喜多院法興寺

住職のひとりごと

中国書記官、農水機密に接触

2012-05-30 06:35:11 | Weblog
5月30日 編集手帳 読売新聞

 {英国情報部に所属したこともあるスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレによれば、「 諜報 ( ちょうほう ) 界最古の格言」というのがあるらしい。〈きょうの友をスパイしておけ。彼らはかならずあすの敵になる〉(早川書房『スクールボーイ閣下』)◆多くの政治家を輩出した松下政経塾などで人脈を培ったところを見れば、“きょうの友”選びに知恵を巡らせたのだろう。警視庁公安部が在日中国大使館の1等書記官に出頭を要請した◆軍の情報機関「総参謀部」の出身で、外国人登録証明書を不正に使用したほか、諜報活動をしていた疑いが持たれている。書記官は要請を拒み、帰国した◆中国のスパイが要人1人と接触した際に所属組織から支給される資金が「原則1万円」とは、記事を読むまで知らなかった。経費削減の荒波はいずこも同じ…というつまらない感懐はさておき、書記官は不足分を自前で用意すべく、日本国内の企業から顧問料などを不正に得て工作資金に充てていたようである◆「友」の仮面の下に「敵」の 鎧 ( よろい ) がのぞく人は、何の獲物を狙っていたのだろう。解明されないうちは気持ちが悪いことこの上ない。}


 外国人登録証明書を不正に使用したほか、諜報活動をしていた在日中国大使館の1等書記官は農産物の対中輸出促進事業に関する農林水産省の機密文書を得る目的で、中国の国有企業を日本側に紹介したりするなど、事業に深く関わっていたらしい。警視庁公安部は書記官の 諜報活動の一環だった可能性があるとみている。






日本ダービーディープブリランテ鼻差で優勝

2012-05-29 06:40:18 | Weblog

5月28日 よみうり寸評

 {2009年生まれのサラブレッドは7572頭。うち勝ち残ってきた18頭が同世代でただ1頭の頂点を競い合う日本ダービー◆今年の覇者はディープブリランテだった。2400メートル走ってわずか鼻差の優勝。2分23秒8の同タイムで急追した2着フェノーメノを退けた。同世代の頂点に立つことの厳しさを物語る◆27日の東京競馬場、岩田康誠騎手は勝って引き揚げる馬上に伏して号泣した。ダービージョッキーになるのは実に難しい。歴代の勝者のさまざまな感動を見たが、 鞍上 ( あんじょう ) でこれほどの号泣は知らない◆前週までの騎乗停止でレースに乗れない間、矢作調教師に志願し、ディープブリランテの調教に毎日乗り続けた◆調教師にどなられる場面もあった末の栄冠涙ありだ。ブリランテはディープインパクトに続く父子2代制覇。同世代では最強と信じ、人馬一体で走れた涙でもあった◆2着の蛯名騎手の目にも熱いものがあった。〈競馬が人生の比喩なのではない。人生が競馬の比喩なのである〉――寺山修司の名言だ。}

 七度目の挑戦で馬と一体でつかんだ優勝。岩田騎手はNHKマイルCで失格し実効4日間の騎乗停止で失意のどん底を味わった。騎乗停止が明けて、すべてをブリランテにかけようと、矢作調教師に志願し、死ぬ気で調教をしたことで、馬と一体となったことが勝利につながった。

トンネル内の4人の死亡も確認

2012-05-28 06:38:48 | Weblog
朝日新聞
 {新潟県南魚沼市のトンネル建設現場で起きた爆発事故で、国から工事を請け負った佐藤工業(本社・東京)が、トンネル内でガスが発生する危険性を伝えられていながら作業員らに徹底していなかったことが、同社への取材で27日、わかった。作業員は事故当日、ガス測定器を持たずにトンネル内で換気設備の点検作業をしていた。

 県警は、同社のガス対策が不十分だったことが爆発事故につながった可能性があるとみて、同社北陸支店(富山市)など関連先3カ所を同日、業務上過失傷害容疑で捜索した。トンネル内で作業していた4人の死亡も確認し、死因の特定を進めるとともに、容疑を業務上過失致死傷に切り替えて調べる。

 爆発事故は、国道253号の八箇峠(はっかとうげ)トンネルで24日午前10時半ごろ発生。トンネル外部にいた作業員3人が重軽傷を負い、内部で作業中だった4人と連絡が取れなくなった。爆発はトンネル内部に可燃性ガスが充満し、何らかの原因で引火して起きた可能性が指摘されている。}


 佐藤工業が、トンネル内でガスが発生する危険性を伝えられていながら作業員らに徹底していなかった。取材で、事故前にトンネル内に設置されていた換気設備が、モーターや電気配線などにガスが触れても着火しない「防爆構造」ではなかった。工事用換気設備を下請けした集じん機メーカー流機社によると、ガスの発生が予想される場合、防爆構造の機械を使うが、事故があったトンネルでは、ガス発生の可能性を聞かされていなかったことが、事故の原因である。











波平像の「髪の毛」なくなる 

2012-05-27 06:44:26 | Weblog

朝日新聞
 {東京都世田谷区の桜新町商店街で、漫画「サザエさん」に登場する「波平」の銅像の頭頂部に1本だけ生えている髪の毛が、2度にわたって抜き取られていたことがわかった。地元住民は「付け直したいが、また抜かれたら困る」と困惑している。

 商店街は東急田園都市線桜新町駅近く。原作者の故長谷川町子さんが長年暮らしたことから「サザエさん通り」と呼ばれ、今年3月、サザエさん一家の像が計12体設置された。

 商店街振興組合によると、今月7日、波平像の髪の毛がなくなっているのを理事長の坂口賢一さん(45)が発見。すぐにスペアを「植毛」したが、21日朝には再び消えていた。いずれも道具などで挟んで引き抜いたとみられるという。}

 東急田園都市線の桜新町駅付近はの長谷川町子さんが住んでいたゆかりの地。銅像は作品誕生65年を記念して企画され、今年3月に設置された。サザエさん一家の像が計12体ある中で、波平さんの髪の毛だけが二度にわたって、抜き取られた。皮肉なことに、この事件後、波平さんの銅像を見に来る人が増えているそうだ。















不正受給ではないが、返したいと河本さん

2012-05-26 05:26:00 | Weblog
5月26日 編集手帳 読売新聞

 {落語の“爆笑王”初代林家三平さんがテレビで人気絶頂の頃である。自宅では母・歌さんと妻・香葉子さんが二人してマッチの 上貼 ( うわば ) りや洋服の縫製など、手当たり次第に内職をこなしていたという。劇作家の大西信行さんがある随筆に書いている◆三平さんにも売れなかった時期がある。あすの生活を誰も保証してくれぬ人気商売には「もしも…」の用心が要るのだろう◆母親が生活保護を受給していたことで批判されたお笑い人気コンビ「次長課長」の河本準一さん(37)も不遇の時を知る人であり、「もしも…」の心理が働いていたらしい。きのう、記者会見で釈明した◆生活保護の傘は、暮らし向きの晴雨に応じて出入り自在であるのが本来の姿だろう。現実には雨が降ってもすぐには入れてもらえず、晴れても今度は「もしも…」の不安から出にくいのが実情である。制度のありようを問うた騒動と言えなくもない◆それにつけても――相手が名の売れた芸能人とはいえ、ひとさまの財布をのぞき込んで物を言うのは、気も筆も進まないものである。〈名月や 銭金 ( ぜにかね ) いはぬ世が恋し〉という古句をひとりつぶやく。}


 お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんが記者会見で、母親の生活保護受給にお対し自分の考えが甘かった。お世話になった分のお金をきちんとお返ししたい」と釈明し、これまでに受給した保護費の一部を返す意向を示した。
 芸人は浮き草稼業で、先の保証の無い商売だ。母親が生活保護を求めたことに理解できる。人気が出て収入が出てきたときも、将来の不安から生活保護を、打ち切れなかったのだろう。生活保護の不正受給の生け贄にされた、河本さんに同情する。このような状態で、お笑いするのは、見るものつらいし、やりににくいであろう。