詩
秋 愁
いかならんこの愁い 蝉声すでに絶え 落日のまなざしの悲し
卓上にすでに万余の書籍積めど
個物なる肉体の逃がるところを知らず
仏祖説いて曰く 涅槃は寂滅の彼方にありと
されど生あるはなお歓喜の坩堝
とどめがたき懊悩の川辺に佇み
ただひたすら落葉の感傷を浴びているのみ
短歌二首
見に行かむ 竜田の姫の舞う山の 恋しき情の止め難かり
何ゆえに 吾は在りしと問いゆけば ただ在りというそのささやかさのみ
久しく当ブログに手をつけなかったが、年がいもなくセンチメンタルな駄詩を書いて再開の便としたい。