室長です。
積もる一方の積読本の紹介ばかりが増えてますが、ごくまれに読めるものは数ヵ月遅れでちゃんと読んでます。数は少ないですが(苦笑)
そんな中で、ここ一年購入した本の中で一番しっくりきた本(フィットした本)が『縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望』(山崎亮、PHP新書)です。
山崎亮と言えば、コミュニティデザインの分野で著名な人で、「人口や税収が縮小しながらも地域の営みや住民の生活が充実したものになっていくしくみを僕らは編み出さなければならない時期を迎えている」という問題意識から、日本を取り巻く各分野の過去・現状・展望を「参加」というキーワードから読み解いていくというのが同書の趣旨です。
取り上げる分野は、まちづくり/政治・行政/環境/情報/商業・消費活動/芸術/医療・福祉/教育と多岐にわたっており、インタビューする人や参照する書籍は、自身の研究時代に聞き慣れたものが数多く並んでいて、勝手ながら著者の問題意識に等身大のシンパシーを感じながら読むことができた次第。自分の専売特許と思ったダジャレ(参画=参加・苦)もしっかり使われていましたしw
ちょうど、わが地域のまちづくりのプロセスに危機感を抱いて、市政への市民参画を少しでも進めようと自身で開始した「さんかくサロン」のコンセプトと重なり合う主張が随所に見られたことも、一つ一つ首肯しながら読み進めることができた大きな要素になっています。
そんなことで久々にマーカーを片手に通読してみました♪
参考までに、共感して線を引いた箇所を拾い上げてみます。
〇「楽しさ」と「未来」とを結びつけるしくみが「参加」
〇(欧米では)公共とは「わたしたちのもの」と理解される。(中略)公共事業を行う国や自治体は「民」の代理人にすぎない。
〇自由度がないところには、楽しさも生まれない。自分の好みや意見を表すことができ、なおかつそれが受け入れられる環境があればこそ、参加したいという意欲は湧いてくる。
〇ラスキン(イギリスの社会改良家)は、「美しさ」や「共感」を軸に社会の仕組みを考えようとした。
〇人口の自然減という時代の流れに、大南さん(神山町のグリーンバレーの代表)は逆らおうとしてはいない。同じ減るなら創造的に減っていく道を考えようということだった。
〇アイデンティティを失うことなく
〇オランダ国王は「福祉国家から参加型社会へ」と演説し、納税者が所得税の1%を好きな分野に納められるようにした。‟Citizen Participatory Budgeting”(市民参加型予算)
〇居住年数が投票率に影響する
〇住んでいるまちから魅力が感じられなければ、地方選挙は「わたしたち」のこととして考えにくくなる。
〇「このまちが好きだから」という純粋な気持ちも、きっと政治や行政への市民参加のきかっけになり得る。
〇活動の原動力となる3つの輪(住民がやりたいこと/住民ができること/行政が求めていること)が重なるところに、僕は縮充の時代に求められる「参加」、「参画」、「協働」のヒントがあると考えている。
〇「やりたいこと」を、政治や行政の分野にある課題解決の取り組みにつなげていくことが、いまの「わたしたち」にできる参加
〇帰属する組織や集団の中で認められたいというニーズを満たす条件を「コミュニティ要因」という。
〇(オープンデザインがものづくりを変える)そういう時代にすでになりつつあるいま、課題になるのはものづくりのリテラシーだと思っている。デザインの知識、材料と環境負荷の関係、安全に加工する技術、機械の操作やプログラミングの方法、著作権のルール、さらには共同作業の進め方……。
〇グループワークの質を高めることは先生のスキルになる。ここはIT化できない。
〇参加する機会がつくれること、参加する住民がいること、それ自体が地域や社会にとって重要
〇「この人と一緒にやりたい」と相手に思ってもらえること。「これを一緒にやろう」と自分から働きかけていくこと。
〇「一緒に何かをやりたい」と相手に思わせる力が協働の時代には求められてくる。
〇自ら生産物を持っている第一次産業の人たちは、お金で働くシステムとは違う、新しい流通のあり方を共創してくれるのではないか
目下、政治・行政の分野に関心が高い室長としては、「活動の原動力となる3つの輪」のくだりが本書のキモとして特に印象に残っています。
これからのヒントとしてしっかり頭に焼き付けておくことにします。
積もる一方の積読本の紹介ばかりが増えてますが、ごくまれに読めるものは数ヵ月遅れでちゃんと読んでます。数は少ないですが(苦笑)
そんな中で、ここ一年購入した本の中で一番しっくりきた本(フィットした本)が『縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望』(山崎亮、PHP新書)です。
山崎亮と言えば、コミュニティデザインの分野で著名な人で、「人口や税収が縮小しながらも地域の営みや住民の生活が充実したものになっていくしくみを僕らは編み出さなければならない時期を迎えている」という問題意識から、日本を取り巻く各分野の過去・現状・展望を「参加」というキーワードから読み解いていくというのが同書の趣旨です。
取り上げる分野は、まちづくり/政治・行政/環境/情報/商業・消費活動/芸術/医療・福祉/教育と多岐にわたっており、インタビューする人や参照する書籍は、自身の研究時代に聞き慣れたものが数多く並んでいて、勝手ながら著者の問題意識に等身大のシンパシーを感じながら読むことができた次第。自分の専売特許と思ったダジャレ(参画=参加・苦)もしっかり使われていましたしw
ちょうど、わが地域のまちづくりのプロセスに危機感を抱いて、市政への市民参画を少しでも進めようと自身で開始した「さんかくサロン」のコンセプトと重なり合う主張が随所に見られたことも、一つ一つ首肯しながら読み進めることができた大きな要素になっています。
そんなことで久々にマーカーを片手に通読してみました♪
参考までに、共感して線を引いた箇所を拾い上げてみます。
〇「楽しさ」と「未来」とを結びつけるしくみが「参加」
〇(欧米では)公共とは「わたしたちのもの」と理解される。(中略)公共事業を行う国や自治体は「民」の代理人にすぎない。
〇自由度がないところには、楽しさも生まれない。自分の好みや意見を表すことができ、なおかつそれが受け入れられる環境があればこそ、参加したいという意欲は湧いてくる。
〇ラスキン(イギリスの社会改良家)は、「美しさ」や「共感」を軸に社会の仕組みを考えようとした。
〇人口の自然減という時代の流れに、大南さん(神山町のグリーンバレーの代表)は逆らおうとしてはいない。同じ減るなら創造的に減っていく道を考えようということだった。
〇アイデンティティを失うことなく
〇オランダ国王は「福祉国家から参加型社会へ」と演説し、納税者が所得税の1%を好きな分野に納められるようにした。‟Citizen Participatory Budgeting”(市民参加型予算)
〇居住年数が投票率に影響する
〇住んでいるまちから魅力が感じられなければ、地方選挙は「わたしたち」のこととして考えにくくなる。
〇「このまちが好きだから」という純粋な気持ちも、きっと政治や行政への市民参加のきかっけになり得る。
〇活動の原動力となる3つの輪(住民がやりたいこと/住民ができること/行政が求めていること)が重なるところに、僕は縮充の時代に求められる「参加」、「参画」、「協働」のヒントがあると考えている。
〇「やりたいこと」を、政治や行政の分野にある課題解決の取り組みにつなげていくことが、いまの「わたしたち」にできる参加
〇帰属する組織や集団の中で認められたいというニーズを満たす条件を「コミュニティ要因」という。
〇(オープンデザインがものづくりを変える)そういう時代にすでになりつつあるいま、課題になるのはものづくりのリテラシーだと思っている。デザインの知識、材料と環境負荷の関係、安全に加工する技術、機械の操作やプログラミングの方法、著作権のルール、さらには共同作業の進め方……。
〇グループワークの質を高めることは先生のスキルになる。ここはIT化できない。
〇参加する機会がつくれること、参加する住民がいること、それ自体が地域や社会にとって重要
〇「この人と一緒にやりたい」と相手に思ってもらえること。「これを一緒にやろう」と自分から働きかけていくこと。
〇「一緒に何かをやりたい」と相手に思わせる力が協働の時代には求められてくる。
〇自ら生産物を持っている第一次産業の人たちは、お金で働くシステムとは違う、新しい流通のあり方を共創してくれるのではないか
目下、政治・行政の分野に関心が高い室長としては、「活動の原動力となる3つの輪」のくだりが本書のキモとして特に印象に残っています。
これからのヒントとしてしっかり頭に焼き付けておくことにします。