石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

八ツ場ダム事業費720億円増額

2016年08月23日 | 他ダムのこと

今月12日、国土交通省関東地方整備局は、

「八ツ場ダムの建設に関する基本計画」の変更について

記者発表しました。

何が変更になったかというと、事業費です。

これまでの約4,600億円が、約5,320億円に見直されました。

つまり、720億円の増額です。

八ツ場ダムの場合、事業費の増額は3回目のようです。

1986年の基本計画策定時には、事業費は約 2,110 億円でしたが、

2004年に約 4,600 億円に倍増され、

今回の変更約5,320億円で、当初の約2.5倍の金額になりました。 

8月12日付の日経新聞には「計画のずさんさが改めて浮き彫りになった」と書かれています

 

それにしても、720億円!

石木ダムが2つ半も造れる金額です。

なんでそんなに増額するの?と思いきや、

「変更に至った理由」として、このように書かれていました。

事業が終盤を迎え、基礎掘削が概ね完了したことにより、事業の詳細な内容が概ね確 定したことから、コストの精査を行いました。 コスト縮減の工夫をしてもなお、前回計画変更以降の状況変化により、基本計画に定 める「建設に要する費用の概算額」(事業費)を変更する必要が生じたため、今般、基 本計画の変更を行うものです。

要するに、これまで示していたのは概算額であり、

コストを精査してみたら、誤算でしたーってこと。

で、その主な要因は、

地滑りなど安全対策(141億円)

地質条件の明確化等による変更(202億円)

公共工事単価の変化(233億円)

と書かれていますが、

②については、要は、地質を見誤っていたということでしょう。

そして、①も②も、地元をよく知る市民から強い懸念が示され、ここはダムの適地ではないと指摘されていたにも拘わらず国は工事を強行し、その結果、対策費が加算されていったのでしょう。

国交省は自分たちの認識不足、見込み違いによる誤算のツケを平気で国民に押し付けるんですね~

これからもっと増えるかもしれません。

③の工事単価の変化というのは、

建設資材や人件費の高騰、そして消費税の増税などのことで、

これは八ッ場ダムに限ったことではなく、当然石木ダムにもあてはまること

 

なのに、長崎県は全く工事費の変更については口にしません。

なぜ?

長崎県だけは資材が安く購入できる?人件費も以前のままで大丈夫?

そんなわけはありませんよね。

今はただ口にしないだけ。

公表の時期を選んでいるのでしょう。

おそらく、工事がある程度進んでからおもむろに…

ここまでやったらもう後戻りはできないな~

と県民が感じてくれる時期を測って発表するのでしょう。

 

今回の八ッ場ダムのケースを、少しでも多くの長崎県民に伝えたいですね。

 

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茶色のダム湖~二風谷ダム

2016年08月19日 | 他ダムのこと

この写真を見て、一瞬、大雨による被害?と思ってしまいました。

どこかの堤防が決壊して、田畑が冠水してしまったのか、

あるいは、その畑の水が泥水となって川に戻ってきたところなのか…とか。

 

でも、違いました。

これはダムです。

洪水時でもなんでもない通常のダムです。

青色でも緑色でもない茶色のダム湖。

北海道にある二風谷ダムといいます。

アイヌの人々の暮らしと文化を犠牲にして造られたダムです。

 

そして、このダムは、完成後たった5年で堆砂容量を超える土砂でいっぱいになったそうです。

これ以上、土砂を溜め込まないよう、その上流に新たに平取ダムの建設を進めています。

そのダムができても、やがてそのダムも土砂でいっぱいになるでしょう。

大地も水も封じ込めようとする人間の傲慢さ。

 

今や清流「沙流川」は、泥の川となってしまいました。

もちろん魚業への被害も甚大です。

詳細はこちらをごらんください。

http://protectingecology.org/report/6462

 

二風谷ダムが完成したのは1997年。

10年後の2007年には1268万㎥の土砂が堆積してしまったそうです。

それは国交省の試算では230年で堆積するといわれていた量です。

 

国の予測や判断なんて、そんなものかもしれません。

石木ダムの治水効果や利水の必要性だって、全くいい加減なものなのに、

国交省は2013年、事業認定というお墨付きを与えてしまいました。

それを錦の御旗として、見直しもせず、ダム建設を強行しようとしている長崎県と佐世保市。

そして、住民の家も田んぼも生活も文化も、みんな水の底に沈めてしまおうとしています。

 

石木ダムの事業認定は取り消されるべきです。

国は恥を知るべきです。

自分たちの判断が間違っていないと言うのなら、

あんなに無惨な姿になってしまった沙流川を、まず清流に戻してください!

 

 

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欠陥ダムの代表格?底抜けの大蘇ダム

2014年08月16日 | 他ダムのこと

熊本県産山村にあるヒゴタイ公園でヒゴタイを堪能した帰り、

友人の案内で寄り道したヒゴタイ大橋。

ん?川の色が草と同じ緑色!

もしや、川ではなくダム湖?

橋を中ほどまで進んで下を見ると・・・

 

やっぱり、遠くにそれらしきものが・・

ダムでした。

地図を見て確認。

これがあの悪名高き大蘇ダム!

当初事業費は130億円の見込みだったのに、595億円に大幅増加!

2005年3月に堤体が完成して試験湛水を行なったところ、貯水池の土壌に浸水が確認され計画延期。

2009年度からは、一部で農業用水の利用が開始されているが、計画の半分程度。

農林水産省は、2010年度から漏水対策を行っており、その事業費約8億4千万円は全額国費。

2013年度からの総事業費126億円は、国が7割を負担し、

残る3割を大分県、熊本県、竹田市、阿蘇市が受益面積に応じて負担することとされているらしい。

 

「ダイヤモンド オンライン」に詳しい解説記事が出ていました。

たいへん参考になる記事です。抜粋して転載させていただきます。

 

誰も責任をとらず、湯水のように注がれる修復費用
“底抜け”大蘇ダムに振り回される住民たちの失意

http://diamond.jp/articles/-/21290

 日本は世界に冠たるダム大国で、建設の実績と技術力の高さで他国を圧倒している。しかし、その一方でとんでもない欠陥ダムを生み出していた。代表事例が、水の貯まらない底抜けダムだ。ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに貯水できないという欠陥品である。

  熊本県の大蘇ダムと北海道の東郷ダムが、その「底抜けダム」である。いずれも農水省が農業用ダムとして建設したもので、完成後に水漏れが発覚し、水利用ができずにいる。

 九州農政局は当初、水を待ち望む受益農家らに対し、この重大事実を明らかにしなかった。黙ったまま伏せていたのである。しかし、土地改良区の関係者が試験湛水のデータなどが示されないことなどに不審を抱き、水漏れの事実を突き止めた。こうして水漏れダムの存在が初めて、表面化した。

 大蘇ダムは阿蘇カルデラの北東斜面に造られた。周辺一帯はいわゆる火山灰地である。地盤が悪く、地元の人たちは当初から「水を貯めるのは難しいのではないか」と、語り合っていた。そもそもダムを造るような場所ではないと心配していたのである。

 大蘇ダムの事業着手は1979年で、当初の計画では事業費は約130億円と見積もられていた。それが約700億円にまで膨れ上がり、その上、実際に水を利用できるまで40年以上も待たされることになる。民間企業でこんな仕事をしていたら、間違いなく懲戒解雇ものだ。というより、会社そのものが存続し得ないはずだ。しかし、日本の役所の世界は極めて異質なところである。「水漏れ欠陥ダム」を造った責任を農水省の誰かがとったという話は、聞こえてこない。

 欠陥ダムの建設に関わったお役人が誰1人、責任を取らぬまま、血税が投じられるのはどう考えてもおかしい。納税者として到底、納得できない話である。

 

 

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阿南市の洪水被害と長安口ダム

2014年08月12日 | 他ダムのこと

昨夜の報道ステーションで、徳島県阿南市の洪水被害とダムの関係について語られていました。

 

避難場所に指定されていた加茂谷中学校の2階まで浸水し、道路はまるで海のよう。

http://blog.goo.ne.jp/kamoda2jhs

住民は3階へ避難し無事でしたが、なぜここまで那賀川はあふれてしまったのでしょう?

住民の方は長安口ダムの放流の影響を口にしていました。

今回ダムの貯水率が90%になった時点で、毎秒5411トンの水が放流されたそうです。

以前も同様の放流をおこなったときに洪水になったとか・・

 

Wikipediaによると、

那賀川流域は剣山山系を流域に持つが、この山系は土砂が崩落しやすい地域であった。さらに産業構造の変化や海外からの安価な輸入木材が国内に流通するに伴い林業が衰退、植林されたスギ林はメンテナンスされず放置されていった。森林は適度に間伐されることで適度な保水力を有し土砂災害や土砂流出を抑制するが、このような複合的な要因で那賀川上流部では土砂の崩落が続出した。現在でも当該地域は国土交通省砂防部が指定する全国14の重荒廃地域の一つに指定されている。こうした土砂は長安口・小見野々・追立の各ダムに流入し、深刻な堆砂問題をひき起こした。特に追立ダムの場合、坂州木頭川が運搬する土砂が膨大であり貯水池は堆砂で完全に埋没。高さ15メートル以上あるにも拘らず現在ではダムとして認められていない。また小見野々ダムでは上流の歩危峡が堆砂で埋没、河床上昇による水害の被害を木頭村が訴えるようになった。そして長安口ダムでも堆砂が徐々に進行していった。

とのことです。

これでは、ダムは治水対策になるどころか被害を大きくしているように思えます。

過去(1971年)にも同様の被害があり、当時は毎秒5500トンの放流で、鷲敷町が浸水。

ダム操作の過失が水害を増幅したとして徳島地方裁判所に提訴。長安口ダム放流被害訴訟です。

地裁は過失を認め、国と県に損害賠償を命じましたが、国と県は高松高裁に控訴、

その後最高裁まで進み、住民の敗訴が確定しました。

 

ここにも書かれているように、

国策による林業の衰退、森林の荒廃が保水力を弱め、水害の要因を作っているのに、

国や県というところは、どうしても自分たちの過ちを認めようとはしません。

 

私たちの身近ではイサカン然り、石木ダム然り、

途中で間違いだと気づいても、あらゆる言い訳を並べて押し通す。

無駄な公共事業を進め続ける。

その結果、自然破壊を促進し、その影響は洪水となって、渇水となって私たちに降りかかる。

事前にそれをくい止めようとすると、公共工事を妨害する不届き者として訴えられる。

それがこの国の今の現実。

 

でも、諦めず、ダメなものはダメと抗い続けたいと思います。

あとで後悔したくないから。 
 

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いずこも同じ 架空予測 ~ 当別ダムの場合

2014年07月11日 | 他ダムのこと

ダムを造るために過大な水需要予測をでっちあげるのは、石木ダムに限らず、どこでもやられていることのようです。

特に北海道の当別ダムでは、以前それがかなり大きな問題になったこともありましたが、

形式的な再検証をして問題無しとして事業は進み、

2012年10月に完成し、2013年4月供用開始されました。

そして、それから約1年後の今年3月、札幌市水道局は新たな水需要予測を公表しましたが、

それは、これまでの予測を大幅に下方修正したものとなっていました。


札幌市水道局による次期中期計画の
http://www.city.sapporo.jp/suido/c03/c03third/documents/h25-2mizu-3.pdf
最終ページのファイル59「日最大給水量」のグラフを見ると、


将来(2035年度)の予測値は、一日61.8万㎥となっていて、

直近(2012年度)の実績値よりやや微増といった程度で、妥当な予測だと思われます。

ところが、これは前回(2007年度)の予測よりも25万㎥も下方修正したもので、

前回の予測がいかに過大で、でたらめなものであったかということを示しています。

 

当時は、一日最大給水量が67万㎥ほどだったのに、2035年度には87万㎥にまで増大する、

しかし保有水源は83万㎥しかないので、4万㎥足りない、

よって当別ダムが必要だと主張していたのです。

 

人口は減少しているのに、今後20万㎥も増えるはずがないと市民団体は抗議しましたが、

聴く耳を持たず、ダム事業は進められ、一昨年秋に完成、昨年4月から運用が開始されました。

ここまでくれば安心。

もう嘘の需要予測は不要ということなのでしょう。

今年の新予測では、2035年度の一日最大給水量は61.8万㎥というまともな数字が提示されています。

なんとまあ、ゲンキンな!というか正直というか・・・

 

前回と今回の予測をわかりやすく示したグラフがあります。

水源連の嶋津暉之氏によるものです。

 

 



「ダムができれば、架空予測は用無しということです。

 このように、ダム参加の口実をつくるための架空予測が罷り通ってきているのです。」

(嶋津氏コメント)


 


 

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