まっすぐ飛んだボールは、失速せず対岸へ届き、白いOB杭
のすぐ上のラフに入った。崖が柔らかい土だったのだろう。
跳ね返ることなく、ラフの草にしがみいついているみたい
だ。150ヤード離れていても、白く光って微動だにしな
い必死の様が伺えた。
これは早く行って助けねば、とみなが打ち終わるのをまって
慌てて走った。他のメンバーは、フェアウエイの先の方へ
ボールを運んでいた。
フェアウエイからボールのあるところまで降りる。頭がク
ラクラッとする。ここの谷は、まっすぐに切り立ち、さき
は思いのほか深く大きかった。昨日、犬山城の天守閣で
半分腰を抜かしかけたことを思い出す。それに比べると
ここはなおのこと怖い。犬山城は手をもつところもあった
し、ましてや床があった。ここはすべり落ちそうな斜面で
なおかつ、ここでクラブを振らねばならないのだ。クラブ
を振ったら、その勢いでほなさんは谷底に落ちそうだ。
自分が高所恐怖症であることを、日々忘れてきた。高いと
ころで足ががくがくすることも、熱さ過ぎればなんとかで
直面しないことには気付かないのだ。今、火事場のくそ力
でここまでやってきたら、足元から力は抜けてゆき、斜面
にしがみつき、動けない自分がいた。とてもクラブなんか
振れない、どうしよう。
ゴルフにきて死ぬのはイヤだ。必死で考えた。
立ってスゥイングはできないから、斜面に寝そべったまま
、短く持ったクラブのヘッドをボールに当ててみよう。飛
ばなくとも、少しでもフェアウエイに昇れば幸いだ。
そう思ってボールに当てたら、芯を打ったのか、フェアウ
エイまで戻った。よかった、ヨガッタ~。
他の人は、
「あれ、あんなところで寝転んで、ほなさんは何をしよん
かいな」
と見ていた。でも、頭の中を活発に動く想像力は、もうす
でに三度も斜面から滑り落ち、奈落の谷底へ行く光景をみ
せてくれていた。そのたびに、ほなさんは叫び声をあげて
いたのだった。
「た、たすけてくれ~」
NARASETUさんが、フェアウエイの先から、こっちの方角へ
打って来いと言っている。
パー5のロングコースは、上りきったフェアウエイの先が
見えなくなっていた。だから、NARASETUさんは、尾根の部
分に立ち、グリーンはこっちだと案内していたのだ。
ほうほうのていでクラブを出し、打とうとすると、
「もうあまり距離がないから、アイアンで十分だデヨー」
とNARASETUさんが大きな声でいう。今日はキャディさんの
役目までしてくれ、大いに助かった。アドバイスがなかっ
たら、そうとう叩いたことは間違いない。
このアドバイスというのは、ルール上、判定が難しいもの
だから、実際には、ほなさんはペナルティを払うべきなの
かもしれない。
このホールは、他の人たちが、どんなショットで、どこへ
ボールを落としたのか、じぶんのことでいっぱいで、まっ
たく気がつかなかった。尾根を登りきり、グリーン真近に
なって、意外と良いところにつけていた。尾根の向こうは
右に大きく曲がり、急な下り傾斜になっていた。
テーラーさんは、打ったボールが判らず、コースアウトし
て隣のコースから見つかった。tomomiさんのボールは行方
不明。諦めかけた時、グリーンオーバーのカート道から発
見され、事なきをえた。カラーボールだったことがよかっ
た。
このホールは、なにもわからないうちに、グリーンを降り
た。どんなパットだったか覚えていないが、このホールは、
とにかく終わってよかった。
スコアなんていってられない。死ななくてよかったと思っ
た3番ホールだ。
のすぐ上のラフに入った。崖が柔らかい土だったのだろう。
跳ね返ることなく、ラフの草にしがみいついているみたい
だ。150ヤード離れていても、白く光って微動だにしな
い必死の様が伺えた。
これは早く行って助けねば、とみなが打ち終わるのをまって
慌てて走った。他のメンバーは、フェアウエイの先の方へ
ボールを運んでいた。
フェアウエイからボールのあるところまで降りる。頭がク
ラクラッとする。ここの谷は、まっすぐに切り立ち、さき
は思いのほか深く大きかった。昨日、犬山城の天守閣で
半分腰を抜かしかけたことを思い出す。それに比べると
ここはなおのこと怖い。犬山城は手をもつところもあった
し、ましてや床があった。ここはすべり落ちそうな斜面で
なおかつ、ここでクラブを振らねばならないのだ。クラブ
を振ったら、その勢いでほなさんは谷底に落ちそうだ。
自分が高所恐怖症であることを、日々忘れてきた。高いと
ころで足ががくがくすることも、熱さ過ぎればなんとかで
直面しないことには気付かないのだ。今、火事場のくそ力
でここまでやってきたら、足元から力は抜けてゆき、斜面
にしがみつき、動けない自分がいた。とてもクラブなんか
振れない、どうしよう。
ゴルフにきて死ぬのはイヤだ。必死で考えた。
立ってスゥイングはできないから、斜面に寝そべったまま
、短く持ったクラブのヘッドをボールに当ててみよう。飛
ばなくとも、少しでもフェアウエイに昇れば幸いだ。
そう思ってボールに当てたら、芯を打ったのか、フェアウ
エイまで戻った。よかった、ヨガッタ~。
他の人は、
「あれ、あんなところで寝転んで、ほなさんは何をしよん
かいな」
と見ていた。でも、頭の中を活発に動く想像力は、もうす
でに三度も斜面から滑り落ち、奈落の谷底へ行く光景をみ
せてくれていた。そのたびに、ほなさんは叫び声をあげて
いたのだった。
「た、たすけてくれ~」
NARASETUさんが、フェアウエイの先から、こっちの方角へ
打って来いと言っている。
パー5のロングコースは、上りきったフェアウエイの先が
見えなくなっていた。だから、NARASETUさんは、尾根の部
分に立ち、グリーンはこっちだと案内していたのだ。
ほうほうのていでクラブを出し、打とうとすると、
「もうあまり距離がないから、アイアンで十分だデヨー」
とNARASETUさんが大きな声でいう。今日はキャディさんの
役目までしてくれ、大いに助かった。アドバイスがなかっ
たら、そうとう叩いたことは間違いない。
このアドバイスというのは、ルール上、判定が難しいもの
だから、実際には、ほなさんはペナルティを払うべきなの
かもしれない。
このホールは、他の人たちが、どんなショットで、どこへ
ボールを落としたのか、じぶんのことでいっぱいで、まっ
たく気がつかなかった。尾根を登りきり、グリーン真近に
なって、意外と良いところにつけていた。尾根の向こうは
右に大きく曲がり、急な下り傾斜になっていた。
テーラーさんは、打ったボールが判らず、コースアウトし
て隣のコースから見つかった。tomomiさんのボールは行方
不明。諦めかけた時、グリーンオーバーのカート道から発
見され、事なきをえた。カラーボールだったことがよかっ
た。
このホールは、なにもわからないうちに、グリーンを降り
た。どんなパットだったか覚えていないが、このホールは、
とにかく終わってよかった。
スコアなんていってられない。死ななくてよかったと思っ
た3番ホールだ。
何度も高富GCには行ってますが、本当にこのホールには手を焼きますね
このホール、これであっていたでしょうか?
無事生還でき、死ななくて良かったと思いました。
次の機会がありましたら、ドラえもんさんとラウンドしたいです。ヨロシクお願いします。