「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーが教える算数…どうして子供は時間の単位が苦手なのか(2)

2008年04月14日 | 学習指導法
時間の単位について、前回《1回目は何故時間の単位が苦手なのか》をお話ししました。
今回のブログは、前回に引き続いて、時間の単位について、子供がミスしやすいポイントを、具体的な例を挙げながら説明します。


【その1】
《1時間20分は何時間ですか》という問題。

「20分は何時間かな?」と言う質問をしてみます。

すると「0.2時間」という答えが返ってくることがよくあります。

「そこで、続けて、30分は? 40分は?…と質問していきます。」

「当然、子供はだんだんおかしいと感じ始め、60分は?の辺りで、自分の間違えに気づきます。」

★《十進法で表された他の単位と同じように考えた間違えです。》


それでは、いつもの3人に登場してもらいましょう。

ビージェーは上のような間違いをしたヤン太に、次のような質問を再びしました。

「それじゃあ、60分は、何時間?」

「もちろん、1時間だよね。」

「では、120分は何時間?」

「2時間だね。」

「ヤン太は、その答えを、どうやって計算したのさ。」

「60分が1時間だから、120÷60で2時間だよ。」

「そうだね。
★《120分が2時間だから、分を時間に、単位を大きくすると、
数字は120から2に小さくなる》よね。
だから、分を時間に直すには、60でわれば良いんだね。」

「とすると、最初の問題で20分は、
20÷60で20/60時間すなわち1/3時間となるから、
1時間20分は、《1と3分の1時間》というのが正解になるね。」

★《時間の単位変換を、まず整数でできる問題にもどして、そこから類推させる》練習をします。


Tea Break

イチョウの若葉


【その2】
同様に、《1.2時間は、何時間何分ですか。》の問いに対して、

「1時間20分。」と答える生徒がいます。


同じような間違いをしたヤン太に、ビージェーが質問をしています。

「1時間は、何分?」…「60分だよ。」

「2時間は、何分?」…「2×60で120分」

「★2時間は120分だから、時間を分の単位に小さくすると、
数字は2から120に大きくなる。
だから、時間を分に直すときは、60倍すれば良いんだよ。」

「すると、0.2時間を分に直すと、
0.2×60で12分だから、答えは、《1時間12分》だね。」


【その1】【その2】のような問題が出た場合、

★《まず日常で行われる、整数に関する時間の単位変換》を子供に確認します。

整数が、分数や小数に変わると、とたんに理解できない子供が多いのですが、
★《整数の問題と同様に計算する》ことを理解させます。

また、《線分図等を使い計算方法を理解させる》のも有効です。

★《数の取り扱う範囲が広がっても、整数の時と同様に計算できる》ことを、類推させましょう。


Tea Break

街角の木々の若葉


では、その方法を使って、もう少し練習してみましょう。

【その3】
「それじゃあ、ヤン太は時間の単位の変換が分かってきたようだから、もう少し問題を出すよ。」

「0.75日は何時間ですか。」
ビージェーは、ヤン太に質問しました。

「《1日は、24時間》で、日を時間に、単位を小さくするから、
数字は24倍すれば良いんだね。
そうすると、0.75×24という計算で、…《答えは18時間》だね。」
ヤン太は、少し得意げな顔をしながら答えました。…正解です。


【その4】
「その次、504分は、何日ですか。」
再び、ビージェーはヤン太に問題を出しました。
 
ビージェーは、ヤン太のために少しヒントを出しました。
「この問題は、単位がとんでいるので、
★《基本ルール:単位がとんでいる場合は、順番に考える。》
このルールを使って、まず分の上の時間の単位に変換してね。」

「《60分は1時間》だから、
分を時間に、単位を大きくするから、数字は小さくよね。
だから、504分は、504÷60で、……8.4時間となるよね。」

「次に、《24時間=1日》だから、
時間を日に、単位を大きくするから、数字は小さくなるから、
8.4時間は、8.4÷24で、……《答えは0.35日》だね。」

「良くできたじゃないか。」
少し驚いた様子で、ヤン太の顔を見ながら、ビージェーは言いました。

Tea Break

日当たりによって、芽吹きの進み具合が異なるイチョウ並木(左右)


この様に、
《単位が大きくなるのか、小さくなるのかを考え、その結果、かけるのか、わるのかを判断します。》

…この一見簡単な考え方で、多くの生徒は、勘違いをしてしまいます。

でも、基本をマスターすれば、単位変換はさほど難しい問題ではありません。

良く理解していない子供には、
★《線分図などを使い、視覚的に理解できるよう指導》します。

そして、
★《整数での単位変換が、分数・小数にもあてはまる》ことを理解させましょう。

練習して、確実に単位変換できるようにすることが大切です。



クリックを、宜しくお願いします

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
クリックを、宜しくお願いします




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マッキーの現代陶芸入門講座... | トップ | マッキーの随想:故郷の春・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

学習指導法」カテゴリの最新記事