抜ける風~♪
この日は13列目でしたから、後ろが通路です。
先日の観劇で、ここを土門たちが駆け出していくのをチェック済み。
全3回の観劇で、役者さんがいちばん近い瞬間、まさにこの時だけ最前列!(笑)
監獄島を脱出する前に、土門がペナンを探しに行くシーンです。
舞台を降り下手側通路を駆け上がってくる土門、
13列目でコーナーを曲がり、来た来た~~~っ!!
あっという間ですけどね・・
暗いし、もじゃもじゃであんまりお顔が見えませんでしたけどね・・
できれば飛頭蛮のお姿のほうがよかったなとか・・
先日にくらべ、今度は上手側がえらくおトクではないかとか・・(ちっ)
贅沢にもそんなこともちょっと思っちゃったけど(笑)
いいんですっ!
風をしっかり感じたから。頬に・・髪に・・。
覚えていますよ、今でも。その風が走りゆく感触。
わたしも土門の、手ではないけど、風に髪を撫でてもらった・・つもり♪♪

・揺れる首飾りにドキドキ・・。
先回の観劇のとき、たまたま気づいたこと。
あれは・・2幕、惜春が謀反を企てた罪で道活・浮名らを捕縛し、それを
鹿女が阻止しようとして宮中が大混乱になったとき。
下手花道に下がってその様子を驚きつつもじっと窺っている飛頭蛮とサジ。
飛頭蛮の様子をうかがおうと目をやったとき、わたしの目を釘付けにしたもの、
それがあの大きな首飾り。
ちょうどみぞおちのあたりに飾り部分が下がっているのだけど、
それが上川さんの呼吸(もちろん腹式呼吸ね)に合わせて、というか乗って?
大きく動くわけです。
その日は11列ほぼセンターだから、ちょっと距離があるのだけれど、
肉眼で見てもしっかりわかるくらい、動く動く(笑)
殺陣をした直後でもなく、ひどく興奮しているシーンでもなく、
だからごく普通の呼吸状態のはず。だけど、すごく大きく浮き沈み?する飾り。
こんなふうに、役者さんの息づかいを感じるのって初めて!(きゃあ♪)
そしたら、もうすっかりドキドキ!舞台中央はそっちのけ(笑)
そして今回。
同じシーン、下手側の席なので先日よりずいぶん近く見えます。
先回のようにド興奮(笑)はしなかったけど、今度はあの揺れ=呼吸のリズムが
なんともおおらかで心地よくて。ついつい見てしまう~~。
女を上げた鹿女の名シーンを・・ああ、わたしったら、ごめんなさい。

・驚きのおばちゃん。
お隣席のご婦人(わたしの母世代と思われる)、開演前から隣席のお連れの方と
出演の役者さんたちについていろいろおしゃべりなさっていたのだけど、
舞台が始まるとまもなくうとうと、うとうと、うとうと・・(延々)
どうみても全編通して、時々寝ていたというより時々観ていたといったほうが
いいくらい。
それが、笑いのコーナーには必ずガハハ笑いで参加なさる。起きていたのか?!
特に、じゅんさんのコール&レスポンスやカテコには大乗りであった。
上川さんのカミカミにはひときわ大ウケであった。ファンなのか?!
もちろんおせんべいは早々にゲットしていた。くそぅ。。
そして帰り際、お連れの方と「おもしろかったわあ!」とゴキゲンの様子。
いやあ、おもしろかったのは貴女です(笑)

・お煎餅ゲット♪
カテコは、上川さんいきなりのカミカミ×2ですっかり和やかムードでした。
「そこ、空気読めてないですからっ」と客席へのツッコミまで入り絶好調(?)
堺くんのちょっとウルウル気味な挨拶のとき、隣でさりげなく親指で目頭を
押さえる上川さん。・・おや?もしかして・・
と思ったわたしがバカでした~!そのあと大袈裟に袖で涙をぬぐうしぐさまで。
くそぅ・・空気読んであげたのに(あ、読めてないのか?笑)

そして、さあ『SHIROH』大楽以来4年ぶりのお煎餅撒き参戦!
あれから新感線の公演には何回か出かけたけど、たまたま千秋楽には
行っていなかったので、ほんとにあの日以来です。
うぅ・・思い出すなあ。同じ劇場、しかし高い高~い3階席。
せっかく劇団員さんが来てくれたけど、もうちょっとのところでいただけず。
いつかかならず・・・の日が、やっとやってきたわけです。
しかし・・どうやったって飛んでこないだろう・・な、微妙なお席なわけで。
後ろの通路を行く劇団員さんも後ろの方たちに配るのに一生懸命。
そんななか、突然どっかから降ってきた?お煎餅を隣のおばちゃんがゲット。
くそぅ・・気づかなかった(涙)
どんどんお煎餅がなくなっていく・・
ああ、もうしゃあない、我慢するよ、大人だ~か~ら~っ!(涙)
というわけでお煎餅は諦め、投げる上川さんを鑑賞することに。
フリスビーみたいに、スナップ効かせてぴゅっぴゅっと投げる姿がすてき♪
よく飛ぶな~~と感心していたら、なんとこっち来るっ!
届かないとは思えどちょっと期待(笑)
こちらサイドの11か12列通路際の席まで届いた様子。
おいおい、もうちょっとじゃん♪がんばれ~~と思ったけど、もうおしまい。
ふん、「たかだか40円か50円の煎餅」じゃん。
西川さんから直接いただいたバラのほうが嬉しいもんねっと拗ねた。
大人だ~け~どっ。
そしたら、なんと前方のお客さんからお煎餅が手渡しで何度も何度も
送られきたので、なんとかわたしも貴重な1枚をいただくことができました♪
もちろんまわりのみなさん、たぶんほとんど全員にゆきわたったと思います。
通路を隔てて14列目以降の方にも送ったし。
うぅ、、みなさん大人じゃ~~ん(涙)
念願のお煎餅握りしめ感動!のとき、舞台の両袖からシュポッ~~ン!!と
金銀のテープが。・・・これはなんなく、自然に手元へ落ちてきてくれました。
お煎餅と銀テープを握りしめ、笑顔の役者さんたちにありがとうの拍手拍手。
ああ、やっぱバラより煎餅・・(爆)

挨拶を終え舞台袖へ引く際、必ずもう一度深々と一礼するはずの上川さんが
この日はそれをせずにさっと去っていってしまいました。あら??
下手側では同様にするはずの堺くんが袖に取り残されて「えっ?!(笑)」と
慌てて引っ込み、それを見たお客さんも爆笑。「か~わいい~♪」ってね。
そんなことが2度ほどあったかな。遊ばれていたのね、堺くん(笑)
そして3度目かな?
「あらら、また~?」な堺くんが引っ込んだ瞬間、上川さんが戻ってきて
いつもの一礼。イジワルね(笑)
精魂尽き果てたかのような芝居の直後とは思えないほど、上川さんも堺くんも、
ほんとうにすてきな笑顔を見せてくれました。

・再び戯曲を手にとって。
東京公演を1回、大阪公演を2回。
計3回を自分なりに存分に楽しみ、目に耳に心にしっかりと焼き付けた芝居は、
戯曲に並ぶ台詞の1行1行、ひとことひとことを目で追うごとに、
いきいきと鮮やかに甦ってきて、いつでもあの世界に帰っていけます。
1冊の戯曲本が、いまやまるで3D絵本のようです♪

「そろそろ彼がやって来るころだ」サジが舞台を去って始まる、最後の場。
土門が、美古都が、サジが、刀衣が・・その心を大きく揺さぶられ、
物語が大きくうねる、あの激しく濃厚な舞台の時間が、
戯曲ではたったの20頁だったことに、今さらながらちょっと驚いています。
それも、それ以前の頁に比べてあきらかに、台詞ひとつひとつは短いものが多く、
台詞とト書きが交互に並べられていて、表面的にはスカスカに見えます。
でもその短い台詞と多くの行間が、表現者たち(役者のみでなく)によって、
そして観る者の想像力(妄想力?笑)によって肉付けされ、あれだけ骨太な
ものに成長していったというわけですね。
それが芝居の、舞台の面白さ、なのかな・・あらためて、凄い!と思いました。

・嬉しい!!
上川さんも、堺くんも、そして新感線と中島脚本・いのうえ歌舞伎・・
わたしの大好き!がてんこもりの作品だったから、期待どおりの、いや
最終的には期待以上の作品に仕上がり、それをわたし自身存分に楽しめたことを
今ほんとうに嬉しく思えます。
それから、一緒に観劇できなかったけれど大阪公演を観に行った何人かの
友だちやよそのブログなどで、特に上川さん贔屓でもない人たちから、
「上川さんて凄いね!」とか「上川さん、ほんとうにいい役者だね!」という
感想を聞いたり読んだりすることが多かったのも、とっても嬉しかった!
なかには日ごろ手厳しい友だちもいたしね(笑)
だから「でしょ、でしょ!!どーだいっ!」と鼻た~かだか♪♪
イタイファンだと思われるのを覚悟で書きますが(笑)
今回の芝居では、まことにアッパレ!!でございました。
ファン歴は全然長いほうではないですが、そんなわたしから見ても、
「でっかい役者さんになったな~!」と感慨ひとしおでした(涙)
上川さんてね、映像にしろ舞台にしろ、作品を重ねるごとにその経験を
しっかり自分のものにして、次の作品では必ず(!)成長を見せてくれることに、
常々感心するし、嬉しい、応援のしがいがあるのです。
「あ、あの時の芝居が活きているな」と感じることが最近とみに多いのは、
映像も含め、間違いなくここ数年の大きな仕事への挑戦とその成果でしょうね。
もともといい役者さんですけど、まだまだどんどんうまくなっている!
そして、これからもきっともっともっとうまくなる!
と、これまでを見ていれば確信できてしまう。
それがただ嬉しくて嬉しくて。

次は、いよいよ蜷川シェイクスピア、それも超大作への挑戦ですね。
わたしがこれまで夢見てきたことの、最後のひとつ。
「気負いはない」のひとことで、
ああ、またきっと大丈夫だ、きっとまた大きくなってみせてくれる、と
不思議と安心感を得ました。
普通ならちょっと怯んでしまいそうな大作も、
やっぱり「楽しみで仕方ない」とまず思えてしまう上川さん。
早くもそんなふうに目を輝かせている上川さんを見ているのが、
今はとっても嬉しい。
そして、そんな期待と意欲とこれまでに積み上げてきた経験を
ひと冬のあいだにたっぷりと醸成させて、
新しい春の息吹とともに、ヘンリー六世として帰ってきてくれるのを、
心から楽しみにしています。

昨年の舞台観納めは上川さんの『表裏源内蛙合戦』
今年も、ちょっと早いけれど『蛮幽鬼』をもって観納めとしました。
いよいよ長男の高校受験が差し迫ってきたので、
受験が終わる3月末まで、わたしも観劇はお休みします。
11月末から年末には魅力的な舞台が名古屋でもいくつかあるのだけれど(涙)
『蛮幽鬼』で締めるのが、やっぱりわたし的にはベスト。
だって、こんなわたしを待っていてくれるかのように(←暴言)
そのころには『ヘンリー六世』で上川さんが帰ってきてくれるのだもの♪
冬のあいだ、土門とヘンリーのあいだに、誰も入れたりしないわ(笑)


・・というわけで、
これでわたしのなかで『蛮幽鬼』もようやく幕を下ろすことができそうです。
すでにあれこれ、ワクワクするような○○やら△△やら××やら・・目白押し!
さっき「誰もいれたりしない」と誓ったばかりって?
もちろん、心の別のお部屋で楽しむんですからね~~♪♪(笑)

長い間夢中にさせてくれてほんとにありがとう、素晴らしい舞台『蛮幽鬼』!
また会える日まで! 

『蛮幽鬼』 大千秋楽(2) 

2009-11-29 | 観る、聴く

ラストステージの観劇で強く印象に残ったシーン、続きです。

浮名、空麿たちが次々殺されていくのを目の当たりにした直後の土門。
「俺は・・復讐を果たした。俺は復讐を果たしたんだ・・」
そう自分に言い聞かせるようにして、へたり込んだ土門の目には涙。
自ら手を下すことなくあっけなく、しかし思いもかけぬ凄惨さをもって
幕切れを迎えた己の復讐の結末に、悔しさだとか虚しさだとか悲しみだとか
感じる以前に、茫然自失といった表情でした。
そんな土門に駆け寄り、彼を励まし奮い立たせようと懸命な仲間たち、
ペナン、ガラン、ロクロクの姿に涙が出ました。
しかし彼らの声は土門の耳に届いたのか届かなかったのか、、
「いいや、まだだ!俺はまだ調部の仇をとっていないっ!」と彼らを振り切り
立ち上がった土門には、どこか正気を失ったような感じを受けました。
以前は、そこに正気を取り戻した感じを得た記憶があるのですが。
このとき、土門のなかの何かが狂い始めたのかなと感じました。
そのときから土門の運命がほんとうの悲劇に向かって動き始めてしまった
ということでしょうか。

土門VS蔵人・刀衣の戦い。
3人とも、この日このときの気魄には凄まじいものを感じました。
「弱い、弱すぎる!」とかつての親友であり武人頭の蔵人を嘲るように
嗤う土門がほんとうに恐ろしく見えました。
そして三つ巴の戦い。かっこいいをはるかに通り越して怖いっ!!
刀衣の太一クン。その舞うように流麗な剣さばきに、いつのまにか本格派の
力強さが伴うようになったのを感じました。
それに合わせる上川さんもますます速さと重さを上げているように見受けました。
ここまで積み上げてきた信頼関係の賜物なんでしょうね。
芝居とは思えないほどの闘志のぶつかり合いでした。怖~~!!
結果、「強い!」と漏らした刀衣の驚きが真に迫って聴こえました。
いやはや、ふたりとも怪我がなくて済み、ほんとうによかったと思います(涙)
上川さん、『TRUTH2005』の大楽以来ですね~、あれほどの殺意は。
ほんとうに斬ってしまうんじゃないかとビビりましたよぉ・・。

「調部を殺したのはおまえか?」
「なぜ黙っていた?」
少しずつ真実が見えてきた土門が、サジに問う。
このときの表情があまりに哀しそうだったことに少なからず驚きました。
この事実を受け入れることは、彼にとって怒りよりも哀しみなのだ、と。
しかしそんな彼をさらに弄ぶかのようにサジが答える。
「君が聞かなかったから。」
認めたくなかった真実を突きつけられただけでなく、
同士として抱いてきた信頼を根本から否定された土門。
かつて「俺を裏切る奴は誰であろうと地獄の底へ突き落としてやる!」と
サジの前でいきり立っていた土門。
あらためて思う。しかし、怒りより哀しみなんだと。

土門の傷から毒を吸い出す美古都。
突然全身に痙攣を起こし倒れた土門。すがりつく美古都。
美古都の懐剣に塗られていた毒が原因、その毒を塗ったのが惜春だと
わかるやいなや、蔵人、サジ、刀衣がやりとりをしている後ろで、
美古都が急いで土門の手の傷から毒を吸い出してやっているのに気づき、驚き!
これ、最初からそうでしたっけ!?全然気づいてなかった~~(汗)
言葉にされなくともこんなふうに伝わってくるふたりの間の変わらぬ愛が、
切ないけれど嬉しく思えます(涙)

刀衣VSサジ。
刀衣の太一くん、殺陣とともに芝居もぐんと良くなっていて驚きました。
まだまだ若くやわらかいだけに、まわりから受ける刺激にひときわ大きく
影響されるのでしょうか。
ラストステージに懸ける先輩たちのただならぬ気魄に負けぬ渾身の芝居。
サジから美古都を命を懸けて守ろうとする気概、そうすることへの誇り。
そして、同じ狼蘭族の血が流れる者として、狼蘭の悪魔をその手で
葬り去りたいという思いもあったかもしれません。
サジの斬撃を受けて倒れるも、刀をついてよろよろと立ち上がり、
ふらふらとしながらもサジに気もちだけで立ち向かっていく刀衣の姿には、
太一くんがほんとうに刀衣になれた瞬間であったことを感じました。

動揺するサジ。
堺くんも早い段階からラストステージモードでこってりと芝居している
様子がうかがえましたが、終盤は特に、激しく感情に突き動かされた芝居が
印象的でした。
「わかりたくもないっ!」
他人のために死んでゆく喜び。「おまえには一生わからないだろうよ」と
刀衣に断言されたサジが、激しく感情をあらわにして叫びました。
以前こんなに激しかったっけ・・と思うほどの心の底からの叫びでした。
狼蘭族に生まれた性として、おそらく主のためなら任務遂行ののち
自ら命を落すことも悪しとしない気概は、かつてサジにもあったと思います。
ただそれを手酷く裏切られた彼にとっては、かつての自分や刀衣の純粋さが
たまらなく苦しいのでしょう。
初めて感情をあらわにしたサジは、ここから少しずつ冷静さを失って
いくようでした。隠していた(隠せていた)心が悲鳴を上げ始めたようにも
思えます。

サジvs土門。
冷静さを失いつつあるサジの前に、再び土門が現れます。
それまでのサジは、誰と戦うときでも、相手の心を読み必ず心理的優位に立ち、
挙句弄ぶように倒してきました。
しかしここに来て、甦ってきた土門はそのこと自体がすでにサジの想定外。
どんなに斬られても立ち上がってくる。手を心を読まれている。焦るサジ。
「だったら!!」
「ばかなっ!!」
感情を剥き出しにし、狂ったようにやたら滅法剣を振り回して、土門に
斬りかかっていく姿は、それまでの冷徹な殺人マシーンのようなサジとは
まるで別人のようです。この日のサジはほんとうにめちゃくちゃという
感じで、それがほんとうに哀れでした。
それまでの芝居は土門の痛みや苦しみに心が痛みましたが、このあたりから
サジに見え隠れする心が痛々しくてたまりませんでした。

この日のサジと土門の戦いは、まさに「死闘」というべき激しさ。
斬っては倒れ、倒れては立ち上がりまた斬る、倒れる・・
ふたりとも、戦う性のみによって突き動かされているかのようでした。
やがて倒れた土門を包み込むようにドライアイスの霧が流れてきて、
背景は監獄島に変わっていきます。
突っ伏した土門の、見開いた目だけが宙を仰ぎそれに気づきます。
「ここはまだ監獄島じゃないか・・」

土門が幻に見たのは、己の逃れられない宿命。
復讐だけが生きる意味だった。
しかし、その先には喜びも解放もなかった。
もう二度と戻れない。
かといって、もうどこへも行くことはできない。
そして、それはサジも同じであること。

それでもこのときの土門は決して絶望的には見えませんでした。
むしろそれを受け入れることで枷を外されたような安堵感を感じている
ようにさえ思えました。
サジは違う。
彼はずっと以前からそんなことはわかっていたように思います。
でも彼はそれを受け入れなかった。
受け入れようが入れまいが、逃れられないのだとわかっていても。
惑う心を笑顔で封印し、復讐ゲームに興じた。
もしかしたらどこかに行けるのかもしれない、愚かな夢もほんの少し抱きつつ。
でもゲームは突然ぶち壊された。
そして、再び突きつけられる己の逃れられぬ宿命。
「言うなっ!!」
土門を拒む怒声が、この日はひときわ哀しく聴こえた気がします。

『蛮幽鬼』 大千秋楽(1)

2009-11-28 | 観る、聴く

『蛮幽鬼』
11月26日(木)12:30 大千秋楽
梅田芸術劇場メインホール 1F13列下手

大楽チケは自力で確保することができなかったのですが、
思いがけず救いの手を差し伸べていただけまして、
この公演も最後まで見届けることができました。
あたたかいお心配り、ほんとうにありがとうございました。

さて、そのラストステージ、
期待の下手席から、苦手なオペラグラスを駆使?して、
最後にどうしても観ておきたかったシーンを中心に「ガン見」してきました(笑)
きっと映像に残されている芝居は違うんだろうなあという思いがあったから。
二度と観られない芝居を、ワタクシ的ガン見シーン中心に(笑)
しっかと心に焼き付けることができたので、後悔のないラストステージ観劇と
なりました♪

では、今回の観劇で強く印象に残っているシーンをいくつか。

まず、これは必ず「ガン見」してこなくてはと思っていたのが、ペナンの死。
今回がいちばん切なかった~~(涙)
土門の腕のなかで「嘘はいけな・・」と言いかけて事切れたペナン。
優しい嘘もお見通しのペナンに、土門は涙ながら微かにほほえんで、
「しっかり、しろぉ・・ペナン・・」(文字だと雰囲気出ないわ~)
「しっかりしろーっ、ペナンッ!!」絶叫じゃないんだなあ、ここ。
それまで聞かせたことのないような優しい声、哀願するような語り口。
そして、ものすごく愛おしそうにペナンを優しく抱きしめました。
上川さん、こういうシーンは絶叫型のイメージがありますからね(笑)
なんだかもう「あ、ヤラレタ・・」みたいな。ゲキ堕ちです(爆)
これまでもこういう演じかただったのかもしれませんけど、
なにせこのシーン、シーンそのものにすでに溺れていますし、
こんなふうにしっかり観られたのは3回目にして初めてだったので。

必「ガン見」ポイント(笑)その2。
「(ほんとうの名が)君にはあるのかい?」とサジに聞き返され、
美古都と蔵人のほうを振り向く土門。
ここは大阪からの変更シーンだから、思い残すことなく見ておかないとね(笑)
う~ん、ガン見していたわりにちょっと自信がない。
あれはかすかな微笑みだったのかなあ、哀しく見えたのだけど、
でもどこか、それまで背負っていた重荷を降ろせたような表情にも見えて。
彼にとって、今ほんとうに信じるに足るふたり、美古都と蔵人を前に、
「俺はもう土門には戻れないんだよ」という決別にも見えるし、
「俺はいったい何者だったのだろうな・・」と自嘲しているようにも見えました。
もともとはサジと土門の差しの会話ですが、土門が一寸振り返ることで、
その一寸の逡巡に、この場を目撃しているすべての人を巻き込んだようです。
サジのするどい質問に土門がどう答えるのか、
何度観てもわたしは彼自身と一緒にその心に問いかけたくなるし、
誰よりも息を呑んで彼を見つめている美古都や蔵人を置き去りにしないのですね。
いのうえさんがそうさせたのかな、上川さんが自然とこうするようになったの
かな、ちょっと気になる。
く~~、コレが映像に残っていないなんて、つくづく残念!
実は大失態も。このシーン、「ないよ、ほんとうの名前なんて」と答える
サジの表情も今回はしっかり観てくるつもりだったのに、気づけばやっぱり
土門しか観てなかった~~!(泣笑)
サジの部分は映像でも観られるはずだけど、収録のころと堺さんの芝居に
変化はあったのでしょうか。

必「ガン見」ポイントその3。
当然クライマックスのシーンですね。今度こそ絶対「ガン見」!!
わかっちゃいても、その目にその指に・・
おおっ、そこはそうするのね~~、といちいち感動感涙(バカ)
「大王自ら謀反人を倒し・・」
飛頭蛮として、でもその心はどこまでも土門のまま。
苦しい息のなかでも力強く、美古都を諭すように言いながら、
その手が、美古都の左手そして右手に、土門の刀をしっかりと包み込むように
握らせていました。
そしてその手を離すと、ゆっくりと立ち上がり、
「俺を、この監獄島から解放してくれ」
「わかった」と意を決した美古都が、正面から薙ぐように土門を斬る。
が、土門の肉を斬った感触に慄いた美古都が怯んで飛びのきそうになった瞬間、
土門の左手(右手だっけ)が我が身にわずかに食い込んだ刀の抜き身を掴み、
倒れそうになりながらも正面から腹に突き立てるように刀の向きを変える。
そして刀を握りしめ震える美古都をしっかり見つめる土門。
一瞬かすかに目が微笑んだだろうか・・
大きく表情は変わらなかったと思うけど、う~ん、よくわからない。
もうどうにも冷静に見ていられなかったので。
次の瞬間、美古都を刀ごと強く抱きしめた。
目は見開き宙を見ている。でもおそらくかすかな意識のなかで、その両手が
美古都の頭を愛おしそうに抱きに行く。
先日観たときにはそのあとその手が優しくゆっくりと髪を撫でていたけれども、
この日の土門の手には、もうそれほどの力も残っていないように見えました。
撫でようとしているのにもう思うように動けない感じで、
髪の上を左手がずり、ずりっと滑り落ちていくようでした。
そしてそのまま崩れ落ちるように倒れました。
美古都に抱き起こされた土門に、真っ白な光が降り注ぎます。
「外の光だ・・」
初めて、このときの土門の表情が見られました!
美古都の腕のなかで光を見つめるその嬉しそうな表情が、
なんともいえずやわらかで無垢で・・その白い光に溶けてしまいそうでした。
ああ、堪能しきった・・思い残すことはありません。


次に、必「ガン見」ポイントとして前もって掲げていたわけではないけれど、
今回よかったなあと思えたシーンをいくつか挙げたいと思います。


続くっ!

『蛮幽鬼』 大千秋楽

2009-11-26 | 観る、聴く

           
                    やっといただけました~♪

『蛮幽鬼』大千秋楽。
凄いっ!これ以上はないであろう最高のラストステージでした!!
上川さんをはじめ主要キャストのみなさんの役者魂を見た思いがしました。
いや、もう全員が、すべてを出し尽くした舞台だったんじゃないかなと
思いました。
今日はなにより、そのことに胸がいっぱいです。
そしてそんな舞台に立ち会わせたもらえた幸せに、心から感謝しています。

上川さん。
ほんとうに素晴らしかった。
観たかったものをすべて見せてくれた。
上川さんこそ、ほんとうにすべてを出し尽くしたかのような芝居でした。
それでいて、あんな激しい芝居の直後とは思えないほど、
軽やかに颯爽と現れたカーテンコール、とてもとてもいい笑顔でした。
そんな笑顔に会いたかった。とてもとても嬉しかった。
今日は大満足です。
ありがとうをどれだけ言っても足りない。


『蛮幽鬼』とうとうおしまい。
でも、わたしには明日がある。今日まだ木曜さ~。
そして明日の仕事は責任重大、失敗したらえらいこっちゃ(汗)
というわけで、今日はこれまで。明日に備えます。
でも、今日の感想は後日必ず書きます。

みなさま、ほんとうにお疲れさまでした♪

3連休だったけど

2009-11-23 | つれづれに

3連休、ほんとにくたびれた。

学芸会、子ども会の親子レクリエーション、お薬師さんのこどもまつり。
みごとに3日ともおこちゃま行事参加&お手伝いで出ずっぱり。
も~お、やだ(涙)
そして、子どもたちだけ明日は代休。
ば~ろ~、代休は親にこそくれ(涙)

そして3日間もいちおう(仕事は)お休みだったのに、
ケガのひとつが完治しなかった。
洗剤かぶれもあんまり良くならなかった。
手首の痛いのも治らなかった。
おまけにさっき指のケガがまたひとつ増えた。
ショック~~(涙)


くそぅ・・もう寝るっ。

涙、涙・・・

2009-11-22 | 家族

最前列ど真ん中で涙、涙、涙・・。
うぅ・・すごい、すばらしい、素敵すぎる~~!
スタオベはできないけれど、心から精いっぱいの拍手を贈ります。
涙がしばらく止まりません。。

・・って『蛮幽鬼』じゃないよ。
でもそれに全然負けていない昨日の熱い舞台は・・

小学校の学芸会♪(笑)

ええ、ええ、どうぞ親バカと笑ってください。
いやあ・・でもその分差っ引いても、ほんとうに良いお芝居でした!
キミたちの渾身の演技は、
連日大阪を熱くしているあのスゴイおじさんたちを超えたゾ!(笑)

午後の部、最初はおちびたち3年生の『オズの魔法使い』
実は二男も4年生のときこの作品を演じたのですが、
そのときはいわゆるストレートプレイで(っていっていいのか?)
物語重視、演技重視のしっかりとしたお芝居でした。
(ちなみに、二男はブリキのきこり。)
そして今年の3年生のは、ミュージカル仕立♪
全然違って見えるものですね~。
物語性はやや落ちる感があるものの、みんなとても楽しそうに歌って踊って、
ほんとうにかわいらしい!
特に女の子っていうのは、こういうときみごと「なりきる」もんですねえ。
ドロシー役の子は、歌も振りつけも堂々としたもんでした。恐れ入ります。
うちのおちびは、西の魔女の家来。
今回ひとりで言う台詞はなかったのだけど、みんなと声を合わせて、
台詞を言ったり歌を歌ったり。
みんなと一緒だから安心なのだね、終始ニコニコの余裕(小者~、笑)
そして、ドロシーたちを捕まえるために剣で戦います。
おおっ、わが子もかっこよく?剣を振っているゾ~♪  
(今や刀を見るだけで興奮するわたし。)
カミカワタカヤ並みにかっこいいゾ!と母は思ったのだが(爆)
そのあと、剣は持たないが側転&宙返りをしてキメキメポーズをとった
おともだちクンは、マジかっこよかった。将来JAC入りか?(笑)
こうして楽しく楽しくお話は進み、やがてハッピーエンド。
エンディングの歌がとてもいいのです。

♪自信を持って びくびくせずに
 ほんとの自分を みつめてみよう
 自信を持って にげたりせずに
 ほんとの自分を だいじにしよう♪

舞台上に90余人がひしめくように並んで、元気いっぱい歌います。
まだ赤ちゃん顔のころから知っている子どもたちです。
みんな大きくなったね。
でも大きくなるにつれ、いろんなことがあるものだよね。
みんなで歌ったこの歌をずっと覚えていてほしいなあと思いました。
みんながみんな、それぞれに違うたったひとりの自分を大切に、
のびのびと、いきいきと、いつまでもそんな笑顔で、いてほしいです。

エンディング曲のあとは、いっぱしのカーテンコール。
役ごとに(ひとつの役を場面ごとに複数人で演じました)
それぞれのテーマ曲の流れるなか、手を繋げ前に進み出てごあいさつ。
ほっとした笑顔たちが、これまたかわいらしくて!
あ~、やっぱりわたしったらカーテンコールに弱いのね・・。
エンディングの曲でぐっとこみ上げてきていた涙が、とうとうつつーーっと。
まさか3年生の劇から泣けてしまうとは思いませんでした(笑)

続いて、締めの6年生。『かんからさんしん』(参考:アニメ版)
太平洋戦争末期、沖縄のツケンという小さな島での物語。
米軍上陸によりいよいよ追い詰められた日本兵と島の人々は、
ガマ(避難用の洞窟)に籠ります。
兵士たちは米軍の投降勧告に応じず、「全員玉砕」の命令とともに、
手りゅう弾が島の人々に配られました。
死のうとするおとなたちと、生きたい、生きよう、とする子どもたち。
クライマックスには、主人公のマサの命を父親の形見のさんしん(三味線)が
救います。
ツケン島の人々が戦争で「いかに死んだか」ではなく「いかに生きたか」
学芸会の最後、そして小学校最後の学芸会にふさわしい、
6年生90人迫真の演技でした。

この子たち、昨年の『あほろくの川だいこ』も素晴らしい出来でした。
もちろん、ぼろっぼろ泣けました。よそのお父さんやおじいちゃんたちまで
泣いていました。
もちろんストーリーの良さもありますが、ひとりひとりが役の気もちを
真に感じているのが見事に演技に出ていたんですね。ほんとうに感動しました。
毎年、6年生というのはさすがにいい芝居をします。
昨年からさらに成長したあの子たちが、6年生として戦争ものに挑戦です。

前半は状況説明のためのナレーションが多く、それほど感情の動く場面も
ないのでわりと淡々と進みましたが、物語の緊張度が増し出したころから、
子どもたちの集中度もぐんぐん上がり、その目や声が真に迫るものに
なっているのには驚くばかり。この子たちはほんとうに感じて動いている
のだなあと思わされました。

二男はガマに籠った村人のひとり。よその子どもがぐずって泣き出すのに
イライラと声をあげそっぽを向いている役。
台詞は一度だけですが、予行演習で先生にすごく褒められたというだけあって、
台詞もそのあとの無言の態度にも焦燥の色がよくうかがえ、わが子ながら
感心しました。あとでほかのお母さんにも褒めていただけて嬉しく思いました。

島の人々の集団自決を思いとどまらせたのは、ユキが歌った「島歌」でした。
ユキの両親をはじめ多くの島の人々が、サイパンなど遠い島でその命を
落としました。沖縄の、日本の人たちのために戦い死んでいった人たち。
島に残った人々まで死んでしまったら、彼らは何のために死んでいったのか。
この「島歌」は誰が歌い継いでいくのか。
ユキの言葉が届き、人々は手りゅう弾を捨て次々に投降しました。

いやあ、もう小学校の学芸会とは思えないほど舞台に引きつけられました。
それぞれの気もちが痛いほど伝わってきて、涙が一気に溢れました。
そしてエンディングは、THE BOOMの有名な「島歌」を全員で合唱。
途中からは、両腕を挙げ踊るしぐさを入れて。
子どもたちはまだ物語の余韻を引きずっているのか、やや硬い表情でした。
泣いている子もいました。
そんな表情の子どもたちを見て、ほんとうに立派になったなあと感慨ひとしお。
そしてまた涙、涙。

劇が終了すると、児童代表のおわりのことばを聞き閉会。
その後、舞台にてクラスごとに記念撮影。
そこでようやくママ友だちの何人かと顔を合わせ言葉を交わしたのですが、
みな一様に感涙しまくったようすで、それを互いに見てはまた泣き笑い。
そのころには、子どもたち、すっかり笑顔ではしゃぎまわっていましたが。

今年も忘れられない学芸会となりました。
子どもたちって、そして演劇って、素晴らしいな!とあらためて思いました。
来春には二男も卒業。
長男が4年生のときから、毎年兄弟2学年の劇を観てきましたが、
来年の学芸会からは、とうとうおちびひとりになります。
なんだか寂しくなってくるなあ・・。


さて、次は大人の芝居をたっぷり見せていただくことにしましょう。
26日『蛮幽鬼』大千秋楽まであとすこし。
子どもたち、インフルエンザにかかるなよっ!!
実はおちびのいちばんの仲良しクンが、なんと学芸会前日にインフルエンザ発症。
いつもいつも一緒にいたおちび。う・・かなり心配。
とりあえず最終接触日から丸3日経過、異常なし。
明日あさってクリアすれば、いちおうOKかしら~~。

『蛮幽鬼』 2回目(2)

2009-11-15 | 観る、聴く

さあ、最後にいちばん書きたいところ。
が、いちばんうまく書けないであろうところでもあるか。(蔵人風)
ご贔屓仲間でなければ読むに耐えない内容も多いかと・・ご勘弁。

飛頭蛮・伊達土門=上川隆也さん。
激しい負の感情を燃やし続ける、哀しい運命の男。
でも最期は究極にかっこいい男でした。
さすが中島さん、新感線!観たいものを観せてくれました♪

舞台ではほんとうに大きく見えます。
どの舞台でもというわけでもないのだけれど、今回はまずそう感じました。
そしてよくあれだけ持続できると恐れ入るエネルギー。今回最高レベルでしょ。
このお芝居関連で集めた演劇雑誌などに収まる穏やかな表情たちからは、
あのパフォーマンスが同じひとによるものだとはにわかには思えません。

あらためて、声がいいっ!!
今回飛頭蛮のビジュアルもさることながら、いつもよりずっと低く野太い声、
これにいちばん痺れた~~(笑)
上川さんのどんな声も好きだけれど、舞台でこそ感じられる響きが
このトーンだといちだんと際立って身体に感じられます。
あの声であれだけ吼えて叫んで嗄れることがない、すごい喉の強さ・・。

そして今回も歌を聴かせてくれました。
これ、新橋でわたしが観た日は音程がフラフラしているようで良くなかったので、
「難しいのを無理して歌わせなくてもいいのに~」と気の毒に思えて
しまったくらいでしたけど。
先日の大阪、全然ダイジョウブでしたっ(笑)堂々たるもの。
あの日はなんだったんだ・・。ま、そういう日もあるか(笑)
さて、その歌のシーン。
大阪で観た日には、ほぼセンターでばっちり視線をいただき♪(笑)
正面をまっすぐ見据えて訴えるように歌うその視線、指先。
目が合ったなどと恐れ多いことはいいませんが(笑)
近すぎずほど良い距離でもあり、今回は臆することなくまっすぐと
受け止められました♪そのオーラに導かれ蛮心教に入信してしまいそう~。
ああ、素晴らしいひとときでした(爆)

殺陣はいわずもがな。
その実力にまわりの期待も高いのでしょうね、映像にしろ舞台にしろ、
最近ますます激しく高度になってきているような気がしますね。
そして今度は新感線ですから、もう思う存分暴れていただきたい。
果たして、新感線も上川さんも期待を裏切らない方々でした♪
スピード、迫力、キレ、安定感、美しさ、おみごとです。
いつ観ても、ほんとうに惚れ惚れします。すごいなあ!!
ただ、先回のこともあるので、最後まで怪我のないようにと祈るばかりです。

土門・飛頭蛮という役については、
二度目を観てもほぼ初回の感想、解釈と変わらず。
・・というか、もうそのようにしか観られない、好きなように観てる(笑)

真正面から表情やしぐさをじっくり観ていると、
激しい役だけに、ただ激しいだけにならないようになのか、
とても繊細に演じていられるように感じました。

台詞のないシーンでの様子を、気もちを察しながら観ているのが好きです。
こんなこともありました。
大王が美古都を探しにやってきて、これでもかと愛で可愛がるシーン。
右近ちゃんの暴走ぶりに稲森さんもまわりの人たちも笑いを堪えきれず、
堺さんもサジ笑いでなく素で笑っていましたけど、上川さんはこのとき
ひとり絶対笑わなかったですね。当たり前といえば当たり前のことですけど。
土門としての気もちを察すれば、わたしも笑っていられなくなりました。
ふたりから少し目をそらし、厳しい表情でした。
クライマックス近くには、美古都に向ける眼差しがとても雄弁に感じました。
昔を変わらぬ深い絆に気づいたからでしょうか、もう言葉でなくとも
土門の目がその心を美古都にしっかりと伝えているようでした。

土門と美古都のラストシーンは、何度観ても(ってまだ二度だけど)
万感の思いに溢れ素晴らしいですね。舞台もほんとうに美しいです。
もう、このお芝居はこのラストに尽きる!と言ってもいいくらい。
今回はこのシーンをまっすぐ観られました。
土門の思いを汲み意を決して彼を斬ったものの途中で怯む美古都の剣を掴み、
彼女の目を見つめた次の瞬間、その剣を自らの腹に突き立てながら、
彼女を抱きしめる。そのときの表情はもう見えなかったけれども、彼の右手が、
やさしく美古都の髪を一度二度撫でるのが見えました。
ダメですね~~、こう書くだけで胸がいっぱいです。
土門の精いっぱいの愛情を受け止めて、美古都は大王としてあらためて
立ち上がり宣誓をしようとします。
このシーン、真正面からはもう白い光が眩しすぎて美古都の姿が一瞬
見えなくなるほどでした。
そして彼女の最後の台詞にはエコーがかかるようになりました。
より一層、神々しく美しいラストシーンになったように思います。

己の死をもって国家安泰の礎とせよという、土門の最期の決意と願い。
思い出した。大好きなアテルイの最期と同じなんだな~。
うぅ、やっぱり究極のかっこいい男だ~~と再び感動(涙)
中島さんの描く男たちの生き様は、みなほんとうにかっこいいのです。
男が憧れる男の在りようじゃないのかなあ。
それが女にとっては、かっこいいけど切なすぎる。
・・・が、そこがみごとにツボだ!(笑)
だから中島×新感線にハマってしまう、のかもしれない。
そして今回は、中島×新感線×上川さん。ツボにツボ。悶えますがな(爆)
いやあ、、観たいものを存分に観られて大満足であります。

手元に残るチケットはあと1枚。26日大楽。
また早く土門を観たいなあ・・でも、それを観たら最後だしなあ・・
楽しみのような、寂しいような・・
でもやっぱり楽しみっ!!

『蛮幽鬼』 2回目(1)

2009-11-14 | 観る、聴く

本来なら今日は小学校の学芸会だったのだけど、
先月末に1週間の学校閉鎖があったので、1週間延期となりました。
その日に『蛮幽鬼』の観劇予定を入れていなくてよかった~。
(長男が学期末のテスト週間に入るから泣く泣く控えたのだった。
 これで完全に諦めがついたよ。笑)
長男もただいま学級閉鎖中、できるだけ外出を控えるようにということなので、
午後の高校ガイダンスへの親子参加も取りやめ。
志望校のひとつではあるけど、以前別の機会にこの高校の説明は受けていて、
おそらく似た内容のはずだから、まあいっかってことで。

というわけで、今日はぽっかり「空き」の休日に。
行事のない休日って、ほんとにひさしぶり!なんか嬉し~~♪
明け方までの大雨からだんだん晴れてきてはいるけど、こんな日だから
もう今日は何にもしないの(笑)
たまにはいいよね~。ここ3週間ほど仕事もほんとにきつかったし。
だから、今日こそ書きまくってスッキリしておこう~(笑)


『蛮幽鬼』 梅田芸術劇場メインホール
 11月12日(木) 12:30 1階11列 センター

予想通り、というか期待以上に大阪では格段にレベルアップしていました♪
大阪で観られる者としては(特に今回は東京公演を実際に観ているので)
この進化は非常に嬉しいのですが、ちょっと複雑な気分もします。
花道がないことによる演出変更は別としても、それ以外のいくつかの変更は
東京公演中になんとかならなかったのかしらと。
映像として残るのは変更前の東京公演だから、今のベスト(さらに良くなる?)
の状態をこの先手元に残せないというのは、なんとも残念。

格段に良くなっている!と思われた点は2つ。
劇場の大きさを十分に生かしてスケールアップしたこと。
土門と美古都のあいだに、しっかりと愛が見えるようになったこと。

梅芸には新橋演舞場のような本格花道がないので、客席通路を使います。
役者が客席通路を駆け抜ける演出は、飛び出す絵本みたいに
劇場を大きく使って芝居が立体的に見えるし、客席には一種独特の興奮が
走ります。
でもこれって、その通路際以外のお客にとっては実は面白くもなんともない。
今回のお席はほぼセンター(ほんのちょっと下手寄り)だったので、
何度も「おおっ♪」と喜ばせてもらいましたが、こんな場所でなかったら、
「ちっ!」と地団駄踏むこと間違いなし(笑)
まあ、そんなのは役者贔屓のお客だけかもしれないけど、
本格花道と違って、役者の姿はどうしても見づらくなるわけだから、
この演出はあくまで一部の人にだけ嬉しい「変化」でしょうねえ。
新橋では今回よりずっと前方ながら上手寄りのお席。
見どころが、花道および下手側にあまりに偏った演出に実は悶々。
5列目とは思えぬほど、芝居が遠くに感じました(涙)
芝居の中心線がズレとるやろが・・。(単なるわがまま)
梅芸でもやはり下手側のお得感は変わりませんが、
花道からセンターに移動したシーン(ペナンの最期)もあるし、
上手側通路も飛頭蛮は通ることがあるので、
新橋よりはやや改善されていると感じました。
なお次に観る大楽では、役者が通路を上がりサイドの出口へ駆け抜けるとき、
わたしの真後ろを通ります。逆にその扉から入ってくるときもあります。
この芝居、最初で最後の最至近距離!(爆)
場面とタイミングはしっかり覚えてきたので、いざとなったら
うしろ向いて待っていようかな~(笑)
逃すな~、チャンスを~♪♪(byオフコース 古っ)

梅芸の舞台の大きさも功を奏しているのではないかなと思いました。
詳しくは知りませんが、新橋演舞場の舞台より幅も奥行きも高さも十分あると
感じましたが・・違うかな?(笑)観た場所のせいかしら。
今思うと、新橋ではセリや廻り舞台を使う大掛かりなセットや
激しい殺陣のシーンは、やや窮屈だったかなという気がします。
そして、これは間違いなく以前より少し引いた位置のセンターで観られた
ことが大きいですが、照明効果をより美しく感じられました。
それでも、あの高さもあると思うけどなあ。
とにかくいつもながら新感線の照明は抜群!!
舞台の奥行きも深い気がします。ゆえにシーンによっては以前より
遠くに感じることもありしたが。でも舞台が大きい分、激しい立ち回りは
のびのびとしてより迫力を増したように感じられました。
舞台とお芝居全体が、ひとまわり大きく見えた気がします。
(センター席で、舞台を目の前に広く観られたせいだけかな~。汗)

お芝居そのものには、脚本に重要な追加が入ったり、細かいところで
演出や演技に変化が見られました。
大きな部分は、土門と美古都の愛情をしっかり浮き上がらせたことでしょう。
東京公演ではその部分、たしかに物足りなさを感じたところでした。
冒頭のシーン、帰国を目前にした美しい星降りの夜、
ひとりになった土門が美古都に語りかけます。
たったそれだけで、深く結ばれていたふたりと、そのふたりの前に広がる
輝かしい未来が見えるようでした。
ああ、いい台詞が入ったなあと嬉しく思いました。
それ以外に明らかに加えたと思われる土門と美古都の台詞はないと思いますが、
佳境でのいくつかの演出の変更(あるいは演じ方の変化)で、
無言ながら、見つめあう目や触れるしぐさに、ふたりが再び心を通いあわせて
いるのを自然に感じられるようになった気がします。
むしろこういうシーンには言葉がないほうが、わたしは好きです。
欲をいえば、クライマックスには稲森さんはもっと感情を大きく表現して
くれてもいいかなと思いますが。


以下、キャスト別に書き残しておきたい思いを、思いつくまま。

サジ=堺雅人さん。
舞台では『噂の男』以来の拝見。そのとき「喜怒哀楽をすべて笑顔で
表現する男」と大いに話題になりましたが(あれはじゅんさんのアドリブ
だったのかれっきとした台詞だったのか)その笑顔が今やすっかり武器に
なりました。その笑顔がサジという男のわからなさ、恐ろしさを
造り上げているわけですが、そういう彼がふっと笑顔を消す瞬間に
むしろ一層の怖さを感じました。
サジという男。暗殺者として育てられた所以か、きっと人の心が見えすぎる
のでしょうね。それも人の心の汚い部分ばかり。それが彼の悲しさだと
思いました。
サジ自身、もうどこへも行けないことはわかっていたのかもしれない。
でもそれを自ら見ないようにしてきた。それを、これまでその心を見透かし
思うように操ってきた飛頭蛮に、逆に見抜かれた。彼は激しく動揺します。
飛頭蛮との最後の会話には、とうに捨て去ったと思われたサジの心が
悲しく滲んでいるように感じられました。
このときサジがどんな表情をしていたか、実は覚えがない・・。
笑顔でどんなにも表現できる堺雅人がどう見せたか、、次回に持ち越し!

美古都=稲森いずみさん。
愛する人のもとに嫁ぎ、おだやかな幸せに生きるはずだった普通の女性。
それが、実の父親による謀略によって悲しく激しい運命の渦に陥れられる。
突然思いもかけず玉座に就かされた悲しみと重圧に耐え兼ねそうな弱弱しさも、
その運命をしっかりと受け入れ、守るべきもののために強くあろうとする
健気さも、稲森さん自身から受ける印象に実にフィットしているだけでなく、
みごとにそれを美古都として体現してくれたと思いました。
ただ、飛頭蛮として現れた土門への恐れや憎しみが氷解し、ふたたび心が
通い始めるあたりからの美古都には、溢れる気もちをもっと激しく表出させて
くれたら、もっともっと良くなるのではないかなと、わたしは思いました。
稲森さんの美古都と上川さんの土門という組み合わせ、とても綺麗です♪

刀衣=早乙女太一くん。
なるほど、その佇まいに舞いに殺陣に独特の美しさがあります。
そのわりに驚くほどの実年齢の若さは、そのまま刀衣のまっすぐで純粋な
美古都への思いをリアルに感じさせてくれる気がしました。
サジと同じように育てられた暗殺者であったにもかかわらず、人の心の
美しい部分に触れられたことで、人として生きる道を見つけた刀衣。
彼を見ていると、サジが来し方の不運や悲しさを思わざるをえません。

遊日蔵人=山本 亨さん。
いいお役でしたね~。
「一番聞きたかったのはその言葉」
しかし「一番聞きたくなかった言葉でもある」
飛頭蛮を土門だと認めたくないが認めざるを得ない苦しい胸中を表す、
蔵人ならではの絶妙な台詞。
美古都への慕情を秘めながら分をわきまえ、古き友を信じつつも
守るべきもののために戦う。彼と土門のあいだにあった信頼関係は、
その戦いのなかで崩れ去るように見え、それでも最後まで崩れなかった。
土門は、これから蔵人のなかに生き美古都を守り続けるのだと思いたいです。

京兼惜春=千葉哲也さん。
最初からうさん臭さ丸出しで(笑)それがちょっと残念だったかなと
思いました。黒幕っぽいのがバレバレ。
もし彼がそう見えなかったならば、衝撃度も大きく面白かったかなと。
いい役者さんだし、ちょっともったいなかったなあ。

稀浮名=山内圭哉さん、音津空麿=粟根まことさん、
そして高田聖子さん、村木よし子さんなど主たる劇団員さんたちも、
もうそのキャラにぴったり(笑)のアテ書きと期待に応えたナイスジョブ♪
なかでも取り上げたいのは、大君=右近健一さん。
というか、この大王の役とサジとのシーンがけっこう好きです。

この大王、『朧の森に棲む鬼』で田山涼成さんが演じたイチノオオキミを
彷彿とさせます。大王としてはふがいないのだけど、人の心を見る目には
たしかなところがある。それなのにそれを政に活かせない悲しさがあって。
結局利用されるだけの存在に。不合理な死を予感しつつ達観したかのような
最期の会話がどちらも秀逸。
大王「世間は見る目がないねえ」
サジ「それが世間ですよ」
このサジの台詞も、さらっと笑顔で言ってのけるが、そう達観するに至った
サジの人生が透けて見えて寂しい響きがします。


長くなりすぎたので、上川さんは別途。こっちも長くなりそうだし(笑)
いったん締めま~す。