喜多院法興寺

住職のひとりごと

中尊寺や毛越寺などが世界文化遺産に登録

2011-06-28 07:35:15 | Weblog
6月27日付 よみうり寸評
 {〈五月雨の降(ふり)のこしてや光堂〉――岩手県平泉町の中尊寺金色堂を芭蕉はこう詠んだ。元禄2年(1689年)のことだった。
◆すべてのものは雨で朽ちるが、ここだけは降り残したように長い風雪に耐え、光り輝いている。その美しさに感嘆した句だ。
◆「奥の細道」には「光堂は(藤原)三代の棺(ひつぎ)を納め……四面新たに囲み、甍(いらか)を覆いて風雨をしのぐ。千歳(せんざい)の記念(かたみ)とはなれり」と記した。それからさらに322年を経たきのう、中尊寺や毛越寺など「平泉の文化遺産」が世界文化遺産に登録が決まった。
◆平安時代に奥州藤原氏が築いた寺院や庭園などの遺跡群は「極楽浄土信仰に基づいて現世に浄土空間を表現した」と評価された。
◆芭蕉の言う「千歳の記念」は「世界の記念」になった。日本の世界文化遺産は12件目、東北では初。自然遺産を合わせると24日に決まった小笠原諸島を含め16件
◆東日本大震災の3・11以来、多難な日々の東北を力づけるような世界文化遺産の登録だ。平泉だけでなく広く東北復興のバネにしたい。

 東北天台宗の名刹である中尊寺や毛越寺が世界文化遺産に登録されたことは、我が宗の誇りである。前回世界遺産保留された経緯もあり、今回の世界遺産登録が決まったことで、平泉町だけでなく被災された東北に勇気を与えてくれた。藤原三代が祀られている金色堂での慰霊祭も行われ、大震災で命を落とした人達も、今回の登録を応援してくれたと思う。この登録で観光客も増えることを願っている。



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