第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。一 租税等の請求権
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
以下略
一般の不注意による交通事故などの損害賠償請求権は自己破産によって免責の対象となると言う事だが、飲酒運転については分かれるようだ。無免許運転についてはどうなるのだろうか。無免許運転が常習のような場合にはならないようだが、こちらも立法できちんと担保すべきことではないだろうか。厳罰化は熱しやすく冷めやすい日本人らしい発想であるような印象を受けてしまう。刑事罰と民事の損害賠償は車の両輪である。刑事罰の履行は担保されているが、民事の損害賠償に目が向いているだろうか。時間がかかり、地味だけに冷めやすい日本人はきちんと目を向けていない印象がある。
損害賠償履行が完了しなければ物事は完了したとは言えない。しかし当初はいくら関心を持たれてもそのうち忘れられてしまう。
厳罰化が叫ばれるが、いくら厳罰化しても飲酒運転がなくなるわけではないだろう。無免許運転もなくなるとは思えない。厳罰化されてもその時の一時的な感情はおさまっても傷がいやされるわけではない。働き手を失ったりすると生活が苦しくなるが、その苦しみは長く続く。しかし世間の関心はどんどん低くなる。事件の当初は同情されても段々忘れられてしまう。救いが必要な時に世間は知らんふりと言うのが実情ではないだろうか。
損害賠償責任の履行を担保する法律の整備と破産による免責の対象とならない事を明文化すべきではないだろうか。