室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

今年度一番のフィット本から

2017年02月26日 | 地域計画
室長です。

積もる一方の積読本の紹介ばかりが増えてますが、ごくまれに読めるものは数ヵ月遅れでちゃんと読んでます。数は少ないですが(苦笑)

そんな中で、ここ一年購入した本の中で一番しっくりきた本(フィットした本)が『縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望』(山崎亮、PHP新書)です。

山崎亮と言えば、コミュニティデザインの分野で著名な人で、「人口や税収が縮小しながらも地域の営みや住民の生活が充実したものになっていくしくみを僕らは編み出さなければならない時期を迎えている」という問題意識から、日本を取り巻く各分野の過去・現状・展望を「参加」というキーワードから読み解いていくというのが同書の趣旨です。

取り上げる分野は、まちづくり/政治・行政/環境/情報/商業・消費活動/芸術/医療・福祉/教育と多岐にわたっており、インタビューする人や参照する書籍は、自身の研究時代に聞き慣れたものが数多く並んでいて、勝手ながら著者の問題意識に等身大のシンパシーを感じながら読むことができた次第。自分の専売特許と思ったダジャレ(参画=参加・苦)もしっかり使われていましたしw

ちょうど、わが地域のまちづくりのプロセスに危機感を抱いて、市政への市民参画を少しでも進めようと自身で開始した「さんかくサロン」のコンセプトと重なり合う主張が随所に見られたことも、一つ一つ首肯しながら読み進めることができた大きな要素になっています。

そんなことで久々にマーカーを片手に通読してみました♪

参考までに、共感して線を引いた箇所を拾い上げてみます。

〇「楽しさ」と「未来」とを結びつけるしくみが「参加」

〇(欧米では)公共とは「わたしたちのもの」と理解される。(中略)公共事業を行う国や自治体は「民」の代理人にすぎない。

〇自由度がないところには、楽しさも生まれない。自分の好みや意見を表すことができ、なおかつそれが受け入れられる環境があればこそ、参加したいという意欲は湧いてくる。

〇ラスキン(イギリスの社会改良家)は、「美しさ」や「共感」を軸に社会の仕組みを考えようとした。

〇人口の自然減という時代の流れに、大南さん(神山町のグリーンバレーの代表)は逆らおうとしてはいない。同じ減るなら創造的に減っていく道を考えようということだった。

〇アイデンティティを失うことなく

〇オランダ国王は「福祉国家から参加型社会へ」と演説し、納税者が所得税の1%を好きな分野に納められるようにした。‟Citizen Participatory Budgeting”(市民参加型予算)

〇居住年数が投票率に影響する

〇住んでいるまちから魅力が感じられなければ、地方選挙は「わたしたち」のこととして考えにくくなる。

〇「このまちが好きだから」という純粋な気持ちも、きっと政治や行政への市民参加のきかっけになり得る。

〇活動の原動力となる3つの輪(住民がやりたいこと/住民ができること/行政が求めていること)が重なるところに、僕は縮充の時代に求められる「参加」、「参画」、「協働」のヒントがあると考えている。

〇「やりたいこと」を、政治や行政の分野にある課題解決の取り組みにつなげていくことが、いまの「わたしたち」にできる参加

〇帰属する組織や集団の中で認められたいというニーズを満たす条件を「コミュニティ要因」という。

〇(オープンデザインがものづくりを変える)そういう時代にすでになりつつあるいま、課題になるのはものづくりのリテラシーだと思っている。デザインの知識、材料と環境負荷の関係、安全に加工する技術、機械の操作やプログラミングの方法、著作権のルール、さらには共同作業の進め方……。

〇グループワークの質を高めることは先生のスキルになる。ここはIT化できない。

〇参加する機会がつくれること、参加する住民がいること、それ自体が地域や社会にとって重要

〇「この人と一緒にやりたい」と相手に思ってもらえること。「これを一緒にやろう」と自分から働きかけていくこと。

〇「一緒に何かをやりたい」と相手に思わせる力が協働の時代には求められてくる。

〇自ら生産物を持っている第一次産業の人たちは、お金で働くシステムとは違う、新しい流通のあり方を共創してくれるのではないか

目下、政治・行政の分野に関心が高い室長としては、「活動の原動力となる3つの輪」のくだりが本書のキモとして特に印象に残っています。

これからのヒントとしてしっかり頭に焼き付けておくことにします。

プロジェクトが手離れした後の清々しさ

2017年02月23日 | 地域計画
こんばんは、室長です。

この1~2年、なんだか仕事以外にプロジェクトをいくつか同時進行で抱えている結果、常にプロジェクトに追われている感があります(汗)

(後日、備忘メモとして書くとは思いますが)新たな段階に入りつつある「さんかくサロン」の企画に加えて、とあるマルシェへの出店計画、商工会青年部で先々舞い込んできそうな大型プロジェクト、烏山セントラルパーク計画etc...

一つ片付いてはまた一つ新たに持ち上がったりで、仕掛かりの案件がゼロになることがまずありません。どうしても凝り性というか尻に火がつかないとやらないタイプだからか、プロジェクト処理のリードタイムが長いことにも原因があるのかもしれませんが。

先日も、足かけ5ヵ月のプロジェクトがようやく手離れしたところで、今日になってようやくホッと一息ついた心地です。この手離れした瞬間ないしはその夜の清々しさと言ったら、経験ある人なら分かるかもしれませんが、それはそれはたまらないですよね(笑)

ご飯食べて、風呂に入って、子どもが寝たのを見届けて、とお膳立てしたところでようやく一人でチビチビ酒を飲んで労をねぎらう…なんとも幸せなことじゃないですか! こんな文章書いてないで、さっさとその幸せに浸ることにしたいと思います♪


おまけ

ちなみに、上記の手離れしたプロジェクトは「2001文庫」と言います。

昨年11月に地元高校にて職業講話をしたのですが、もう少し高校生と卒業生(地元で活躍する社会人)をつなぐきっかけが欲しいと思い立ち、地元に何らかの形で関わりを持ち続けている同級生の協力を得て、在校生におススメの本を紹介・寄付するプロジェクトを単発で立ち上げてみました。

将来の進路選択(進学or就職)や人生観の形成に役立ちそうな「おススメの一冊」を紹介するもので、紹介者にはモレなく400~800字程度の紹介文原稿の作成課題がついてくるという、なかなかヘビィな仕事です(苦笑)

そんな負担感満載の当プロジェクトに賛同してくれた同級生が、ありがたいことに多数いてくれて、惜しげもなく協力してくれた結果、これだけの本が寄せられました。本当に感謝です。



紹介文はそのまま印刷して配ってもインパクトがなかろうと思って、少しデザインを加えてパウチし、しおりとして本に挟んで並べてもらうことにしました♪



手間暇のかかるプロジェクトでしたが、無事に校長先生にお渡しすることができまして、個人的には満足のいくプロジェクトになりました。



「こんなキャリアパスで今こうして働いている先輩がいるんだ」、「そんな生き方があるのか」、「高校に置いてある普通の本とはちょっとテイストが違うけど面白そう…」といった新鮮な気づきを得てもらえたら何よりですね。

リサイクルBOX稼働開始

2017年02月13日 | スクラップ情報
室長です。

この度、ひらつね本社事務所北側の歩道沿いに、不要な資源物をいつでも(24時間)誰でも投入できるリサイクルBOXを設置しました♪



ご家庭でのこんな悩みの解消にお役立てください♪

・「月に一回の回収日に出し忘れた!」
・「回収日を待っていては家の中が片付かない!」

例えば、段ボールなどはちょっとしたものを買っただけでかなり大がかりなものがついてきて処分に困ることがよくありますよね。そんな時は、たいらやさんへの買い物やちょっとした外出のついでにこちらにポイっと投入してもらえれば手軽に処分できることになります。

是非とも積極的にご活用ください~


<取扱品目>
・古紙(段ボール、雑誌、新聞など)
・金属くず、小型家電
※家電リサイクル法対象品は投入不可です。
※火気厳禁

積読本11

2017年02月12日 | 読書・文学
室長です。

アウトプットに忙しかった昨年を過ぎたはずなのに、なぜか一向に捗らない積読本の読書。

購入するペースばかりが進み、気が付くとどんどん高く積まさっていく未読本。。

そんな今月の積読本です。

○『縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望』(山崎亮、PHP新書、2016年)

○『「ぼんやり」が脳を整理する』(菅原洋平、大和書房、2016年)

○『市民自治』(福嶋浩彦、ディスカバー携書、2014年)

○『レバレッジ時間術』(本田直之、幻冬舎新書、2007年)

○『観光立国の正体』(藻谷浩介・山田圭一郎、新潮新書、2016年)

○『真田四代と信繁』(丸島和洋、平凡社新書、2015年)