hiroMAXのフォトダイアリー

hiroMAXが、毎日写真を撮りながら思ったことを発信する日記です。

6/15  沖で待つ

2006-06-15 23:39:27 | BOOK
母がもう読み終わったというので、今年の芥川賞を取った
絲山秋子の『沖で待つ』が掲載されている文藝春秋をまわしてもらって読んだ。

同期入社で同じ支店配属の「太っちゃん」について主人公が回想している小説だった。

なんで回想かというと、太っちゃんは死んでしまっているから。

悲しいはなしではなく、
淡々と太っちゃんについて思い出しているのである。

私にも新入社員の頃、同じ支店に配属された同期が何人かいる。

主人公の言葉に、
  ”仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。
         同期ってそんなもんじゃないかと思っていました”
というのがあるのだけれど、私もそう思う。

何かと比べられてライバルなんだけれど、お互い、助けたり助けられたり。

間違っても、足の引っ張り合いなんて出来ない関係。

特に最初の頃ひどく劣等生だった私は、
同期がいなかったら3ヶ月も持たずに辞めていたのではないかと思う。

上司に怒られたあと、泣きたくなって資材倉庫に篭城した私を探しに来てくれて、
励ましてくれたり。

事故を起こした私がしばらく車を運転出来なくなったので、
気遣って私の仕事が終わるまで待って、頻繁に家まで送ってくれたり。

説明会の準備が終わらない私につき合って、深夜まで手伝ってくれたり。

数え上げたらきりが無い。

でも、同期っていうのはそういう気になってくれる存在なんだと思う。

そんな感覚を思い出させてくれる本だった。


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