『堀一郎』…20年ほど前、黒田陶苑におられた福島さんを通して湯呑を買って以来、日本橋高島屋などから、この作家の作品を数多く購入した時期がありました。
様々な機会に、贈り物として、堀一郎の湯呑を使わせてもらいました。
実際、日頃使っている湯呑の一つが、堀一郎の作品です。
使い始めて20年近く経つのですが、手に馴染んで、私にとっては空気のような存在になった湯呑です。
購入した時期から換算すると、堀一郎が30代の作品が多いのですが、私はその当時、この作家の力量に将来性を感じていました。
それから、いつしか20年経ちましたが、この作家がどのように変遷してきたのか、しばらくの間私は無関心でいました。
もしも、本当にこの作家に天賦の才能があるなら、脂の乗りきった50代、頭角を現してくる時期でしょう。
最近は、公募展には出品していないようですが、広く自分の作品を知ってもらうチャンスとして、そうした機会を利用すべきでしょう。
団体の公募展は、何だかんだとしがらみの多い世界ですが、自分の作品に自信があるのなら、その価値を世に問うてみるのも悪くはないはず。
発表の場が限定されれば、陶磁協会賞を含む社会的な評価に、つながっていかない面もあります。
私が彼の身近にいる存在なら、そうアドバイスするのですが…。
【堀一郎の湯呑】
この人の湯呑は、鈴木蔵の作品のように、硬質で鋭角的に訴えかけてくる印象はなく、炎でじっくりと焼かれた自然な暖かみと、手作りの感触が伝わってきます。
志野釉は、純粋に近い長石釉です。
この釉薬は、志野の各作家によって、その取り扱いが大分異なります。
その白い肌に、柚肌(ピンホールで、欠点でもありますが、茶碗や湯飲みでは景色となっている)・貫入・光沢・そして鬼板で書かれたシンプルな文様、そうした全体の印象が、志野焼の善し悪しの決め手の一つになっていると思います。

堀一郎の湯呑(1989年)

堀一郎の湯呑 (1991年)
(高島屋を中心に、30点くらい購入し、今は数点が残っているだけです)
【堀一郎の酒器】
ちょっと、堀一郎の酒器は、趣にかけるように思います。
私の持っている酒器が、彼の30代の作品だからでしょうか。
若さを感じますが、もう少し広がりが欲しい。

堀一郎の鼠志野のぐい呑み

堀一郎の箱書き

堀一郎の徳利
【堀一郎の茶碗】
『一楽 二萩 三唐津』と呼ばれる、茶碗の世界ですが、手掛けている作家の数から考えると、志野はこれらの焼き物に勝るとも劣らないと言うのが現状でしょう。
茶碗は、奥が深いので、もし30代で高い水準の作品が出来たら、その作家は天才でしょう!

堀一郎の志野茶碗(1989年)

堀一郎の鼠志野茶碗(1989年)

堀一郎の箱書き
無論、彼は私のことを知らないでしょうが、いつかお会いしたい作家ではあります。
たぶんお会いしたら、初対面である気がしないのではないかと思います。
いつも私の前にある湯呑…作品は、作家そのものだから。
【堀一郎の略歴】
1952 岐阜県瑞浪市に生まれる
1971 多治見工業高校デザイン科卒業
加藤孝造に師事
以後、朝日陶芸展、中日国際陶芸展
日本伝統工芸展に出品
1984 瑞浪市大湫に穴窯を築く
公募展を離れ、個展のみで作品を発表
1997 工房を瑞浪市大草に移し穴窯を築く
全国各地で個展
志野焼について、関連した私のブログは、以下のものがあります。
☆印のブログは、志野についての概略がかいせつしてあります。
参考に、ご覧頂ければ幸です。
2008.10.24
『現代陶芸の教養が身に付く入門講座(22)…鈴木蔵・加藤孝造・若尾利貞の志野焼』
2008.09.25
現代陶芸の教養が身に付く入門講座(20)…林正太郎・玉置保夫・安藤日出武の志野焼
☆2008.05.30
現代陶芸の教養が身に付く入門講座(14)…荒川 豊蔵のぐい呑み
☆2008.03.31
人を魅了する陶芸の世界(8)…鈴木蔵の志野ぐい呑み

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様々な機会に、贈り物として、堀一郎の湯呑を使わせてもらいました。
実際、日頃使っている湯呑の一つが、堀一郎の作品です。
使い始めて20年近く経つのですが、手に馴染んで、私にとっては空気のような存在になった湯呑です。
購入した時期から換算すると、堀一郎が30代の作品が多いのですが、私はその当時、この作家の力量に将来性を感じていました。
それから、いつしか20年経ちましたが、この作家がどのように変遷してきたのか、しばらくの間私は無関心でいました。
もしも、本当にこの作家に天賦の才能があるなら、脂の乗りきった50代、頭角を現してくる時期でしょう。
最近は、公募展には出品していないようですが、広く自分の作品を知ってもらうチャンスとして、そうした機会を利用すべきでしょう。
団体の公募展は、何だかんだとしがらみの多い世界ですが、自分の作品に自信があるのなら、その価値を世に問うてみるのも悪くはないはず。
発表の場が限定されれば、陶磁協会賞を含む社会的な評価に、つながっていかない面もあります。
私が彼の身近にいる存在なら、そうアドバイスするのですが…。
【堀一郎の湯呑】
この人の湯呑は、鈴木蔵の作品のように、硬質で鋭角的に訴えかけてくる印象はなく、炎でじっくりと焼かれた自然な暖かみと、手作りの感触が伝わってきます。
志野釉は、純粋に近い長石釉です。
この釉薬は、志野の各作家によって、その取り扱いが大分異なります。
その白い肌に、柚肌(ピンホールで、欠点でもありますが、茶碗や湯飲みでは景色となっている)・貫入・光沢・そして鬼板で書かれたシンプルな文様、そうした全体の印象が、志野焼の善し悪しの決め手の一つになっていると思います。

堀一郎の湯呑(1989年)

堀一郎の湯呑 (1991年)
(高島屋を中心に、30点くらい購入し、今は数点が残っているだけです)
【堀一郎の酒器】
ちょっと、堀一郎の酒器は、趣にかけるように思います。
私の持っている酒器が、彼の30代の作品だからでしょうか。
若さを感じますが、もう少し広がりが欲しい。

堀一郎の鼠志野のぐい呑み

堀一郎の箱書き

堀一郎の徳利
【堀一郎の茶碗】
『一楽 二萩 三唐津』と呼ばれる、茶碗の世界ですが、手掛けている作家の数から考えると、志野はこれらの焼き物に勝るとも劣らないと言うのが現状でしょう。
茶碗は、奥が深いので、もし30代で高い水準の作品が出来たら、その作家は天才でしょう!

堀一郎の志野茶碗(1989年)

堀一郎の鼠志野茶碗(1989年)

堀一郎の箱書き
無論、彼は私のことを知らないでしょうが、いつかお会いしたい作家ではあります。
たぶんお会いしたら、初対面である気がしないのではないかと思います。
いつも私の前にある湯呑…作品は、作家そのものだから。
【堀一郎の略歴】
1952 岐阜県瑞浪市に生まれる
1971 多治見工業高校デザイン科卒業
加藤孝造に師事
以後、朝日陶芸展、中日国際陶芸展
日本伝統工芸展に出品
1984 瑞浪市大湫に穴窯を築く
公募展を離れ、個展のみで作品を発表
1997 工房を瑞浪市大草に移し穴窯を築く
全国各地で個展
志野焼について、関連した私のブログは、以下のものがあります。
☆印のブログは、志野についての概略がかいせつしてあります。
参考に、ご覧頂ければ幸です。
2008.10.24
『現代陶芸の教養が身に付く入門講座(22)…鈴木蔵・加藤孝造・若尾利貞の志野焼』
2008.09.25
現代陶芸の教養が身に付く入門講座(20)…林正太郎・玉置保夫・安藤日出武の志野焼
☆2008.05.30
現代陶芸の教養が身に付く入門講座(14)…荒川 豊蔵のぐい呑み
☆2008.03.31
人を魅了する陶芸の世界(8)…鈴木蔵の志野ぐい呑み

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